総合周産期母子医療センター(小児科部門)【アニュアルレポート】
1.スタッフ(2021年4月1日現在)
部長 | (准教授) | 矢田ゆかり |
---|---|---|
(教授) | 河野 由美 | |
医員 | (助教) | 鈴木 由芽 |
下澤 弘憲 | ||
小森 咲子 | ||
相楽 昌志 | ||
シニアレジデント | 3名 小児科と兼務 |
2.新生児集中治療部の特徴
栃木県総合周産期センター二施設のうち一つとして、県で出生するハイリスク新生児を二分する形で診療している。入院する新生児の疾患は、超低出生体重児から先天異常、外科疾患など多岐にわたる。
認定施設
日本周産期・新生児医学会基幹認定施設
認定医
日本小児科学会認定指導医 矢田ゆかり
日本小児科学会専門医 矢田ゆかり 他5名
日本周産期新生児医学会(新生児)専門医 矢田ゆかり 他2名
日本周産期新生児医学会(新生児)指導医 矢田ゆかり
3.実績・クリニカルインディケーター
1)年間入院患者数
349名(再転科・転入8名を除く)。院内出生321名(初診時から外来観察37名、母体搬送40名、母体外来紹介244名)、院外出生28名(病院等からの搬送23名、自宅分娩5名)。
2)人工呼吸器管理数・率
挿管人工呼吸管理は、108例/349例(30.9%)で行った。なお、CPAPなどの非侵襲的人工呼吸管理は38例/349例(10.9%)。
3)生存率・死亡数など
出生体重(BW)別、在胎週数(GA)別入院数および死亡数を示す。
GA(W) | 入院 | 生存 | 死亡 | 生存率(%) |
---|---|---|---|---|
22 | 1 | 1 | 0 | 100 |
23 | 2 | 1 | 1 | 50 |
24 | 2 | 2 | 0 | 100 |
25 | 0 | 0 | 0 | - |
26 | 2 | 2 | 0 | 100 |
27 | 3 | 3 | 0 | 100 |
28 | 3 | 3 | 0 | 100 |
29 | 8 | 8 | 0 | 100 |
30 | 11 | 11 | 0 | 100 |
31 | 8 | 7 | 1 | 87.3 |
32 | 6 | 6 | 0 | 100 |
33 | 19 | 19 | 0 | 100 |
34 | 35 | 34 | 1 | 97.1 |
35 | 22 | 20 | 2 | 99.0 |
36 | 33 | 33 | 0 | 100 |
37以上 | 194 | 192 | 2 | 99.0 |
計 | 349 | 342 | 7 | 98.0 |
BW(g) | 入院 | 生存 | 死亡 | 生存率(%) |
---|---|---|---|---|
<500 | 1 | 1 | 0 | 100 |
<1000 | 12 | 11 | 1 | 91.7 |
<1500 | 33 | 32 | 1 | 97.0 |
<2000 | 58 | 55 | 3 | 94.8 |
<2500 | 78 | 78 | 0 | 100 |
≧2500 | 167 | 165 | 2 | 98.8 |
計 | 349 | 342 | 7 | 98.0 |
4)死亡症例内訳
在胎35週 | 4674g | 胸水貯留、胎児水腫、肺形成不全、肺高血圧症 |
---|---|---|
在胎35週 | 3249g | 胸水貯留、胎児水腫、肺形成不全、肺高血圧症 |
在胎37週 | 1621g | 18トリソミー、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、動脈管開存症、心不全 |
在胎23週 | 599g | 重症新生児仮死、小脳出血、脾出血 |
在胎39週 | 1862g | 18トリソミー、心室中隔欠損症、心房中隔欠損症、肺高血圧症、心不全 |
在胎31週 | 1021g | congenital alveolar dysplasia、肺高血圧症 |
在胎34週 | 1597g | 13トリソミー、 両大血管右室起始症、心室中隔欠損症、大動脈縮窄症 |
5)先天性心疾患児入院例
有意な血行動態異常を呈する中等症・重症例は28例。PICU転科11例、こども医療センター小児科転棟2例、NICUから退院11例、自宅近くへの転院2例、NICU入院中死亡2例。
6)多胎入院数
86名(24.6%)。
7)外科症例数(手術例のみ)
小児外科14例。小児脳神経外科1例、小児耳鼻咽喉科1名。
8)他院への搬送
36例。全例状態安定後に搬送元等の病院に転院。うち4例は養育環境調整を主目的とした転院。
4.2021年の目標・事業計画等
総合周産期母子医療センターとして、産科部門との連携を一層充実させ、より重症な症例に対応する。また県内の総合周産期センターである獨協医大、および関連の地域周産期センターと協力・連携しながら、栃木県、北関東地域の周産期医療の充実を図る。さらに周産期・新生児医学会認定施設として、専門医の育成に力を注ぐ。