循環器センター外科部門(心臓血管外科)[アニュアルレポート] | 病院のご案内 | 自治医科大学附属病院
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循環器センター外科部門(心臓血管外科)【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2021年4月1日現在)

科長 (教授) 川人 宏次
病棟医長 (助教) 菅谷  彰
外来医長 (講師) 楜澤 壮樹
(循環器センター外科本務)
医員 (教授) 相澤  啓 
(病院助教) 上杉 知資
齊藤 翔吾
兼務 (教授) 岡  徳彦
(とちぎ子ども医療センター)
(准教授) 齊藤  力
(血管内治療部兼任)
(助教) 吉積  功
(とちぎ子ども医療センター)
林  秀憲
(とちぎ子ども医療センター)

2.診療科の特徴

心臓血管外科学教室では原則として循環器センターで高校生以上、子ども医療センターで中学生以下の患者さんを対象として診療しています。循環器センターでは弁膜症、虚血性心疾患、急性大動脈解離、大動脈瘤、成人先天性心疾患、閉塞性動脈硬化症などを中心として診療し、とちぎ子ども医療センターでは新生児を含めた先天性心疾患を治療の対象としています。

とちぎ子ども医療センター分を含めた心臓血管外科分野の総手術件数は576件でした。

以後本欄では循環器センター(小児/成人先天性を除く)での実績のみを詳記します。循環器センターでの開心術・胸部大動脈手術及び体外循環非使用下冠動脈バイパス術は279件で、腹部大動脈瘤や末梢動脈の手術などを含めますと2020年1年間の総手術件数は445件でした。

循環器センターとして、内科医師との連携を強化し同一病棟で有機的・効率的に診療しています。また術前術後症例を中心として循環器内科医師・小児科医師や臨床工学士を含めて合同カンファランスを行っています。さらに循環器センターとしては、弁膜症症例での心エコーカンファランス、血管内治療症例を中心とする血管カンファランス、虚血性心疾患症例を中心とする心臓カテーテルカンファランスをそれぞれ担当する内科・外科医師間で定期的に開催して症例を検討しています。また低侵襲手術として胸部や腹部大動脈瘤治療でのステントグラフト治療も積極的に行っています。ステントグラフト等血管内治療は63件(胸部11件、腹部52件)でした。

2014年11月1日に循環器センター内に重症心不全治療部を立ち上げ、同部門は相澤啓准教授を部長とし、内科・精神科医師や看護師・薬剤師・臨床工学士・理学療法士・栄養士など多職種から成り、植え込み型及び体外式人工心臓など機械的補助循環を中心とした診療を行っています。2020年1年間で植込み型補助人工心臓1件、体外型補助人工心臓3例の手術を行いました。

施設認定

  • 日本外科学会外科専門医制度修練施設
  • 日本胸部外科学会認定医認定制度指定施設
  • 三学会構成心臓血管外科専門医認定機構認定基幹施設
  • 日本成人心臓血管手術データベース機構認定施設
  • 関連11学会構成ステントグラフト実施規準管理委員会認定ステントグラフト実施施設
  • 下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療実施施設
  • 植込型補助人工心臓実施施設

指導医・専門医・認定医

(令和3年4月1日現在の常勤医)
日本心臓血管外科修練指導医 川人 宏次
岡  徳彦
齊藤  力
相澤  啓
日本胸部外科学会指導医 川人 宏次
齊藤  力
日本心臓血管外科専門医 川人 宏次
岡  徳彦
相澤  啓
楜澤 壮樹
齊藤  力
吉積  功
菅谷  彰
林  秀憲
日本外科学会指導医 川人 宏次
齊藤  力
日本外科学会専門医 川人 宏次
岡  徳彦
相澤  啓
楜澤 壮樹
菅谷  彰
上杉 知資
齊藤 翔吾
齊藤  力
吉積  功
林  秀憲
日本脈管学会認定脈管専門医 齊藤  力
日本血管外科学会認定血管内治療医 齊藤  力
The Asian Society for Cardiovascular and Thoracic Surgery 川人 宏次
植込型補助人工心臓実施医 川人 宏次
相澤  啓
胸部ステントグラフト実施医・指導医(TALENT Thoracic Stentgraft、Gore TAG Thoracic Endoprosthesis, Variant Captiva, Relay Plus) 齊藤  力
腹部ステントグラフト実施医・指導医(Zenith AAA Endovascular Graft, Gore Excluder Endoprosthesis, Powerlink Stentgraft System, TALENT Abdominal Stent Graft, Endurant Stentgraft System, AORFIX AAA Stentgraft System) 齊藤  力
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術指導医 菅谷  彰
下肢静脈瘤に対する血管内レーザー焼灼術実施医 齊藤  力
楜澤 壮樹
菅谷  彰
齊藤 翔吾

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 273人
再来患者数 4,371人
紹介率 104.0%

2)入院患者数:総数648例

3)手術術式別件数

3)-1 成人先天性心疾患 0例

(とちぎ子ども医療センターで報告)

3)-2 後天性心疾患

3)-2-a.弁膜症手術 158例

弁置換術 73例
僧帽弁形成術 26例
大動脈基部置換術 6例
複合手術 19例
カテーテル的大動脈弁置換術 34例

3)-2-b.虚血性疾患 44例

単独冠動脈バイパス術 42例
心筋梗塞合併症手術 2例

3)-2-c.胸部大動脈疾患 66例

大動脈解離/真性瘤(開胸手術) 55例
ステントグラフト治療(胸部) 11例

3)-2-d. その他の心臓手術 11例

(補助心臓、心臓腫瘍等)

3)-3 末梢血管 126例

3)-3-a.

腹部大動脈瘤(開腹) 21例
血管内治療 45例

3)-3-b.末梢動脈手術 26例

3)-3-c.静脈瘤 17例

3)-4 その他 17例

4)主たる疾患別術後合併症

循環器センターで行った手術後合併症;数値は延べ件数を示します。子ども医療センター分は含みません。
心嚢水貯留・ドレナージ 5例
術後出血再開胸 1例
脳梗塞/出血 2例
胸骨感染 1例
TEVAR後解離(SINE) 1例

5)化学療法症例・数

該当症例はありません

6)放射線療法症例・数

該当症例はありません

7)悪性腫瘍の疾患別および臨床進行期別ならびに治療法別治療成績

該当症例はありません

8)死亡症例・死因・剖検数・剖検率

(1)治療成績

2020年度の主な術式別の手術成績(在院死亡率)
弁膜症手術(緊急症例を含む) 1/158(0.6%)
単独冠動脈バイパス術(緊急症例を含む) 0/43(0%)
急性大動脈解離 1/23(4.3%)

(2)在院死亡症例

A.術後死亡症例の診断、術式および死因

  1. 80歳男性 急性肺塞栓:心肺蘇生後に緊急人工心肺下肺動脈血栓摘除術を施行したが、7 PODに肺炎で死亡した。
  2. 68歳男性 急性肺塞栓、右室血栓:緊急人工心肺下肺動脈血栓摘除術を施行したが、右室機能が回復せず、26 PODに呼吸不全・心不全で死亡した。
  3. 69歳男性 急性心筋梗塞、ショック、心肺蘇生後:PCI後にCentral ECMO+LV drainageの機械的心補助を行ったが、心機能が回復せず、15PODに多臓器不全で死亡した。
  4. 29歳女性 僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症:僧帽弁置換術、三尖弁形成術を施行したが、術後に左冠動脈主幹部閉塞による急性心筋梗塞を発症し、4PODに心不全で死亡した。
  5. 44歳男性 急性大動脈解離、解離による広範囲心筋梗塞、蘇生後。術前、解離による左右冠動脈のmalperfusionのため、急性心筋梗塞を合併していた。前医で救急蘇生を行い、心拍が再開したので当院へ搬送された。緊急大動脈基部置換術を施行したが、16PODに蘇生後脳症で死亡した。
  6. 83歳男性 急性心筋梗塞、心室中隔穿孔:緊急心室中隔パッチ閉鎖術を施行したが、術後心不全が改善せず、18PODに心不全で死亡した。

B.非手術死亡症例及び死因

なし

C.剖検数と剖検率

1例 (1/5: 20%)

D.死亡症例カンファランス・経過報告

症例:A-1・2・3・4・5

(3)退院後6週間以内の予期せぬ再入院

1.心不全 2例
2.胆嚢炎 1例
3.下腿創感染 1例

9)主な処置・検査

9-1)人工心臓など補助循環適応症例

アドリアマイシン心筋症で4年前に植込み型補助人工心臓を移植した患者で、ケーブルライン断線が生じたため、人工心臓の交換手術を施行しました。術後経過は順調で、半年後に心臓移植に到達しました。心臓移植は東大病院で行われ順調に経過しています。Bridge to transplantの目的で植込み型補助人工心臓を装着し、約5年の待機期間を経て心臓移植に到達しました。

9-2)VAC療法(創部感染に対する持続吸引療法)

縦隔炎や創離開・VAD後のカテーテル刺入部の治癒促進および感染予防目的で、肥満・糖尿病・緊急手術・心不全例など創部感染リスクの高い症例に対し本療法を実施しました。

9-3)心筋シンチ

腹部大動脈瘤の術前検査や虚血性心疾患の術前後検査として施行しました。

10)カンファランス・回診

(1)診療科:手術例、術前検査入院例、死亡例、合併症発症例を対象にしています。
(2)他科(循環器内科・小児科・臨床工学部など)との合同カンファランス:手術適応例などを中心として術前術後カンファランス・心エコー検査カンファランス・血管カンファランス・心臓カテーテル検査カンファランスを開催し、各部署とのコンセンサスを得た治療を目指しています。
(3)他職種との合同(臨床工学部・麻酔科):全手術例を対象として周術期の注意点を共有しています。
(4)その他:随時、他診療科・他施設からの問い合わせやセカンドオピニオンに対応しています。
(5)教授回診・チャートラウンド・抄読会:週1回
(6)主治医らによる夕回診:休日を除く毎日
(7)人工心臓装着症例のカンファランス:該当症例が入院中は週1回重症心不全治療部を中心として医師・看護師・理学療法士・臨床心理士・薬剤師・臨床工学士など多職種の参加により開催しています。
(8)TAVIカンファランス:2017年1月から隔週で1例/日のTAVIを行っており、毎週金曜日17:00に関係多職種でカンファレンスを開催しています。

4.院外活動(全国版を除く)

心臓血管外科学教室では、獨協医科大学心臓・血管外科と病診連携し、2つの施設のうち緊急手術が可能な施設へ患者を搬送する等患者さんに不利益にならぬように対応しております。また2病院間や他施設との病診連携を強化する目的で近隣の医療機関や医師会などと共同で以下の院外活動を行いました。

  1. ImpellaⓇトレーニング/講習会。自治医大:2月12日
  2. 北関東心不全研究会。宇都宮:11月20日
  3. 抗凝固療法に関するWeb講演会:11月26日

5.2021年の目標・事業計画等

1)内科・外科が同一病棟の循環器センターとして機能的に診療いたします。2)診断から手術までの期間を短縮し、手術待機期間の短縮を目指します。3)急性大動脈解離、大動脈瘤破裂などの循環器救急疾患に対し、迅速に治療できる体制を構築します。4)植込み型補助人工心臓施設認定を更新しましたので、引き続き重症心不全に対する外科治療を進めてゆきます。5)カテーテルVAD(ImpellaⓇ)の実施認定施設となりましたので臨床使用を開始します。

6.過去実績