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循環器センター外科部門(心臓血管外科)[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成22年4月1日現在)

科長 (教授) 三澤 吉雄
副科長 (准教授) 齊藤 力
外来医長 (講師) 大木 伸一
病棟医長 (講師) 上西 祐一朗
医員 (助教) 坂野 康人
(病院助教) 相澤 啓
(臨床助教) 白石 学
(平成22年4月1日さいたま医療センターから異動)
(臨床助教) 村岡 新
(平成22年4月1日採用)
兼任 (教授) 河田 政明
(とちぎ子ども医療センター)
(教授) 小西 宏明
(中央手術部・医療情報部)
(講師) 長谷川 伸之
(救急医学・大田原日赤派遣中)
(助教) 宮原 義典
(とちぎ子ども医療センター、平成22年4月1日採用)

平成22年3月31日までの人事

病院助教   森田 英幹
(平成21年6月30日退職)
助教   伊藤 智
(平成21年6月1日さいたま医療センターから異動、平成22年3月31日さいたま医療センターへ異動)
兼任 (病院助教) 立石 篤史
(とちぎ子ども医療センター、平成22年3月31日退職)

2.診療科の特徴

心臓血管外科学教室では循環器センターで高校生以上、子ども医療センターで中学生以下の患者さんを対象として診療している。循環器センターでは弁膜症、虚血性心疾患、急性大動脈解離、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤治療などを中心として診療し、とちぎ子ども医療センターでは新生児を含めた先天性心疾患を治療の対象としている。とちぎ子ども医療センターでは2009年に107件の手術(心臓胸部大動脈手術95件)を施行したが、ここでは循環器センターでの実績のみを詳記する。入院患者総数は472例だった。人工心肺下心臓手術・胸部大動脈手術及び体外循環非使用下冠動脈バイパス術件数は210件だった。また腹部大動脈瘤の手術などを含めると2009年1年間の総手術件数は387件だった。当センターでは心臓胸部大血管手術予定患者さんには病状に応じて術前の自己血貯血を勧め、輸血や血液由来製剤の使用を極力避ける方針としている。また内科医師との連携を強化した循環器センターとして同一病棟で有機的・効率的に診療している。術前術後症例を中心として小児科医師や臨床工学士を含めて合同カンファランスを行っている。

施設認定

日本外科学会外科専門医制度修練施設
日本胸部外科学会認定医認定制度指定施設
三学会構成心臓血管外科専門医認定機構認定基幹施設
日本成人心臓血管手術データベース機構認定施設
関連11学会構成ステントグラフト実施規準管理委員会認定ステントグラフト実施施設

指導医・専門医・認定医

(平成22年4月1日現在の常勤医)

日本胸部外科学会指導医 三澤 吉雄、齊藤 力、上西 祐一朗、小西 宏明
心臓血管外科専門医 三澤 吉雄、齊藤 力、大木 伸一、上西 祐一朗、坂野 康人、相澤 啓、小西 宏明、宮原 義典
日本外科学会指導医 三澤 吉雄、齊藤 力、上西 祐一郎
日本外科学会認定医(専門医) 三澤 吉雄、齊藤 力、大木 伸一、上西 祐一朗、坂野 康人、相澤 啓、小西 宏明、宮原 義典
日本医師会認定産業医 三澤 吉雄、齊藤 力

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 472例、再来患者数 5,105例
紹介率:健康保健法上 75.4%
外来手術:6件(静脈瘤結紮術6件)

2)主病名別入院患者数;総数472例

先天性疾患 15例
弁膜性疾患 114例
虚血性疾患 26例
その他の心臓疾患 9例
胸部大動脈疾患 108例
腹部大動脈疾患 119例
慢性動脈閉塞 25例
急性動脈閉塞 12例
その他の動脈疾患 13例
下肢静脈瘤 12例
その他 7例

3-1)手術総件数:総数393例(入院387例・外来6例)

主たる病名別件数
−心臓・胸部大血管手術については胸部外科学会の手術式分類に準拠して掲載−

先天性 13例(体外循環症例12例)

心房中隔欠損 11例
ファロー四徴再手術 1例
ペースメーカー移植 1例

弁膜疾患 96例

大動脈弁疾患 38例
(冠動脈バイパス術併施7例・再手術1例)
僧帽弁疾患 26例
(冠動脈バイパス術併施3例・再手術2例)
大動脈弁兼僧帽弁疾患 8例
(冠動脈バイパス術併施1例・再手術1例)
僧帽弁兼三尖弁疾患 17例
(冠動脈バイパス術併施2例・再手術2例)
大動脈弁兼僧帽弁兼三尖弁疾患 7例
(冠動脈バイパス術併施1例)

虚血性疾患 19例

狭心症・心筋梗塞 16例
(offpump手術3例)
心筋梗塞合併症 3例
(僧帽弁閉鎖不全3例)

不整脈手術 21例

(全て他の心臓手術施行例)

胸部大動脈疾患 79例

急性大動脈解離 36例
(A型解離35例、B型解離1例)
慢性大動脈解離 9例
(A型6例、B型3例)
真性胸部大動脈瘤 29例
(未破裂28例、破裂1例)
 大動脈弁狭窄兼上行大動脈瘤 7例
大動脈基部拡張症 8例
ステントグラフト手術 4例
下行大動脈狭窄 1例
(上行大動脈"腹部大動脈バイパス)

その他の体外循環手術 4例

心臓腫瘍 3例
ペースメーカーリード抜去 1例

腹部大動脈瘤開腹手術 48例(破裂10例)

腹部大動脈瘤ステントグラフト治療 46例

(真性瘤45例、仮性瘤1例)

併施手術 内腸骨動脈塞栓術5例、腸骨動脈PTA2例、
人工血管バイパス術 2例

その他の動静脈疾患 47例

末梢動脈 35例
(慢性閉塞性動脈硬化症13例、急性動脈閉塞15例、動脈瘤4例、その他3例)
静脈瘤 12例
(18下肢)

その他 23例

3-2)主な手術術式別件数

(術式の併施例はそれぞれにカウント)

先天性心疾患 15件

心房中隔欠損閉鎖術 12件
肺動脈弁置換兼右流出路再建術 1件
ペースメーカー移植 2件

後天性心疾患 198件

弁膜症手術 130件

大動脈弁手術 62件
(基部置換16件などを含む)
僧帽弁手術 30件
(形成術15件)(虚血性3例などを含む)
三尖弁手術 8件
(形成術8件)
肺動脈弁手術 1件
(置換術1件)
僧帽弁兼三尖弁手術 17件
大動脈弁兼僧帽弁手術 8件
大動脈弁兼僧帽弁兼三尖弁手術 7件

虚血性疾患手術 40件

単独冠動脈バイパス術 16件
弁手術兼冠動脈バイパス術 17件
大動脈手術兼冠動脈バイパス術 3件
心臓腫瘍切除術兼冠動脈バイパス術 1件

不整脈手術(maze手術など) 21件
(全て他の心臓手術施行例)

心臓腫瘍手術(左房粘液腫など) 3件

ペースメーカーリード抜去 3件

ペースメーカー移植 2件

胸部大動脈手術 79件

急性大動脈解離手術 36件
(上行置換30件、上行弓部置換4件、基部置換2件)
慢性大動脈解離手術 9件
(上行兼弓部置換4件、胸腹部置換2件、上行置換兼大動脈弁置換術1件、下行置換1件、上行弓部置換兼冠動脈バイパス1件)
非解離胸部大動脈疾患手術 33件
(基部置換8件、上行弓部置換10件、上行弓部置換兼大動脈弁置換7件、上行弓部置換兼冠動脈バイパス術2件、下行置換2件例、ステントグラフト4件)
下行大動脈狭窄 1件
(上行大動脈−腹部大動脈バイパス1件)

腹部大動脈手術 94件

(破裂10件)
(Y型人工血管置換術41件、I型人工血管置換術6件、ステント治療46件、試験開腹術1件)

末梢動脈手術 32件

(バイパス術13件、血栓摘除術15件、動脈瘤手術4件)

その他 4件

(末梢動脈人工血管感染1件、腹部大動脈−腸管瘻1件、末梢動脈バイパス後セローマ1件、再開創止血術1件)

静脈瘤手術 12件

(15下肢静脈)

3-3)主たる術式別術後合併症

循環器センターで行った手術における合併症;数値は延べ件数を示し、( )内数値は在院死亡数を示す。子ども医療センター分は小児先天性部門を参照。

 心不全脳脊髄
合併症
消化管
合併症
出血その他その他
先天性疾患手術       1    
弁膜症手術 3(2) 脳梗塞2   1 房室ブロック1  
急性大動脈解離手術   脳梗塞
など4
腸管壊死1 1 MOF1(1)
腸管虚血1
心タンポナーデ1
慢性大動脈解離手術       1    
非破裂胸部大動脈瘤         胸骨離開1
呼吸不全1例
下行大動脈解離1例
胸部大動脈瘤破裂   脳梗塞1     MOF1(1)  
非破裂腹部     胃潰瘍1   創感染  
大動脈瘤     イレウス1   1  
腹部大動脈瘤破裂     イレウス1   後腹膜膿瘍1  
動脈硬化症など末梢動脈手術 急性心筋梗塞1(1)     1 腎不全1  

MOF: Multiple organ failure

4)、5)、6)該当症例なし

7)クリニカルインディケーター

7-1)治療成績

a)主な術式別の手術成績(在院死亡)

全国症例は1996年から最新データである2007年までの症例、当科は2009年12月末日までの症例を表す。

 当科全国
症例数在院死亡率(例数)症例数在院死亡率
弁膜症手術
全症例 931 2.79%(26) 134,746 3.78%
再手術 87 6.90%(6) 10,958 9.65%
冠動脈バイパス術
待機的 535 0.93%(5) 178,344 1.87%
緊急 95 5.21%(5) 28,205 11.32%
大動脈解離
急性 213 9.39%(20) 26,623 16.95%
慢性 73 6.85%(5) 11,274 9.12%
非解離大動脈瘤
未破裂 195 5.64%(11) 36,691 7.61%
瘤破裂 35 20.00%(7) 5,646 31.39%

#胸腹部大動脈瘤手術を含む。

b)輸血回避率

当院では緊急患者さんや重症患者さんなどを除いて比較的全身状態が良好な患者さんには承諾が得られた場合に、術前に自己血貯血を勧めている。それによって一般の献血などから得られる血液の使用を極力抑えている。貯血量は手術の内容によっても異なるが、400mlから1,200ml程度を目安としている。また生物由来の製剤の使用は、今日では特定できない感染のリスクがあるので、使用を極力控えている。2009年の成人心臓定時手術において貯血が可能と判断された患者さんで承諾が得られた患者さんでの結果を示す。術前自己血貯血12例中11例(91.7%)で輸血を回避し、術前非自己血貯血121例中50例(41.3%)で輸血を回避することができた。

7-2)

A.術後死亡症例および死因

  1. 大動脈弁狭窄兼狭心症:大動脈弁置換兼冠動脈バイパス術後心不全
  2. A型急性大動脈解離兼急性下肢動脈閉塞:非解剖学的バイパス術後多臓器不全
  3. 破裂性腹部大動脈瘤:グラフト置換術後多臓器不全
  4. 急性動脈閉塞兼腹部大動脈瘤:グラフト置換後急性心筋梗塞
  5. 大動脈弁狭窄:大動脈弁置換兼冠動脈バイパス術後心不全

B.非手術死亡症例及び死因

  1. 腹部大動脈瘤:破裂で来院
  2. 感染性胸部大動脈瘤:手術計画中に胸腔内破裂
  3. 心筋梗塞兼僧帽弁閉鎖不全兼腎不全:手術計画中に急変
  4. 腹部大動脈瘤:破裂で来院
  5. 閉塞性動脈硬化症:多臓器不全増悪
  6. 大動脈瘤破裂解離:循環不全(心肺停止で来院)
  7. 大動脈瘤破裂解離:高齢のため非手術
  8. 急性大動脈解離:重症の脳梗塞を併発して来院
  9. 急性大動脈解離:循環不全(心肺停止で来院)

剖検数と剖検率

術後死亡退院14例中2例(14.3%)で剖検(症例:A-1、B-4)
非手術胸部大動脈瘤、大動脈弁置換兼冠動脈バイパス術後

死亡症例カンファランス( 循環器内科との合同カンファランスを含む)

症例:A-1、A-2、A-5、他1例(僧帽弁閉鎖:僧帽弁置換後敗血症)

8)主な処置・検査・その他の治療

PCPSによる補助循環症例 5例に施行(術後心不全3例、その他2例)
術後の1例で離脱・死亡2例、非手術例は死亡2例
VAC療法
(創部感染に対する持続吸引療法)
5例に施行(開心術後2例、非開心術後3例)
いずれも軽快退院
経皮的末梢動脈形成術 9例に経皮的末梢動脈形成術を施行

9)カンファランス・回診

(1)診療科;手術症例、術前検査入院症例、死亡症例、合併症発症症例
(2)他科(循環器内科・小児科・臨床工学部など)との合同手術適応症例などの術前術後カンファランス心エコー検査カンファランス、血管カンファランス
(3)他職種との合同(臨床工学部);全手術症例
(4)その他;随時、他診療科・他施設からの問い合わせに対応
(5)教授回診、チャートラウンド、抄読会

4.院外活動

病病連携、病診連携をさらに強化する目的で近隣の医療機関と以下のような院外活動を行った。

1)栃木心臓血管外科研究会、6月20日
獨協医科大学心臓血管外科、済生会宇都宮病院心臓血管外科との合同カンファランス
2)第1回循環器疾患地域連携フォーラム、10月30日獨協医科大学心臓血管外科、済生会宇都宮病院心臓血管外科との共催
3)弁膜症フォーラム、11月20日
弁膜症治療に携わる内科医師との研究会

5.事業計画・来年の目標等

内科・外科が同一病床で有機的に機能する循環器センターとして、外来部門も含めてこれまで以上に病診連携を強化しさらなる飛躍を目指して邁進する。さらに当科と獨協医科大学病院と済生会宇都宮病院の心臓血管外科部門と病病連携を強化し、緊急患者さんの対応に対して機能的に対応することとしている。

6.過去実績 

2008年アニュアルレポート.pdf

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

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お問合わせ電話番号

0285-44-2111(代)

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