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皮膚科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2019年4月1日現在)

科長 (教授) 小宮根真弓
外来医長 (講師) 佐藤 篤子
病棟医長 (准教授) 神谷 浩二
医員 (教授) 大槻マミ太郎
(教授) 村田  哲
(准教授) 前川 武雄
(病院助教) 杉原 夏子
(病院助教) 中野 尚美
(病院助教) 岡田 寛文
シニアレジデント   5名

2.診療科の特徴

当科では皮膚に症状のある疾患すべてを扱うが、大学病院としての性格上、皮膚がんや悪性黒色腫を中心とする悪性腫瘍、そして水疱症や膠原病、乾癬や重症アトピー性皮膚炎などの慢性の免疫疾患が多いのが特徴である。

2017年の入院患者は584人であり、2015年423人、2016年517人と新入院患者数は、近年、大幅な増加傾向が続いていたが、2018年は476人とやや減少した。平均在院日数は2015年の9.4日から2016年に12.7日へと延長、2017年は9.5日と短縮したが、2018年は12.9日と再び延長した。入院患者の疾患分類別の患者数をみると、皮膚悪性腫瘍は、2014年179人、2015年219人、2016年321人と増加傾向であったが2018年は251人とやや減少したものの、入院手術の皮膚悪性腫瘍切除術は、2015年97人、2016年97人、2017年は121人、2018年は132人と増加傾向を保っている。一方、外来の皮膚悪性腫瘍切除術は2016年68人、2017年49人、2018年49人であり、悪性腫瘍切除術はなるべく入院で行う方針としていることの結果と考えられる。

その他、湿疹皮膚炎、水疱症、膠原病、炎症性角化症などほぼ全ての疾患分野において入院患者数が増加した。

外来は午前に初診と一般再診、午後は専門外来を設けている。専門外来は、より専門性の高い診療を必要とする疾患、すなわちアトピー性皮膚炎、乾癬、水疱症、膠原病、脱毛症、皮膚悪性腫瘍、皮膚レーザーなどに対するもので、県内だけでなく他県からの紹介患者も数多く来院している。外来ではレーザー治療以外にも紫外線療法、そして簡単な植皮を含めた手術を行うことも可能である。また、外来で診断や治療方針に苦慮する症例について、教授以下全員で診察する機会(外来クリニカルカンファランス)を設けているほか、皮膚生検を行った症例では病理カンファランスでの検討も行っており、個々の患者に即した最善の治療を皮膚科全体として追求するシステムを構築している。

乾癬については、2008年の栃木県患者会の立ち上げ以来、専門外来メンバーを中心に啓発活動を精力的に行ってきた。現在、生物学的製剤が多数承認されており、その導入目的の入院を含め、外来と入院の連携、および県内・県外の皮膚科医や一般医との連携を強化している。 蕁麻疹やアトピー性皮膚炎においても生物学的製剤が適用となり、また悪性黒色腫へのオプジーボの投与など、皮膚科外来医が扱う治療薬の範囲が拡大している。

なお、新規開発臨床試験(治験)は、乾癬が中心となっているが、それ以外にアトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症を対象とするものも扱っている。

施設認定

  • 日本皮膚科学会認定専門医指定施設
  • 日本専門医機構認定皮膚科専門研修プログラム基幹施設

専門医

日本皮膚科学会専門医 大槻マミ太郎
村田  哲
小宮根真弓
前川 武雄
神谷 浩二
佐藤 篤子
皮膚悪性腫瘍指導専門医 前川 武雄
がん治療認定医 前川 武雄
下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医 前川 武雄

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 1,766人
再来患者数 24,804人
紹介率 92.8%

2)入院患者数

入院患者数 476人
一日平均患者数 16.9人
平均在院日数 12.9日
疾患分類 患者数
湿疹・皮膚炎・蕁麻疹・痒疹15
角化症・炎症性角化症・膿疱症45
膠原病・類症・血管炎3
水疱症26
薬疹・中毒疹・ウイルス性発疹症17
感染症23
皮膚潰瘍・褥瘡・熱傷13
皮膚悪性腫瘍251
皮膚良性腫瘍43
母斑12
下肢静脈瘤21
発汗障害7
合計(人) 476
平均年齢(歳) 61.3
男:女231:245
  入院 外来
皮膚悪性腫瘍切除術 132 49
皮膚腫瘍・血管腫切除術 46 308
創傷処理・皮膚切開術 0 51
デブリドマン 8 0
母斑レーザー(全麻下) 8 0
静脈瘤手術(含:血管内レーザー) 2s0 0
センチネルリンパ節生検 10 0
リンパ節郭清術 15 0
植皮術 102 8
皮弁・筋皮弁術 36 8
その他(リンパ節生検含む) 4 570
エキスパンダー 0 0
合計(件) 381 994
麻酔別手術統計
病棟 外来
局所麻酔 132 986
腰麻・全麻 94 0

3)カンファレンス症例数

  症例数 カンファレンス率*
外来カンファレンス 322 18.2%
病理カンファレンス 110 8.9%

*外来カンファレンス率= カンファレンス症例数(322)/新来患者数(1766)X100
*病理カンファレンス率= カンファレンス症例数(110)/病理提出件数(1225) X100

4.2019年の目標・事業計画等

  1. アトピー性皮膚炎、脱毛症、乾癬、水疱症、膠原病、悪性腫瘍等に対して、当科では専門外来をおいて重症難治な患者の治療を充実させるよう努力する。
    特に乾癬、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹や掌蹠膿疱症では、生物学的製剤投与目的の紹介患者が今後増加する可能性があり、近隣の臨床病院や開業医との連携を深める必要性がある。
    これら難治性疾患の治療、病態の理解と、病診連携強化のために、臨床病院の皮膚科部長や開業医をまじえた研究会を継続的に行っていく予定であり、また、病診連携強化のための施策を検討している。
  2. 皮膚外科関連は、原発巣広範囲切除や再建、所属リンパ節郭清等の侵襲の大きな外科的手術は、県内においては当院と獨協医大2施設のみで行っているため、来年度も同様に、県内外や近隣地域の中心的な施設であることが予想され、安全に手術治療を遂行するために、技術のレベルアップに努める。また、切除不能の悪性腫瘍に対する免疫チェックポイント阻害剤や、種々の分子標的薬が使用可能となっているため、最新のがん治療のガイドラインに沿ったシステマティックな治療を行う。
  3. 下肢静脈瘤の外科的治療は当科が主に行っているが、静脈瘤そのものの診断から、軽症例の保存的治療、術後の長期的な指導も含め、さらに充実・発展を目指したい。
  4. 薬疹の診断・治療、水疱性疾患の診断・治療は、比較的高用量の副腎皮質ホルモン剤や免疫抑制剤の全身投与が必要な疾患であり、迅速かつ正確な診断と安全な治療を目指し、他科との連携に努める。
  5. 湿疹、接触皮膚炎の原因検索のためのパッチテスト施行や、足の壊疽、切断回避のための足や爪のケアの充実など、日常的な皮膚疾患を含めた皮膚科全般の診療レベルの向上および他科との境界領域疾患の診療の充実に努める。

5.過去実績