循環器センター内科部門(循環器内科)[アニュアルレポート] | 病院のご案内 | 自治医科大学附属病院
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循環器センター内科部門(循環器内科)【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2021年4月1日現在 派遣者除く)

科長 (教授) 苅尾 七臣
副科長 (教授) 新保 昌久
医局長 (講師) 小森 孝洋
病棟医長 (準教授) 原田 顕治
外来医長 (講師) 小形 幸代
医員 (教授) 今井  靖
(学内教授) 星出  聡
(准教授) 船山  大
甲谷 友幸
(講師) 渡部 智紀
(病院講師) 上岡 正志
(助教) 桂田 健一
清水 勇人
滝  瑞里
大場 祐輔
横田 彩子
(病院助教) 久保田香菜
金子 大介
鈴木 悠介
シニアレジデント   14名

2.診療科の特徴

昨今のコロナ禍の状況に合わせて、入退院を調節している。すなわち、附属病院の感染対応レベルに合わせて、待機できる入院患者数を調整しているが、緊急・準緊急の入院は抑制をしていない。働き方改革により、時間外就労を減少させ続けたが、心カテ室を2室から3室に1室増やして稼働する事により、結果的には、心臓カテーテル、不整脈アブレーション、デバイス埋め込み等の治療件数は、昨年度より増加している。

自治医大循環器内科には栃木県のみならず、茨城県、さらには群馬県、埼玉県などの隣県からも多くの患者が紹介来院され、昨年の外来患者総数は新患が1,047人、再来は 26,221人だが、救急搬送の数が増加したため、紹介率は101.0%と増加しており、多くの患者の診療を行った。外来診療では初診専門が1診、一般再診外来が3診、専門外来が1~2診で行っている。専門外来には高血圧外来、血管外来、不整脈外来、ぺースメーカー・ICD外来、冠疾患外来、成人先天性心疾患外来、SAS外来、肺高血圧外来を行っている。入院診療は、循環器センターとしては定床77床(内CCU10床)の外科部門と混合となっており、センター外に20床を所有している。入院患者は急性心筋梗塞、心不全、不整脈が中心であるが、近年は肺塞栓、慢性閉塞性動脈硬化症などの末梢血管疾患、血栓疾患も増加してきている。心臓カテーテル検査、経皮的冠動脈形成術は増加の一途であり、薬剤溶出ステントの使用は全病変の60%を超え、その生命予後改善効果も含め、外科治療と肩を並べられる成績が得られてきている。さらに、末梢動脈の血管形成術は近年増加の一途で、良好な治療成績を収めてきている。心不全患者に対しては基本的薬物療法の徹底と運動、食事、生活指導を多職種連携して行っている。両室ペースメーカー(CRT)および両室ペースメーカー機能付き植込み型除細動器(CRT-D)なども適応を見極めて導入している。カテーテルアブレーションは心房細動に対する肺静脈隔離術の症例数が大幅に増加、全体の約半数に達している。クライオバルーンを用いた肺静脈隔離術を積極的に行い、安全性を担保しつつ手技時間の短縮化と治療効果の最適化を目指した心房細動治療に取り組んでいる。ペースメーカー治療においてはMRI対応機種を基本的に植え込み、心室ペーシング部位も右室中隔を第一選択としている。心臓弁膜症治療では、経カテーテル的大動脈弁置換術が、内科、外科、麻酔科からなるハートチームにより定期的に実施されるようになった。マルチスライスCTによる非侵襲的な冠動脈評価はその地位を確立し、冠動脈形成術後やバイパス術後などの評価にもその力を発揮している。さらにMRIを用い、特殊心筋病変の描出にも力を入れている。また、成人先天性心疾患センターの心疾患患者も増加している。今後、地域連携をさらに強化し、栃木県南、茨城県西地区の総括的循環器診療を目指したいと考えている。

認定施設

  • 日本内科学会認定施設
  • 日本循環器学会認定循環器専門医研修施設
  • 日本老年医学会認定老年病専門医認定施設
  • 日本心血管インターベンション治療学会研修施設
  • 日本高血圧学会専門医認定施設
  • 日本不整脈心電学会認定不整脈専門医研修施設
  • 経カテーテル的大動脈弁置換術実施施設
  • 成人先天性心疾患専門医総合修練施設
  • トランスサイレチン型心アミロイド-シスに対するビンダケル導入施設

認定医・専門医

日本内科学会認定総合内科専門医 苅尾 七臣 他19名
日本内科学会認定内科指導医 苅尾 七臣 他28名
内科認定医 苅尾 七臣 他35名
日本循環器学会専門医 苅尾 七臣 他22名
日本高血圧学会専門医 苅尾 七臣 他2名
日本心血管インターベンション治療学会専門医 船山 大
日本心血管インターベンション治療学会認定医 船山 大 他12名
日本不整脈学会専門医 今井  靖 他5名
植込み型除細動器(ICD)治療認定医 今井  靖 他4名
ペーシングによる心不全治療(CRT)認定医 今井  靖 他4名
日本超音波学会認定超音波専門医 原田 顕治 他1名
日本周術期経食道心エコー認定医 原田 顕治 他2名
日本心エコー図学会心エコー図専門医 原田 顕治
日本脈管学会認定脈管専門医 小形 幸代
日本臨床遺伝専門医 今井  靖
心臓リハビリテーション指導士 星出 聡 他2名
日本プライマリケア連合学会認定指導医 石山 祐介
成人先天性心疾患学会認定専門医 今井  靖
日本老年学会老年病専門医 苅尾 七臣
経カテーテル的大動脈弁置換術指導医 船山  大

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 1,047人
再来患者数 26,221人
紹介率 101.0%

(紹介率は、平成26年4月施行の医療法に基づく特定機能病院として算出した)

2)入院患者数

入院患者数  1,807人
男性1,197人 女性610人
平均在院日数 9.8日

3)急性心筋梗塞(AMI)132名

発症24時間以内 126名
急性心筋梗塞(AMI)患者における
入院当日若しくは翌日のアスピリン投与率 100%

4)病名別入院患者人数

分類 略語 病名 患者数
心不全 CHF 心不全 274
虚血性心疾患 AMI 急性心筋梗塞 132
(24時間以内のAMI発症) 126
OMI 陳旧性心筋梗塞 289
AP 狭心症 396
post-CABG CABG術後 27
弁膜症 MVD 僧帽弁疾患 87
AVD 大動脈疾患 195
先天性心疾患 ASD 心房中隔欠損症 11
VSD 心室中隔欠損症 3
心筋症 DCM 拡張型心筋症 20
HCM 肥大型心筋症 17
HOCM 閉塞性肥大型心筋症 17
心サルコイドーシス 17
不整脈 SSS 洞不全症候群 61
WPW WPW症候群 10
AV-block 房室ブロック 102
Vf 心室細動 43
VT 心室頻拍 87
AF/AFL 心房細動・心房粗動 491
PSVT 上室性頻拍症 50
Pacemaker交換 63
感染症 IE 感染性心内膜炎 16
pericarditis 心外膜炎 1
myocarditis 心筋炎 4
血管、血栓症 Aortitis 大動脈炎症候群 0
DAA 解離性大動脈瘤 18
TAA 胸部大動脈瘤 0
AAA 腹部大動脈瘤 2
PE 肺塞栓症 24
IPAH 特発性肺動脈性肺高血圧症 2
ASO 閉塞性動脈硬化症 107
Buerger バージャー病 0
高血圧症 HT 高血圧 819
合計(重複あり) 3,511

5)治療実績

1.冠動脈インターベンション

PCI 510件

2.カテーテルアブレーション

261例

6)死亡退院症例病名別リスト

病名 人数
急性心筋梗塞 10
心不全 10
肺塞栓 1
不整脈 4
その他 14
合計 39

7)主な検査・処置・治療件数

①カテーテル検査・治療

心臓カテーテル検査 1,672件
(含:緊急カテーテル)(332件)

PCI 510件
  AMI/UAP 205件
Rotablator 19件
IVUS/OCT 635件

TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術) 33件

カテーテルアブレーション 261件
(内訳)

※心房細動 159件(うち、38件がクライオバルーン)
心房粗動・心房頻拍 91件
上室性頻拍 41件
流出路起源期外収縮・心室頻拍 12件
左室起源特発性心室頻拍 7件
心室頻拍(器質的心疾患に伴うもの) 7件
房室結節アブレーション(デバイス植込み後) 1件

※心房細動(肺静脈隔離:症例により三尖弁下大静脈峡部、上大静脈隔離を追加)

末梢血管疾患のカテーテル治療 75病変(59症例)

大動脈腸骨動脈領域 20病変
大腿膝窩動脈領域 38病変
下腿動脈領域 8病変
腎動脈領域 6病変
その他(静脈系) 3病変

((IVC filter挿入 7件(EVTと併施 1件を含む)、IVC filter抜去 2件を含む)

②CT・核医学検査

マルチスライスCTによる心臓(冠動脈)診断 512件

心臓PET-CT 61件

心臓MRI 148件

心筋シンチ 560件

テクネ負荷心筋(合計) 390件
  (運動負荷) (154件)
(薬剤負荷) (236件)
安静タリウム心筋 7件
心筋(タリウム+BMIPP) 22件
BMIPP心筋シンチ 1件
MIBG心筋シンチ 101件
安静テクネ心筋 21件
心筋ピロリン酸シンチ 18件

③デバイス関連手術

デバイス植込み・交換 154件

ペースメーカー 新規 53 房室ブロック 29
洞不全 14(リードレス2件含む)
徐脈性AF 10
交換 36 房室ブロック 23
洞不全 8
徐脈性AF 5
ICD/CRT 新規ICD植込み 19(SICD1件 含む)
ICD交換 12
新規CRT-D植込み 12
新規CRT-P植込み 3
CRT-D,-P交換 11
ILR 8

(新規合計 95件、交換合計 59件)

④生理機能検査

トレッドミル負荷試験 111件

循環器内科(外来) 76件
循環器内科(入院) 11件
他科 24件

心肺運動負荷試験(CPX件数) 125件

循環器内科 (外来) 42件
循環器内科 (入院) 78件
他科 5件

心臓エコー検査 6,021件

  循環器内科 心臓血管外科 他科 合計
外来 3,411件 404件 32件 3,847件
入院 1,414件 429件 331件 2,174件
総合計 4,825件 833件 363件 6,021件

(経食道エコー 308件)

Holter心電図検査 1,614件

循環器内科(外来) 968件
循環器内科(入院) 185件
その他 461件

late potential検査 29件

循環器内科(外来) 10件
循環器内科(入院) 19件
その他 0件

⑤リハビリテーション

心臓リハビリテーション 8,074件

8)教室内カンファランス

(Clinical Update Conference, Clinical Report Conference)

  1. 1月15日(水)「Advance care planningについて」
  2. 1月22日(水)「IMPELLAのエビデンス」
  3. 1月29日(水)「左室肥大」
  4. 2月5日(水)「下肢血管内治療の新しいステントについて」
  5. 2月12日(水)「ACHDカンファ -川崎病-」
  6. 2月19日(水)感染対策講習会/日本循環器学会関東甲信越地方会予演
  7. 2月26日(水) 症例検討会

  8. COVID-19 によりカンファ中止

  9. 7月1日(水)留学報告会「腎神経による利尿調節と心不全における変化」
  10. 7月8日(水)「心臓の老化とは何か」
  11. 9月9日(水)第84回日本循環器学会学術集会報告会
  12. 9月16日(水)附属病院より「DPCに関する説明会」
  13. 9月23日(水)「酸素と温度と血圧」
  14. 9月30日(水)第1回CPC
  15. 10月7日(水)症例検討「膠原病に関連する心筋炎」
  16. 10月14日(水)「2020年改訂版 不整脈薬物治療ガイドラインについて」
  17. 10月21日(水)「留学報告会」
  18. 10月28日(水)「エンレストをどう使っていくか」「なぜTAPは必要なのか?」
  19. 11月4日(水)「2020年JCSガイドラインフォーカスアップデート版 冠動脈疾患患者における抗血栓療法について」
  20. 11月11日(水)「J-HOP血圧変動について」/AHA予演
  21. 11月18日(水)「2020年度改訂版診療ガイドラインからみた大動脈疾患診療 up-to-date」
  22. 11月25日(水)「退院患者予後調査について」
  23. 12月2日(水)「2020ガイドラインから AS/RAを見直す」
  24. 12月9日(水)(Journal Clubのみ)
  25. 12月16日(水)「イバブラジンについて」
  26. 12月23日(水)「静脈血栓塞栓症(VTE)update ~特に癌との関連について:こんな時は実際どうしましょうか?~」

その他のカンファレンス

  • チャートラウンド・教授回診  水 8:00~15:00
  • カルディアックカンファ  木 7:45~8:30
  • 心カテカンファ  月~金 9:00~9:30
  • 心不全多職種カンファ  月 17:30~
  • 不整脈カンファ  月 18:00~
  • 血管カンファ  火 18:00~
  • TAVIハートチームカンファ  水 16:30~
  • 成人先天性心疾患カンファ   水 18:00~

4.2021年の目標・事業計画等

  1. 心疾患治療部の今年度の目標としては、基本的な感染対策を講じつつ、3つのカテーテル室を有効利用してさらに治療実績を重ねていきたい。
    ①急性冠症候群に対する迅速なカテーテル治療の実践として、全症例でのdoor-to-balloon時間90分以内の達成、②Poly-vascular diseaseの増加に伴う全身血管の包括的インターベンションの実践、③ハートチームによる手術リスクの高い大動脈弁狭窄症患者に対する経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)について、今後も地域連携を強化し良好な成績を目指す。ウイズコロナ時代に適応し、他医療機関で対応できない重症症例を受け入れ、引き続き最後の砦としての診療を担って行きたい。
  2. カテーテルアブレーションにおいてカテーテルアブレーションの古典的適応疾患(発作性上室性頻拍症、心室頻拍症など)の症例数を維持しつつも、需要が著増している薬剤抵抗性発作性・持続性心房細動が大半を占めるに至っている。冷凍クライオバルーン治療および高周波アブレーション治療ともに新しい治療機器を活用しつつ安全かつ治療成績の向上を図り、肺静脈隔離術の症例数を重ねており、再発回避率(初回治療)が発作性75-80%、持続性60%と好成績である。また3次元マッピングを活用しつつ難治性不整脈(陳旧性心筋梗塞、2次性心筋症に伴う心室性不整脈、心臓術後症例)に対して心外膜からのアプローチを含め積極的に取り組んでいる。近年増加する成人先天性心疾患の関連した頻脈性不整脈に対しても最新の3次元マッピングを用いて複雑な頻拍回路の同定が可能となり、積極的にアブレーション治療を進めてきた。また小児循環器科と連携を行い、小児頻拍性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療も行っており、いずれも良好な成績が得られている。新しいカテーテル室を有効活用して、年々需要が増加する心房細動アブレーション治療の需要に応えるべく、より一層安全かつ確実なカテーテルアブレーション治療実績を重ねていきたい。
  3. 植え込みデバイスについて、ペースメーカーはMRI対応機種を原則とし、適宜リードレスペースメーカーの手術も行っている。またICD、CRT-Dといったハイパワーデバイスについては県内における中核施設として症例数を維持しながら遠隔管理システムを活用したデバイス管理を行っている。ペースメーカー、ICD、CRT合わせて150例程度の手術を安全に行いながら、集積されたデータベースを活用して学術活動を推進していきたい。また、レーザーシースを用いたリード抜去や、皮下型除細動器(S-ICD)の手術も引き続き行っていく。植え込み型ループ心電計(ILR/ICM)も引き続き神経内科と連携し、植え込みを積極的に進めている。
  4. 心臓超音波検査は循環器診療においてもはや必須事項である。昨今のCovid-19感染拡大下においても感染対策を講じ業務に支障がないよう検査を実施できた。今後も、より詳細な「構造的評価」「血行動態評価」を目指し、ますます複雑化する心疾患の治療方針の決定や治療効果判定の中心的な役割を果たしたい。特に経食道心エコー検査における3D解析、ストレインイメージングや負荷心エコー法を用いた心機能評価を日常の検査でも積極的に活用していきたい。TAVIの術中・術前後における心エコー検査は不可欠であり、今後もハートチームの中でも積極的に介入していきたい。以上のように、心臓超音波検査は時代と共により高度な専門的知識や技術が要求される。心臓血管外科との合同カンファレンスでの情報共有や、若手を対象にした勉強会を定期的に行い、全体的なレベルアップを行っていく。
  5. 核医学検査部門は負荷試験を合併症無く安全に行うことを第一の目標とする。虚血をより明確に鑑別するために、負荷試験は充分な運動量を行い、目標心拍数到達だけではなく心筋酸素消費量と良く相関する、収縮期血圧と心拍数による二重積(Double product)を25,000以上を到達するようにして、虚血の精度を改善した。施行件数は増加している。負荷心筋シンチの際 テクネシウムシンチとCT同時撮影によるfusion画像により冠動脈の走行に合わせて虚血部位を同定できる。また、テクネシウムによるQGSシンチグラフィをルーティン化し、左室容量および駆出率を客観的に評価し、シンチが苦手とする三枝病変の検出を可能とした。また、TlとBMIPPによるdual SPECTによる虚血や二次性心筋症の評価、更に心不全におけるMIBGによる心筋交感神経障害評価も増加している。国内のMIBGコホート研究より死亡リスクの多変量モデルが作成され、心不全の重症度評価のみならず、心不全死および重症不整脈のリスク層別化、心不全治療効果の判定、長期予後の評価として、MIBGは有効であり、施行件数も増加している。さらにFDG-PETを用いた心サルコイドーシスや炎症性心疾患の診断も増加している。
  6. 心臓CT検査では、被ばく低減に配慮し、冠動脈病変の評価はもとより、大動脈弁狭窄症や成人先天性心疾患を含む心構造疾患(structural heart disease)の評価における精度向上を目指す。また、MRIを用いた心機能解析、心筋障害の質的診断を引き続き積極的に行う。
  7. 心臓リハビリテーションでは、循環器内科疾患から心臓外科手術後の症例も多く導入することが出来、延べ件数として8,000件/年を超えることができた。医療側の認知度も高まってきたことがうかがえる。来年度以降も、心不全予防外来などと連携し、QOLの改善や再発予防に努める。
  8. 心不全患者や虚血性心疾患、治療抵抗性高血圧に合併する睡眠呼吸障害のスクリーニングを積極的に行う。心不全治療としての陽圧治療を積極的に導入し、心不全のQOL、予後の改善を目指す。
  9. 高血圧については、以前より高血圧専門外来を設けている。高血圧の最先端の治療である治療抵抗性高血圧に対する腎交感神経デナベーションの治験が行われている。循環器内科外来に通院する症例のほとんどが対象となる、循環器リスク患者における心臓・血管関連の予後に関する前向き研究が開始され、本院で1000名以上の症例が登録された。今後も継続の予定である。
  10. 成人先天性心疾患センターとして先天性心疾患症例の成人例の外来での診療及び心房中隔欠損症、動脈管開存症に対するカテーテル治療を積極的に進めていく。また、卵円孔開存症についての施設認定の準備も進めていく。先天性心疾患の治療ガイドとして事前に実施した画像検査を基に3D模型を作成した後に手技シミュレーションを行う試みを開始している。不整脈診療においては高度な3Dマッピングや低被ばくのカテーテル治療を推進していきたい。
  11. 心不全治療に関しては、OMTを確実に行うことは浸透してきていると考えられるが、病院内だけでなく、地域にも根付かせていきたい。昨年から心不全の治療薬にARNI、SGLT-2阻害薬イバブラジンが加わった。その使用についても経験を重ねていきたい。心不全治療の非薬物治療の必要性は明らかに増し、心移植を念頭に置いたLVAD症例が増加してきている。高齢者心不全の増加、終末期心不全への対応も課題となっている。心不全診療にかかわる多職種との連携と地域医療を支える実地医家、介護サービスとの連携が一層必要となっている。心不全を既に発症した患者だけでなく、心不全予備群に対する取り組みを進めていかなくてはならない。

5.過去実績