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感染制御部・感染症科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2022年4月1日現在)

院内感染対策委員長(臨床検査医学教授) 山田 俊幸
感染制御部長・感染症科(兼任)科長・総合診療内科(兼任)副科長(准教授) 森澤 雄司
感染制御部副部長(学内准教授) 笹原 鉄平
感染症科副科長・感染制御部副部長(講師) 外島 正樹
感染制御部副部長(看護部副看護部長) 亀田美智子
感染制御部看護師長 阿部 奈美
感染制御部主任薬剤師(感染制御認定薬剤師) 大友 慎也
病院助教 水澤 昌子(海外留学中)
南  建輔
多田 周平
シニアレジデント 1名
看護師 他2名
薬剤師 他2名
臨床検査技師 3名
事務担当職員 2名

2.感染制御部・感染症科の特徴

感染制御部は特定機能病院に求められる医療感染防止対策に専任従事する部門であり、医療行為に関連した感染症の防止と制圧および医療従事者の職業上の安全と健康を担当する。医療の質向上・安全推進センター、大学保健委員会・保健センターなどとも連携を取りながら組織横断的な活動を展開して、とくに医療の質向上・安全推進センターとはすべての職員を対象とした講習会を共同で開催している。また、感染症法などに基く届出業務などはすべて感染制御部が集約して担当している。臨床検査部・細菌検査室からすべての微生物検査データを提供していただき、病院内における感染症の動向をリアルタイムで把握して、先制攻撃的な感染防止対策を実践している。さらに感染制御部では病院内のすべての部署を対象として巡視を実施しており、様々な職種への教育と現実的な問題点の抽出を心掛けている。多忙な勤務に加えて兼任で感染制御チーム(ICT)に御参加いただいているメンバーには、おおむね月1回ずつの頻度で部署別監査に参加していただき、対象となった部署について感染制御に関する状況をチェックリストに基づいて確認していただいている。部署別監査は必要度を定めてスケジュールを調整し、巡視後、ICTが作成したレポートは月1回開催されるICT総会で議論された後、感染制御部が部署を再訪問し、改善状況を確認している。また、ICT総会において必要と判断された部署を対象に感染制御部が勉強会を開催してフィードバックを図っている。その他、感染制御部が所管する抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を別途に編制して、全病院を対象に抗菌薬適正使用を推進している。

一方、感染症科は国内ではまだめずらしい、コンサルテーションを主体とする診療形態をとり、やはり病院内で横断的な活動を展開している。より質の高い感染症の専門診療の提供を目指しており、教育にも最重点をおいて学内、学外、海外から多くの見学者を受け入れている。学内でも積極的に学生、研修医の教育活動に携わっている。また、感染症科ではHIV診療にもあたっており、外来診療が中心ではあるが、入院症例については感染症科が担当する体制となっている。その他の一般的な感染症の症例は総合診療内科が数多くの入院症例を担当しており、感染症科からは副科長を兼任し、協力的な診療・教育体制をとっている。なお、日本感染症学会研修施設として認定されている。

また、当院は栃木県における唯一の第一種感染症指定医療機関をお引き受けしており、県内で一類感染症が発生した場合には、感染症科を中心として診療体制を構築することとなっている。第一種感染症指定医療機関の運営には、全病院的な対応のみならず、公衆衛生行政部門などの外部機関との連携も重要であり、平時から症例搬送訓練などを実施している。

さらに2009年度からは自治医科大学・保健委員会からの依頼を受けて医療従事者の針刺し切創などによる職業上の血液体液曝露についても担当部署として活動し、保健センターとの協力により曝露された医療従事者のフォローアップにもあたっている。

認定施設

  • 日本感染症学会研修施設
  • 第一種感染症指定医療機関

専門医等

日本感染症学会 感染症指導医 笹原 鉄平
日本感染症学会 感染症専門医 笹原 鉄平 他1名
日本化学療法学会 抗菌化学療法指導医 笹原 鉄平
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医 笹原 鉄平
日本内科学会 総合内科専門医 笹原 鉄平 他1名
日本救急医学会 救急科専門医 多田 周平
日本血液学会 血液指導医 外島 正樹
日本血液学会 血液専門医 外島 正樹
日本エイズ学会 指導医 外島 正樹
日本プライマリ・ケア連合学会 プライマリ・ケア指導医 南 建輔
ICD制度協議会 認定ICD(インフェクションコントロールドクター) 森澤 雄司 他3名

3.実績・クリニカルインディケーター(感染症科)

常時平均フォロー入院患者数 20-50名
1日コンサルテーション患者数 1-5名

4.2022年の目標・事業計画等

新型コロナウイルスSARS-CoV-2感染症COVID-19の世界的な大流行にあっては、栃木県新型コロナウイルス感染症対策本部・入院医療調整本部・顧問を担当しており、県内のCOVID-19診療の舵取り役を荷い、附属病院が主に重症COVID-19症例の対応を請け負う体制を確立した。病棟内での水平伝播から入院を一時的に制限した事例はわずかに認めたが、附属病院として救急症例を含む高度急性期ケアを広く地域へ提供する機能は維持できており、重症例増加に伴う待機手術の減少などの一定の診療制限が発生した程度で、基本的にCOVID-19流行による一般診療への影響は最小限に留めることが出来た。今後の見通しについては不明な部分が多いが、引き続き一般診療への影響を最小限としつつ、重症COVID-19症例への対応は継続するべく差配することとしたい。

また、引き続いて日常的な感染防止対策と適切な感染症診療の徹底を目指し、部署毎の手指衛生の実践状況モニタリング、対象限定サベイランスによる医療質保証、包括的監視体制によるアウトブレイクの防止と早期覚知、抗菌薬適正使用支援の活動を継続する。

5.過去実績