歯科口腔外科・矯正歯科【アニュアルレポート】
1.スタッフ(2024年4月1日現在)
| 科長 | (教授) | 野口 忠秀 |
|---|---|---|
| 外来医長 | (病院助教) | 林 宏栄 |
| 病棟医長 | (助教) | 杉浦 康史 |
| 医員 | (教授 兼) | 森 良之 |
| (講師 兼) | 七條なつ子 | |
| (助教) | 相澤 恵美 | |
| (病院助教) | 作山 葵 | |
| (病院助教 兼) | 佐瀬美和子 | |
| (病院助教) | 山川 道代 | |
| (病院助教 兼) | 土肥 昭博 | |
| (病院助教) | 尾田誠一郎 | |
| シニアレジデント | 14名 | |
| 非常勤医師 | 47名 |
2.診療科の特徴
当科では、主に口腔癌治療と機能的再建手術、顎変形症に対する顎矯正手術、唇顎口蓋裂の顎発育誘導・咬合改善手術を積極的に行っている。
口腔癌治療では、総合病院である強みを生かし、臨床腫瘍科、放射線科、耳鼻咽喉科、形成外科などと密に連携し、患者にとって最善な治療方法を検討・施行している。また、従来の方法に加え、歯科の領域では国内でもまだほとんど実施されていないアルミノックス治療(光免疫療法)を導入し、最先端の医療技術も積極的に取り入れている。
唇顎口蓋裂治療では、生まれた直後より使用するホッツ床から成長終了後に行う外科的矯正治療までの一貫した治療を担っている。口唇形成術、口蓋形成術、顎裂部腸骨移植術、顎矯正手術などを成長とともに行う必要があるが、これらの長期的な治療の結果、機能的・審美的ともに患者・家族が満足して生活ができることを目標としている。
顎変形症治療では、骨格の変形による機能的および審美的障害に対し、症例に応じた最適な術式を選択・施行している。近年はシュミレーションシステムも使用し、骨片の位置や術後の顔貌変化も考慮した治療方針の検討を行っている。
その他に、口腔粘膜疾患、インプラント治療、矯正歯科治療に特化した歯科医師も常勤で在籍し、口腔領域の総合的な治療を可能としている。また、周術期外来による入院患者の口腔ケアにも注力している。
認定施設
日本口腔外科学会指定研修機関、日本口腔科学会認定研修機関、日本口腔診断学会認定研修機関、日本口腔腫瘍学会口腔がん専門医制度指定認定研修施設、日本有病者歯科医療学会認定研修施設、日本顎顔面インプラント学会研修施設、日本がん治療認定医機構認定施設、日本障害者歯科臨床研修施設、日本口腔内科学会研修施設
指導医・専門医
| 日本口腔外科学会認定指導医、専門医 | 森 良之 |
|---|---|
| 野口 忠秀 | |
| 伊藤 弘人 | |
| 土屋 欣之 | |
| 早坂 純一 | |
| 岡田 成生 | |
| 安部 貴大 | |
| 山下 雅子 | |
| 大谷津幸生 | |
| 日本口腔外科学会認定指導医、専門医、認定医 | 田村 知子 |
| 日本口腔外科学会指導医 | 神部 芳則 |
| 日本口腔外科学会認定専門医、認定医 | 杉浦 康史 |
| 佐瀬美和子 | |
| 中野 崇文 | |
| 尾田誠一郎 | |
| 日本口腔外科学会認定専門医 | 松本 浩一 |
| 星 健太郎 | |
| 上野 泰宏 | |
| 山田 学 | |
| 立川 敬子 | |
| 篠崎 泰久 | |
| 日本口腔外科学会認定認定医 | 佐竹 通子 |
| 土肥 昭博 | |
| 齋藤 宏美 | |
| 小川あゆみ | |
| 相澤 恵美 | |
| 仙名 智弘 | |
| 林 宏栄 | |
| 井上 公介 | |
| 作山 葵 | |
| 山本 亜紀 | |
| 川嶋 理恵 | |
| 長島 優太 | |
| 仁保 千秋 | |
| 今野 悠 | |
| 村上 知弘 | |
| 月村 久恵 | |
| 藤内 城 | |
| 高橋 侑吾 | |
| 安彦 圭悟 | |
| 日本口腔科学会指導医、認定医 | 森 良之 |
| 野口 忠秀 | |
| 早坂 純一 | |
| 小笠原 徹 | |
| 安部 貴大 | |
| 尾田誠一郎 | |
| 日本口腔科学会認定医 | 渡辺 秀紀 |
| 土肥 昭博 | |
| 田村 知子 | |
| 山川 道代 | |
| 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医(歯科口腔外科) |
森 良之 |
| 野口 忠秀 | |
| 岡田 成生 | |
| 伊藤 弘人 | |
| 土屋 欣之 | |
| 早坂 純一 | |
| 佐瀬美和子 | |
| 山田 学 | |
| 杉浦 康史 | |
| 安部 貴大 | |
| 日本口腔腫瘍学会口腔がん指導医、専門医 | 野口 忠秀 |
| 早坂 純一 | |
| 日本顎変形症学会指導医、認定医(歯科口腔外科) | 森 良之 |
| 日本顎変形症学会認定医(矯正歯科) | 七條なつ子 |
| 日本口腔診断学会指導医、認定医 | 神部 芳則 |
| 大橋 一之 | |
| 野口 忠秀 | |
| 内藤 浩美 | |
| 山下 雅子 | |
| 上野 泰宏 | |
| 大谷津幸生 | |
| 日本口腔診断学会認定医 | 山本 亜紀 |
| 柏崎 明子 | |
| 仙名 智弘 | |
| 林 宏栄 | |
| 日本口腔内科学会指導医、専門医 | 森 良之 |
| 野口 忠秀 | |
| 神部 芳則 | |
| 早坂 純一 | |
| 山下 雅子 | |
| 櫻井 仁亨 | |
| 日本口腔内科学会指導医、専門医、認定医 | 尾田誠一郎 |
| 川嶋 理恵 | |
| 日本口腔内科学会指導医 | 伊東 大典 |
| 小笠原 徹 | |
| 日本歯科放射線学会指導医 | 神部 芳則 |
| 日本障害者歯科学会認定医 | 上野 泰宏 |
| 池田 薫 | |
| 山川 道代 | |
| 仙名 智弘 | |
| 日本有病者歯科医療学会指導医、専門医、認定医 | 川嶋 理恵 |
| 日本有病者歯科医療学会指導医、専門医 | 神部 芳則 |
| 篠崎 泰久 | |
| 日本有病者歯科医療学会専門医 | 林 宏栄 |
| 日本有病者歯科医療学会ICD認定医 | 篠崎 泰久 |
| 日本小児口腔外科学会指導医、認定医 | 大橋 一之 |
| 早坂 純一 | |
| 上野 泰宏 | |
| 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 | 伊藤 弘人 |
| 上野 泰宏 | |
| 山川 道代 | |
| 内藤 浩美 | |
| 大谷津幸生 | |
| 日本化学療法学会抗菌化学療法指導歯科医師、認定歯科医師 | 小笠原 徹 |
| 日本化学療法学会抗菌化学療法認定歯科医師 | 中野 崇文 |
| 小川あゆみ | |
| 日本化学療法学会ICD認定医 | 山下 雅子 |
| 中野 崇文 | |
| 小笠原 徹 | |
| 日本矯正歯科学会指導医、認定医 | 笹栗 健一 |
| 日本矯正歯科学会臨床指導医、認定医 | 宇津 照久 |
| 日本矯正歯科学会認定医 | 七條なつ子 |
| 吉田 留巳 | |
| 井口 隆人 | |
| 大貫 真美 | |
| 平良 綾子 | |
| 日本アンチエイジング歯科学会認定メディカルアロマコーディネーター、認定医 | 星 健太郎 |
| 日本顎顔面インプラント学会指導医、専門医 | 作山 葵 |
| 立川 敬子 | |
| 日本口腔インプラント学会指導医、専門医 | 立川 敬子 |
| 日本口腔インプラント学会専門医 | 作山 葵 |
| 篠崎 泰久 | |
| 日本顎関節学会指導医、専門医 | 櫻井 仁亨 |
| 安部 貴大 | |
| 日本顎関節学会専門医 | 星 健太郎 |
| 日本顎関節学会認定医 | 仙名 智弘 |
| 日本老年歯科医学会専門医、認定医 | 山川 道代 |
| 日本外傷歯学会認定医 | 田村 知子 |
| 日本抗加齢医学会専門医 | 小笠原 徹 |
| 安部 貴大 | |
| 日本再生医療学会認定再生医療認定医 | 小笠原 徹 |
| 日本成人矯正歯科学会総合指導医、臨床指導医、認定医 | 宇津 照久 |
| 日本舌側矯正歯科学会認定医 | 宇津 照久 |
| 日本顎顔面補綴学会認定医 | 隅田 由香 |
| 日本顎咬合学会指導医、認定医 | 宇津 照久 |
| 日本補綴歯科学会指導医、専門医 | 隅田 由香 |
| 日本補綴歯科学会認定医 | 作山 葵 |
| ヨーロッパ舌側矯正歯科学会認定医 | 宇津 昭久 |
| 国際口腔インプラント学会認定医 | 青柳 治 |
| 日本レーザー医学会認定歯科医(2種) | 小笠原 徹 |
| 日本口蓋裂学会認定師(口腔外科分野) | 野口 忠秀 |
| 田村 知子 | |
| 日本口蓋裂学会認定師(補綴歯科分野) | 隅田 由香 |
| 口腔顔面神経機能学会認定医 | 山崎 裕子 |
| 日本顎顔面痛学会認定医 | 仙名 智弘 |
| 日本臨床栄養代謝学会認定医歯科医 | 山川 道代 |
| 日本旅行医学会認定医 | 中野 崇文 |
3.診療実績・クリニカルインディケーター
1)新患患者数・再来患者数・紹介割合
| 新患患者数 | 5,120人 |
|---|---|
| 再来患者数 | 27,132人 |
| 紹介割合 | 57.4% |
2)入院患者数:307例
入院患者数(病名別)
| 口腔外科疾患 | |
|---|---|
| 良性腫瘍 | 12例 |
| 悪性腫瘍 | 135例 |
| 外傷 | 10例 |
| 炎症 | 39例 |
| のう胞 | 5例 |
| 先天異常 | 21例 |
| 顎変形症 | 47例 |
| 口腔粘膜疾患 | 7例 |
| 唾液腺疾患 | 1例 |
| 埋伏歯・智歯 | 17例 |
| その他の疾患 | |
| う蝕 | 11例 |
| その他 | 1例 |
3-1)全身麻酔手術症例病名件数(199例)
| 良性腫瘍 | 9例 |
|---|---|
| 悪性腫瘍 | 62例 |
| 外傷 | 10例 |
| 炎症 | 13例 |
| のう胞 | 7例 |
| 先天異常 | 19例 |
| 顎変形症 | 51例 |
| 口腔粘膜疾患 | 6例 |
| 唾液腺疾患 | 1例 |
| 埋伏歯・智歯 | 18例 |
| う蝕・歯周病 | 7例 |
| その他 | 1例 |
3-2)手術術式別件数(199例)
| 悪性腫瘍切除術 | 62例 | |
|---|---|---|
| 腫瘍切除 | 24例 | |
| 再建手術併用 | 33例 | |
| 頸部郭清術(単独) | 5例 | |
| 嚢胞摘出術(歯根嚢胞、顎骨嚢胞、術後性上顎嚢胞) | 7例 | |
| 埋伏歯抜歯術 | 13例 | |
| 顎裂部腸骨移植術 | 15例 | |
| う蝕治療 | 6例 | |
| 良性腫瘍切除術 | 10例 | |
| 顎骨骨折切除術観血的整復固定術 | 7例 | |
| 抜釘 | 29例 | |
| 顎下腺摘出術 | 1例 | |
| 上下顎骨切り術 | 26例 | |
| 口唇形成術 | 3例 | |
| その他 | 20例 | |
3-3)外来手術件数
1,299例
4)化学療法およびその他の療法(免疫療法・分子標的薬)症例数(延べ数)
| シスプラチン | 26症例 |
|---|---|
| パクリタキセル | 16症例 |
| オプシーボ | 13症例 |
| アービタックス | 6症例 |
| キイトルーダ | 10症例 |
| 光免疫療法(アキャルックス治療) | 1症例 |
5)放射線療法症例数
42症例
6)悪性腫瘍の治療成績
| Stage別 | 5年全生存率 |
|---|---|
| Stage I | 95.0% |
| Stage II | 84.7% |
| Stage III | 81.5% |
| Stage IV | 70.4% |
| 全対象 | 82.3% |
7)死亡症例・死因・剖検数・解剖率
a.死因
腫瘍死 7人
b.剖検数・率 0(0%)
8)主な処置・検査
口腔機能検査...VF検査、VE検査、咬合力検査(デンタルプレスケール)
口腔内超音波検査、PET検査
外科的顎矯正...RED/ Zürichシステム、MASDO、Proplane
インプラントCT画像処理...SIM/PLANT
9)カンファランス
| 病棟カンファランス | 月~金 | 8:20~8:50 |
|---|---|---|
| 教授回診 | 月 | 9:00~9:30 |
| 症例検討会、医局会、抄読会 | 木 | 17:30~ |
| 放射線カンファランス | 木 | 17:30~(隔週) |
| 頭頚部Cancer Board | 月 | 18:00~(第3週) |
10)キャンサーボード
[口腔外科カンファランス]
(口腔外科、耳鼻科、放射線科、臨床腫瘍科)
【実績】1年間12回
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1回 | 1回 | 1回 | 1回 | 1回 | 1回 |
| 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
| 1回 | 1回 | 1回 | 1回 | 1回 | 1回 |
4.2024年の目標・事業計画等
外来患者数ならびに全身麻酔下での手術件数は経年的に増加し、扱う疾患は多岐にわたっている。今後の課題としては以下の項目が挙げられる。
1)新たな周術期外来の立ち上げ・確立
今年度より当院で手術を受ける対象患者に対して周術期外来を受診していただくこととなった。患者数の増加が見込まれるため、スタッフ間の連携と丁寧な診察を心掛ける。
2)関連病院および地域医療施設との連携強化
当院は地域医療に重点を置いており、初診患者のほとんどが多施設からの紹介であるため、地域の検診や連携会等に積極的に参加し、治療を必要とする患者に必要な医療が提供できる環境を整える。
3)最先端医療技術の導入
北関東の医療拠点であることを自負し、国内・外で導入されている最先端の医療技術を積極的に導入していく。
4)光免疫療法(アキャルックス治療)の継続実践
2023年度に県内初の光免疫療法の実施経験より、継続して対象患者の治療に従事する。
