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臨床腫瘍科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2023年4月1日現在)

診療科長 (教授) 山口 博紀
教授 藤井 博文
医員 (准教授) 大澤 英之
(助教) 知念  崇

2.診療科の特徴

平成18年4月に臨床腫瘍部、同年6月から臨床腫瘍科として15年目を迎えた。消化器外科・内科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科と密に連携しており、これらの科に関連したがん腫を中心に取り扱い、その他、原発不明癌や肉腫、希少がん等、各診療科よりがん薬物療法の依頼を受け、臓器横断的に薬物療法、集学的治療を行っている。

業務の主体は外来診療であり、外来治療センターにおいて、多種多様ながん薬物療法を看護師、薬剤師、公認臨床心理師、MSWなどのコメディカルの積極的な参加によるチーム医療にて実施している。また、がん患者に特有の精神状態に対応するため、精神腫瘍科外来にて腫瘍精神科医が診療にあたっている。入院では各臓器診療科が入院診療業務を担当し、当科は化学療法の部分を担当している。

使用する抗がん薬は殺細胞性抗がん薬、分子標的薬および免疫チェックポイント阻害薬である。切除不能進行再発癌の治療対象は、頭頸部癌・甲状腺癌・食道癌・胃癌・小腸癌・大腸癌・肛門管癌・膵臓癌・胆道癌・神経内分泌腫瘍・肉腫・原発不明癌・希少癌など多岐に渡る。集学的治療としては、耳鼻咽喉科・放射線治療部との協力による頭頸部癌、消化器外科・放射線治療部との協力による食道癌に対する化学放射線療法を主に行っている。周術期化学療法として、消化器外科と放射線治療部との協同による食道癌・胃癌・大腸癌・膵癌の治療、周術期放射線化学療法として、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、放射線治療部との協同による頭頸部癌、口腔領域癌の治療を担当している。

治療対象は術前・術後補助化学療法を除いて、治癒が見込めない進行がん症例がほとんどであるため全人的治療が治療開始時から必須であり、精神腫瘍医、がん専門看護師、がん治療認定薬剤師、公認臨床心理師、MSW等の専門多職種によるチーム医療により対応している。

Advance Care Planningも常に念頭において治療を進めており、緩和ケア主体の時期へ移行した場合は当院緩和ケア科やご自宅近くの病院、あるいは在宅診療所・訪問看護ステーションにて継続的な緩和治療がスムーズに可能となるよう、患者サポートセンター・看護支援室と密に連携して対応している。

臨床研究としては、消化器外科、消化器内科、耳鼻咽喉科、口腔外科、放射線治療部と連携し約30の多施設共同試験に参加している。治験に関しても、消化器外科・内科、耳鼻咽喉科、口腔外科との連携で多くの新薬の開発試験を行っている。

また、2019年6月に保険診療となった、包括的がんゲノムプロファイリング検査(遺伝子パネル検査)実施における院内対応の中心的役割を果たしている。2021年3月には血液検体により遺伝子パネル検査(Foundation One CDx Liquid)が保険診療下に可能となり、これに対応できるよう院内運用体制を確立した。2022年中に、院外からの検査依頼にも対応できるように体制を整えたところである。この他にも病理診断部に協力を仰ぎ、日常臨床において日々進化するプレシジョン・メディシンへ対応することができるよう常に体制を整備している。教育面では、文部科学省がんプロフェッショナル養成プランの採択事業である、本学の「全人的なライフステージに応じたがん医療の実践者養成」運営の中心的な役割を担っており、医師・歯科医師・看護師・薬剤師のみならず、公認心理師・MSW等のがん診療に関与する全職種に対する教育を行った。第3期がんプロは2022年3月にいったん終了となったが、今後5年間は教育活動を継続する予定である。

がん患者の絶対数が増加し、また化学療法により生命予後が改善する中で、化学療法を必要とする患者数は増加の一途をたどっている。また、臨床研究の進歩に伴い、月の単位で化学療法の標準レジメンが変更されている。これら質・量ともに多様に変化するがん薬物法に柔軟に対応すべく、がん診療連携拠点病院の中心的な部署として活動している。

認定施設

  • 日本臨床腫瘍学会認定施設

認定医・専門医

がん薬物療法 指導医・専門医 大澤 英之
がん薬物療法 専門医 山口 博紀
がん治療認定医 山口 博紀
外科 指導医・専門医 山口 博紀
消化器外科 指導医・専門医 山口 博紀
消化器がん外科治療認定医 山口 博紀
消化器病 指導医・専門医 山口 博紀
乳腺専門医 大澤 英之
乳腺認定医 山口 博紀
総合内科専門医 知念  崇

3.診療実績

1)新来患者数・再来患者数・紹介割合

新来患者数 再来患者数 紹介率
19人 11,315人 40.0%

2)入院患者

3)手術症例

4)治療成績 解析に至らず

5)合併症例

6)死亡症例・死因・剖検数

死亡症例数  
死因 現病死
部検  

7)主な化学療法、治験実施件数

AFINITOR 7名
Binimetinib 2名
Capecitabine 11名
CBDCA / PTX 1名
CBDCA / VP-16 1名
CDDP / 5FU 8名
CDDP / 5FU / Nivolumab 2名
CDDP / 5FU / Pembrolizumab 8名
CDDP / DOC / 5FU 8名
CDDP / GEM 29名
CDDP 2名
CET 9名
CET / PTX 13名
CPT 10名
CPT / PANI 5名
CVD 1名
DOC 6名
DOC / Tmab 2名
DXR 2名
Encorafenib 5名
Eriburin 4名
FOLFIRI 5名
FOLFIRI / BEVA 32名
FOLFIRI / PANI 5名
FOLFIRI / RAM 9名
FOLFIRINOX 2名
FOLFOX 16名
FOLFOX / BEVA 32名
FOLFOX / PANI 8名
GEM 51名
GEM / CDDP / S-1 1名
GEM / S-1 14名
G-SOX 34名
G-SOX / Trastuzumab 15名
Imatinib 12名
IRIS 3名
IRIS / BEVA 19名
IRI / RAM 2名
Lanreotide 8名
Larotrectinib 2名
Lenvatinib 11名
mFOLFIRINOX 26名
nabPTX 6名
nabPTX / GEM 85名
nabPTX / RAM 12名
Nivolumab 79名
Nivo / Ipi 3名
Nivo / SOX 12名
Nivo / CapeOX 1名
Octreotide 6名
Onibyde-5FU 19名
PANI 6名
Pazopanib 1名
Pembrolizumab 27名
PTX 22名
RAM 6名
RAM / PTX 15名
Regorafenib 12名
sLV5FU2 1名
sLV5FU2 / BEVA 8名
S-1 72名
S-1 / IROX 1名
SOX / BEVA・CapeOX/BEVA 42名
SOX / IP PTX 32名
SOX / CapeOX 58名
Sunitinib 1名
TAS102 22名
TAS102 / BEVA 16名
Trastuzumab 17名
Trastuzumab Deruxtecan 3名
XELIRI / BEVA 2名

8)カンファランス

(1)診療科内

朝夕回診時 夕カンファレンス時

(2)他科・他部署との合同

毎朝 消化器外科術前カンファレンス
毎夕 外来治療センター多職種カンファレンス

9)キャンサーボード

月1回 第三月曜日 17:00-

【外来治療センター多職種カンファレンス】1年間 242回

1月 2月 3月 4月 5月 6月
20回 18回 22回 20回 19回 22回
7月 8月 9月 10月 11月 12月
20回 22回 20回 20回 20回 22回

4.2023年の目標・事業計画等

  1. 治療症例数増加への対応
  2. 増加する包括的がんゲノムプロファイリング検査への対応

5.過去実績