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循環器センター外科部門(心臓血管外科)[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成23年4月1日現在)

科長 (教授) 三澤 吉雄
副科長 (准教授) 齊藤  力
(兼任:平成22年11月1日血管内治療部へ異動)
外来医長 (講師) 大木 伸一
病棟医長 (講師) 上西 祐一朗
医員 (病院講師) 相澤  啓(平成23年1月昇進)
(助教) 坂野 康人
(病院助教) 村岡  新(平成23年1月昇進)
(教授) 河田 政明
(とちぎ子ども医療センター兼任)
(教授) 小西 宏明
(中央手術部・医療情報部兼任)
(講師) 長谷川 伸之
(救急医学兼任・大田原日赤派遣中)
(助教) 宮原 義典
(とちぎ子ども医療センター兼任)

臨床助教3名

2.診療科の特徴

心臓血管外科学教室では原則として循環器センターで高校生以上、子ども医療センターで中学生以下の患者さんを対象として診療している。循環器センターでは弁膜症、虚血性心疾患、急性大動脈解離、大動脈瘤、成人先天性心疾患、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤治療などを中心として診療し、とちぎ子ども医療センターでは新生児を含めた先天性心疾患を治療の対象としている。とちぎ子ども医療センターでは2010年に107件の手術(心臓胸部大動脈手術95件) を施行し、総手術件数は539件だった。本欄では主に循環器センターでの実績のみを詳記する。2010年の循環器センター入院患者総数は522例だった。人工心肺下心臓手術・胸部大動脈手術及び体外循環非使用下冠動脈バイパス術件数は239件、体外循環非使用下心破裂手術1 例だった。また腹部大動脈瘤の手術などを含めると2010年1 年間の総手術件数は431件だった。当センターでは心臓胸部大血管手術予定患者さんには病状に応じて術前の自己血貯血を勧め、輸血や血液由来製剤の使用を極力避ける方針としている。また内科医師との連携を強化した循環器センターとして同一病棟で有機的・効率的に診療している。術前術後症例を中心として循環器内科医師・小児科医師や臨床工学士を含めて合同カンファランスを行っている。

施設認定

日本外科学会外科専門医制度修練施設
日本胸部外科学会認定医認定制度指定施設
三学会構成心臓血管外科専門医認定機構認定基幹施設
日本成人心臓血管手術データベース機構認定施設
関連11学会構成ステントグラフト実施規準管理委員会認定ステントグラフト実施施設

指導医・専門医・認定医

(平成23年4月1日現在の常勤医)

日本胸部外科学会指導医 三澤 吉雄、齊藤 力、上西 祐一朗、小西 宏明
心臓血管外科専門医 三澤 吉雄、齊藤 力、大木 伸一、上西 祐一朗、坂野 康人、相澤 啓、小西 宏明、宮原 義典
日本外科学会指導医 三澤 吉雄、齊藤 力、上西 祐一郎、小西 宏明
日本外科学会認定医(専門医) 三澤 吉雄、齊藤 力、大木 伸一、上西 祐一朗、坂野 康人、相澤 啓、小西 宏明、宮原 義典
日本医師会認定産業医 三澤 吉雄、齊藤 力
The Japanese Society for
Cardiovascular Surgery,
activeinternational member
三澤 吉雄
胸部ステントグラフト指導医
(TALENT ThoracicStentgraft)
齊藤 力
胸部ステントグラフト指導医
(Gore TAG ThoracicEndoprosthesis)
齊藤 力
腹部ステントグラフト指導医
(Zenith AAA EndovascularGraft)
齊藤 力
腹部ステントグラフト指導医
(Gore Excluder Endoprosthesis)
齊藤 力
腹部ステントグラフト指導医
(Powerlink StentgraftSystem)
齊藤 力

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 516人、再来患者数 5,043人
紹介率:健康保健法上 72.2%

2)主病名別入院患者数;総数522例

先天性疾患 13例
弁膜性疾患 134例
虚血性疾患 43例
その他の心臓疾患 10例
胸部大動脈疾患 107例
腹部大動脈疾患 136例
慢性動脈閉塞 23例
急性動脈閉塞 10例
その他の動脈疾患 8例
下肢静脈瘤 18例
その他 20例

3-1)手術総件数:総数431例(入院422例・外来4例)

−心臓・胸部大血管手術については胸部外科学会の手術式分類に準拠して掲載−

先天性 6例(体外循環症例6例)

心房中隔欠損 4例
心室中隔欠損 1例
ファロー四徴症術後合併症手術
(三尖弁置換)
1例

弁膜疾患 97例

大動脈弁疾患 38例
(冠動脈バイパス術併施9例・maze手術1例、再手術1例)
僧帽弁疾患 22例
(冠動脈バイパス術併施3例・再手術4例)
大動脈弁兼僧帽弁疾患 6例
(冠動脈バイパス術併施0例)
僧帽弁兼三尖弁疾患 23例
(冠動脈バイパス術併施1例・maze手術7例、再手術3例)
大動脈弁兼三尖弁疾患 4例
大動脈弁兼僧帽弁兼三尖弁疾患 4例
(再手術1例)

虚血性疾患 38例

単独バイパス術 31例
(offpump手術2例)
心筋梗塞合併症手術 8例
(僧帽弁置換5例、心破裂3例・内1例は非体外循環使用手術)

不整脈手術 26例

(全て他の心臓手術施行例)済み

胸部大動脈疾患 85例

急性大動脈解離 33例
(A型解離32例、B型解離1例)
慢性大動脈解離 9例
(A型4例、B型5例)
真性胸部大動脈瘤 22例
(未破裂19例、破裂3例、再手術1例)
バルサルバ瘤破裂 1例
ステントグラフト手術 20例

その他の体外循環手術 13例

心臓腫瘍 3例
肺動脈塞栓症 2例
心臓内血栓症 4例
心外傷 1例
収縮性心膜炎手術 1例
開心術後冠動脈バイパス術 2例

腹部大動脈瘤開腹手術 42例(破裂12例)

腹部大動脈瘤ステントグラフト治療 79例

同追加手術 5例
末梢動脈 42例
(慢性閉塞性動脈硬化症17例、急性動脈閉塞12例、動脈瘤6例、その他7例)
静脈瘤 16例
(16下肢)(静脈瘤外来手術4例を除く)
上大静脈内血栓症 1例

3-2)手術術式別件数

(術式の併施例はそれぞれにカウント)

先天性心疾患 7件

心房中隔欠損閉鎖術 5件
心室中隔欠損閉鎖術 1件
三尖弁置換 1件

後天性心疾患 200件

弁膜症手術 119件

大動脈弁手術 52件
(基部置換16件などを含む)
僧帽弁手術 26件
(形成術11件)
三尖弁手術 6件
(形成術5件)
僧帽弁兼三尖弁手術 23件
大動脈弁兼僧帽弁手術 8件
大動脈弁兼僧帽弁兼三尖弁手術 4件

虚血性疾患バイパス術 55件

単独冠動脈バイパス術 33件
弁手術兼冠動脈バイパス術 18件
大動脈手術兼冠動脈バイパス術 3件
腹部大動脈術兼冠動脈バイパス術 1件

不整脈手術(maze手術など) 26件
(全て他の心臓手術施行例)

胸部大動脈手術 85件

急性大動脈解離手術 33件(上行置換27件、上行弓部置換2件、基部置換3件)
慢性大動脈解離手術 9件(上行兼弓部置換1件、胸腹部置換1件、基部置換術2件、弓部debranch1件)
非解離胸部大動脈疾患手術 23件(基部置換4件、上行弓部置換8件、上行置換6件、下行置換2件例、胸腹部置換2件、バルサルバ瘤閉鎖1件)
ステントグラフト治療 20件

胸部大動脈手術 85件

急性大動脈解離 33件
(A型解離32件、B型解離1件)
慢性大動脈解離 9件
(A型4件、B型5件)
真性胸部大動脈瘤 22件
(未破裂19件、破裂3件、再手術1件)
バルサルバ瘤破裂 1件
ステントグラフト手術 20件
バルサルバ瘤破裂 1件

その他の体外循環手術 11件

(開心術後冠動脈バイパス術は虚血性手術に含む)

心臓腫瘍 3件
肺動脈塞栓症 2件
心臓内血栓症 4件
心外傷 1件
収縮性心膜炎手術 1件

腹部大動脈瘤開腹手術 42例

(破裂12例)

腹部大動脈瘤ステントグラフト治療 79例

同追加手術 5例

末梢動脈手術 42件

(慢性閉塞性動脈硬化症17例、急性動脈閉塞12例、動脈瘤6例、その他7例)

静脈瘤 16例

(16下肢)(静脈瘤外来手術4例を除く)

上大静脈内血栓症 1例

3-3)主たる術式別術後合併症

循環器センターで行った手術における合併症;数値は延べ件数を示し、( )内数値は在院死亡数を示す。子ども医療センター分は含まない。

 心不全脳脊髄
合併症
消化管
合併症
出血その他その他
先天性疾患手術         縦隔炎1  
弁膜症手術 1(1) 脳梗塞1   2 不整脈1
(1)
縦隔炎1
腎不全3
(1)
急性肺動
脈塞栓1
(1)
虚血性手術 4(1) 脳出血1
(1)
  2 左房内血栓1(1)
縦隔炎1
腎不全2
心タンポ
ナーデ1
急性大動脈
解離手術
1 脳梗塞

対麻痺
  1 MOF1
(1)
腸管虚血

腎不全1
胸骨離解
心タンポ
ナーデ1
下肢虚血
慢性大動脈
解離手術
  硬膜下
血腫1
    真空狭
窄1
心タンポ
ナーデ1
非破裂胸部
大動脈瘤
        左冠動
脈狭窄
1(1)
 
胸部大動脈
瘤破裂
1 脳梗塞1        
腹部大動脈
瘤破裂
    イレウス1 1(1) 多臓器
不全1
(1)
創感染
1(1)
ステントグ
ラフト治療
    腸管壊
死1
(1)
  下肢塞
栓1
 
動脈硬化症など末梢動脈手術       1(1) グラフト
閉塞1
 

4)、5)、6)該当症例なし

7)クリニカルインディケーター

7-1)治療成績

a)主な術式別の手術成績(在院・早期死亡)

全国症例は1996年から最新データである2008年までの症例、当科は2010年12月末日までの症例を表す。在院死亡については日本胸部外科学会の指針に準拠している。

 当科全国
症例数在院死亡率(例数)症例数在院死亡率
弁膜症手術
全症例 1028 2.82%(29) 151,498 3.74%
再手術 90 7.78%(7) 12,108 9.41%
冠動脈バイパス術
待機的 556 0.90%(5) 193,556 1.71%
緊急 105 5.71%(6) 30,757 11.01%
大動脈解離
急性 246 8.54%(21) 30,086 16.56%
慢性 82 6.10%(5) 12,824 8.92%
非解離大動脈瘤#
未破裂 214 5.14%(11) 42,008 7.28%
瘤破裂 38 21.05%(7) 6,314 31.04%

#胸腹部大動脈瘤手術を含む。

b)輸血回避率

当院では緊急患者さんや重症患者さんなどを除いて比較的全身状態が良好な患者さんには承諾が得られた場合に、術前に自己血貯血を勧めている。それによって一般の献血などから得られる血液の使用を極力抑えている。貯血量は手術の内容によっても異なるが、400mlから1,200ml程度を目安としている。また生物由来の製剤の使用は、今日では特定できない感染のリスクがあるので、使用を極力控えている。2010年の成人心臓定時手術において貯血が可能と判断された患者さんで承諾が得られた患者さんでの結果を示している。単弁手術患者さんでは術前自己血貯血6例中6例(100%)で輸血を回避し、術前自己血非貯血55例中14例(25.5%)で輸血を回避することができた。また成人の先天性心疾患患者さん1例で術前自己血貯血を行い、輸血を回避することができた。冠動脈バイパス術や複合手術患者さんでの術前自己血貯血症例はなかった。緊急手術や大動脈手術を除く、心臓手術全体では、術前自己血非貯血108例中34例では輸血を回避することができた。

7-2)

A.術後死亡症例および死因

  1. 胸部大動脈瘤破裂手術後9日兼緊急冠動脈バイパス
    術後8日:心不全
  2. 緊急冠動脈バイパス術後36日兼虚血性僧帽弁置換
    術後16日兼左房内血栓除去術後7日:心不全
  3. 大動脈基部置換術兼僧帽弁置換後17日兼吻合部仮
    性瘤破裂後11日:心不全
  4. 大動脈基部置換術(急性大動脈解離)後3日:心不
  5. 破裂性大動脈瘤術後当日:出血
  6. 準急冠動脈バイパス術後11日:広範小脳梗塞死
  7. 大動脈弁兼僧帽弁置換術兼冠動脈バイパス術後12
    日:急性肺動脈塞栓症
  8. 僧帽弁置換術兼三尖弁輪形成術後19日:不整脈
  9. 大動脈弁置換術兼僧帽弁置換術後18日:心不全
  10. 腹部大動脈ステントグラフト手術後46日兼消化管
    切除後44日:多臓器不全
  11. 肺動脈塞栓症血栓除去術後46日:右心不全

B.術後重大合併症

  1. 僧帽弁置換術後:多発性脳梗塞
  2. 腹部大動脈ステントグラフト手術後下肢塞栓症:再
    手術を要した

C.非手術死亡症例及び死因

  1. Leriche症候群仮性瘤消化管穿孔:多臓器不全
  2. 大動脈弁閉鎖不全兼胸部大動脈瘤:心不全
  3. 急性大動脈解離:急性心筋梗塞
  4. 破裂性胸部大動脈瘤:出血
  5. 大動脈狭窄:肺炎
  6. 慢性閉塞性動脈硬化症:多臓器不全
  7. 破裂性腹部大動脈瘤:出血
  8. 急性大動脈解離:破裂
  9. 破裂性腹部大動脈瘤:出血

剖検数と剖検率

術後死亡退院20例中4例(20.0%)で剖検(症例:A-1、A-3、A-8、A-10)

死亡症例カンファランス

症例:A-1、A-2、A-3、A-4、A-6、A-7、A-8、A-9、A-10

非死亡重症合併症例カンファランス

症例:B-1

8)主な処置・検査・その他の治療

PCPSによる開心術後補助循環症例 5例に施行し、術後の2例で離脱したが、その
後死亡1例。
VAC療法
(創部感染に対する持続吸引療法)
4例に施行し、創部閉鎖2例、大網充填併施2
例し、いずれも軽快退院。

9)カンファランス・回診

(1)診療科;手術症例、術前検査入院症例、死亡症例、合併症発症症例
(2)他科(循環器内科・小児科・臨床工学部など)との合同
手術適応症例などの術前術後カンファランス
心エコー検査カンファランス、血管カンファランス
(3)他職種との合同(臨床工学部);全手術症例
(4)その他;随時、他診療科・他施設からの問い合わせに対応
(5)教授回診、チャートラウンド、抄読会

4.院外活動

病病連携、病診連携をさらに強化する目的で近隣の医療機関と以下のような院外活動を行った。

1)宇都宮医師会学術講演会~動脈瘤治療の地域連携を目指して~
腹部大動脈瘤のステントグラフト治療(講演者:齊藤力)について解説 2010年2月17日、宇都宮
2)第3回栃木心臓血管外科研究会、6月18日、宇都宮
獨協医科大学心臓血管外科、済生会宇都宮病院心臓血管外科との合同カンファランス
3)第4回弁膜症フォーラム、7月28日、佐野市
弁膜症治療に携わる佐野市周辺内科医師との研究会
4)しもつけ心臓外科研究会、12月2日、宇都宮市
獨協医科大学心臓血管外科、済生会宇都宮病院心臓血管外科との共同研究会

5.事業計画・来年の目標等

内科・外科が同一病床で有機的に機能する循環器センターとして、外来部門も含めてこれまで以上に病診連携を強化しさらなる飛躍を目指して邁進する。手術症例にあってはより手術成績の向上を目指し、皮膚小切開開心術も通常手術のひとつとして捉え、心臓大血管手術症例数の増加を目標にする。また、今後の埋め込み型人工心臓による治療開始に向けて、研修目的で教室員を2011年4月から東京大学附属病院に派遣する。

5.過去実績

2009年アニュアルレポート

2008年アニュアルレポート

  • 東日本大震災関連情報

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

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お問合わせ電話番号

0285-44-2111(代)

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