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小児外科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2023年4月1日現在)

科長(講師) 薄井 佳子
病棟医長(助教) 馬場 勝尚
外来医長(病院助教) 辻  由貴
医員(病院助教) 關根 沙知

2.診療科の特徴

「子どもと家族に優しい医療」を基本理念とし、世界水準の小児医療を地域医療へ還元することモットーにしている。さらに数だけでなく、安全で質の高い小児外科医療の提供を行なっている。

施設認定

  • 日本小児外科学会専門医制度 認定施設
  • 日本外科学会専門医制度 認定施設
  • 日本周産期・新生児医学会認定 基幹施設
  • 日本小児血液・がん専門医研修施設

専門医

日本小児外科学会 指導医 薄井 佳子
日本小児外科学会 小児外科専門医 薄井 佳子
馬場 勝尚
辻  由貴
關根 沙知
日本外科学会 指導医 薄井 佳子
日本外科学会 外科専門医 薄井 佳子
馬場 勝尚
辻  由貴
關根 沙知
小児血液・がん学会認定外科医 薄井 佳子
日本周産期・新生児医学会認定外科医 薄井 佳子

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)外来患者数、新来患者数、再来患者数、紹介割合 等

外来患者数 3,886名
新来患者数 324人
再来患者数 3,562人
紹介率 71.0%

2)入院患者数

346名

3)手術患者数

333例

3−1)手術症例病名別件数

主な手術症例病名 術名 件数
気管狭窄症・声門下腔狭窄症 硬性気管支鏡 11
レーザー焼灼術 3
Tチューブ挿入 1
喉頭気管形成術 1
気管軟化症 硬性気管支鏡 4
気管内肉芽レーザー焼灼術 2
気管切開術 1
喉頭軟化症 硬性気管支鏡 3
気管内肉芽レーザー焼灼術 1
上気道閉塞 気管切開術 2
硬性気管支鏡 1
抜管困難 気管切開術 2
気管切開孔肉芽増生 気管切開孔肉芽切除術 2
気道異物 硬性気管支鏡下異物摘出術 1
誤嚥性肺炎 喉頭気管分離術 3
気胸 胸腔鏡下肺部分切除 7
胸腔ドレナージ 14
胸膜癒着療法 4
CPAM、肺膿瘍 開胸肺膿瘍部分切除 1
漏斗胸 バー抜去術 3
側頸瘻 瘻孔切除術 1
甲状舌管嚢胞 シストランク手術 1
先天性横隔膜ヘルニア 横隔膜ヘルニア根治術
(パッチ閉鎖1例)
3
術後胸腔ドレナージ 1
遅発性横隔膜ヘルニア 横隔膜ヘルニア根治術 1
食道裂孔ヘルニア 腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア根治術 2
胃瘻造設術 1
先天性食道閉鎖症 気管食道瘻切離、食道食道吻合術 2
気胸(食道閉鎖症術後) 胸腔ドレナージ 1
食道吻合部狭窄(食道閉鎖症術後) 食道吻合部バルーン拡張術 1
先天性食道狭窄症、BPFM疑い 食道食道吻合術 1
毛髪胃石 開腹毛髪胃石摘出術 1
肥厚性幽門狭窄症 ラムステッド手術(臍上部弧状切開) 7
先天性幽門狭窄症 幽門形成術 1
経口摂取困難 開腹胃瘻造設術 13
胃瘻造設状態 胃瘻閉鎖術 2
ミトコンドリア病、上腸間膜症候群 上部消化管内視鏡、経胃瘻十二指腸チューブ留置 1
先天性十二指腸閉鎖症・輪状膵 十二指腸十二指腸吻合術(ダイアモンド吻合術) 2
短腸症候群 中心静脈カテーテル挿入 2
PICC挿入 2
ダブルバルーン小腸内視鏡検査、下部消化管内視鏡検査 1
胃瘻肉芽切除 1
前胸部肉芽切除 1
ヒルシュスプルング病疑い 直腸全層生検 1
ヒルシュスプルング病類縁疾患 横行結腸ストーマ閉鎖術 1
腸回転異常症、中腸軸捻転 Ladd手術 1
腸回転異常症(先天性横隔膜ヘルニア合併) Ladd手術 2
多発消化管穿孔(先天性横隔膜ヘルニア術後) ストーマ造設術 2
ストーマ閉鎖術 1
中心静脈カテーテル挿入術 1
メッケル憩室症、内ヘルニア 腹腔鏡補助下メッケル憩室切除術
メッケル憩室症、絞扼性イレウス 回腸部分切除術、回腸ストーマ造設術 1
回腸ストーマ閉鎖術 1
絞扼性イレウス、腸間膜裂孔ヘルニア 腸間膜裂孔ヘルニア修復術 1
先天性小腸閉鎖症 腸閉鎖症手術 1
先天性小腸閉鎖症、胎便性腹膜炎 腸閉鎖症手術、回腸ストーマ造設術 2
回腸ストーマ閉鎖術 1
中心静脈カテーテル挿入術 1
虫垂炎 待機的腹腔鏡下虫垂切除術 13
総排泄腔遺残術後 横行結腸ストーマ造設術 1
横行結腸ストーマ造設状態 横行結腸ストーマ閉鎖術 1
腸重積症 非観血的整復術(高圧浣腸) 7
結腸狭窄症、心疾患、結腸ストーマ造設状態 結腸ストーマ閉鎖術 1
結腸狭窄症、心疾患、腹腔内膿瘍 腹腔ドレナージ 1
結腸ストーマ造設術 1
直腸肛門奇形 肛門形成術(cutback) 1
会陰式肛門形成術(ASARP) 1
直腸粘膜脱症候群 下部消化管内視鏡、直腸粘膜脱手術 1
肛門周囲膿瘍 痔瘻根治術(シートン法) 1
肛門ポリープ 経肛門的肛門ポリープ切除術 1
胆道閉鎖症(術後) 上部消化管内視鏡検査 4
胆道閉鎖症術後、食道静脈瘤 内視鏡下食道静脈瘤結紮術 1
先天性胆道拡張症、膵・胆管合流異常症 肝外胆管切除、肝管空腸吻合術、肝生検 2
胆嚢結石症 腹腔鏡下胆嚢摘出術 1
尿膜管遺残 尿膜管摘出術 1
臍帯ヘルニア サイロ形成術 1
腹壁閉鎖術 1
臍肉芽 臍肉芽切除術 1
臍ヘルニア 根治術 13
外鼠径ヘルニア 根治術 86
外鼠径ヘルニア術後、再発疑い 審査腹腔鏡 1
外鼠径ソケイヘルニア再発 腹腔鏡補助下鼠径ヘルニア根治術 2
陰嚢水腫、精索水腫 根治術 12
停留精巣 精巣固定術 13
肝芽腫、多発肝転移 開腹腫瘍生検 1
肝芽腫、胸水貯留 胸腔ドレナージ 1
肝悪性ラブドイド腫瘍 開腹腫瘍生検 1
肝部分切除術、胆嚢摘出術、腹膜播種切除術 1
神経芽腫 開腹腫瘍生検 1
卵巣嚢腫 卵巣嚢腫開窓術 1
良性皮下腫瘍 皮下腫瘍切除術 5
全身リンパ節腫大、脾腫、悪性リンパ腫疑い リンパ節生検 1
前胸部皮膚瘻、下顎皮膚瘻 皮膚瘻摘出術 1
筋ジストロフィー疑い 筋生検 1
リンパ管奇形 硬化療法(OK-432局注) 6
副耳 副耳切除術 2
外傷性脾損傷 血管塞栓術 1
会陰裂傷 大陰唇縫合閉鎖術 1
鼠径部挫創 縫合閉鎖術 1
前額部挫創 縫合閉鎖術 1
消化管異物 透視下マグネットカテーテル摘出術 3
透視下バルーンカテーテル摘出術 1
内視鏡下異物摘出術 1
消化管異物摘出後、食道潰瘍 上部消化管内視鏡検査 1
CVカテーテル挿入、ポート挿入、抜去 CVカテーテル挿入 8
CVカテーテル抜去 6
CVポート挿入 4
CVポート抜去 1
合計 352

3−2)手術術式別件数・術後合併症件数

総手術症例数 352
合併症件数 7
再手術症例数 0

3−3)新生児外科症例

症例 性別 病名 新生児期の治療
1 先天性回腸膜様閉鎖症、回腸腸間膜リンパ管奇形 腸閉鎖症手術、腸間膜リンパ管奇形は経過観察
2 卵巣嚢腫疑い 経過観察
3 胆汁性嘔吐、血便、ミルクアレルギー 経過観察
4 直腸肛門奇形(肛門膣前庭瘻、会陰溝) 経過観察(生後9か月時に肛門形成術)
5 左横隔膜ヘルニア 左横隔膜ヘルニア根治術(direct closure)
6 両側横隔膜ヘルニア 死亡
7 直腸肛門奇形(anocutaneous fistula) 肛門形成術(cut back 手術)
8 先天性十二指腸狭窄症 十二指腸十二指腸吻合術
9 右卵巣嚢腫捻転 右卵巣嚢腫開窓術
10 Apert症候群(気管狭窄症) 硬性気管支鏡予定→心外MPAB、動脈管結紮離断、血管輪解除
11 左鼠径ヘルニア、早産超低出生体重児 経過観察
12 左停留精巣 経過観察
13 会陰溝 経過観察
14 左副腎嚢胞(出血疑い)、血管輪疑い 経過観察
15 臍帯ヘルニア サイロ造設術(日齢0)、腹壁閉鎖術(日齢5)
16 後腹膜嚢胞嚢胞 経過観察
17 気管狭窄症疑い 硬性気管支鏡検査
18 左横隔膜ヘルニア、腸回転異常症 左横隔ヘルニア根治術、Ladd手術
19 左大腿リンパ管奇形 経過観察
20 先天性食道閉鎖症(GrossC型)、総排泄腔遺残、気胸 気管食道瘻切離、食道食道吻合術、横行結腸ストーマ造設術(日齢0)、胸腔ドレーン挿入(日齢8)
21 先天性左横隔膜ヘルニア、多発小腸穿孔、中腸軸捻転 左横隔膜ヘルニア根治術(patch closure)、小腸ストーマ造設術、Ladd手術
22 神経芽腫( 副腎原発)、多発肝転移 開腹腫瘍生検
23 右横隔膜ヘルニア 死亡
24 右鼠径ヘルニア 経過観察
25 先天性幽門狭窄症 幽門形成術
26 先天性十二指腸閉鎖症 十二指腸十二指腸吻合術
27 下血 経過観察
28 脊髄脂肪腫、無脾症候群疑い、多発構築異常、腸回転異常症疑い 経過観察
29 無脾症候群疑い、食道裂孔ヘルニア、心疾患 死亡
30 先天性回腸閉鎖症、胎便性腹膜炎、消化管穿孔 回腸ストーマ造設術
31 腹腔内嚢胞 経過観察
32 両側鼠径ヘルニア、早産超低出生体重児 経過観察
33 腸回転異常症、中腸軸捻転 Ladd手術
34 先天性食道閉鎖症(Gross C型) 気管食道瘻切離、食道食道吻合術
35 先天性回腸閉鎖症、胎便性腹膜炎、消化管穿孔 回腸ストーマ造設術

4)化学療法症例

すべて小児科との併診

5)放射線療法症例

すべて小児科との併診

6)悪性腫瘍

手術症例を参照

7)手術死亡症例

0例

8)死亡症例:0

回避しうる再入院:0
術後創感染:1
術後続発症:5
褥瘡発生率:0

9)主な処置、検査

上部、下部消化管造影検査(毎週木曜日午後)
超音波検査(小児画像診断部に依頼し必要時適宜)

10)カンファランス

入院症例検討:毎日朝・夕
小児放射線カンファランス:(毎週月曜午後)
周産期カンファランス:(毎週月曜午後)
腫瘍カンファランス(Tumor board):(毎月第3月曜日+必要時適宜:小児科、小児画像診断部、小児外科系関係各科)
二分脊椎カンファレンス:(月1回;小児脳神経外科、小児泌尿器科、小児整形外科、看護部、PT)
栃木県小児外科症例検討会(年1回)
関東小児外科症例検討会(年1回)

11)キャンサーボード

参加診療科:小児外科、小児科、小児画像診断部、その他随時必要な小児外科系各科
実績:1年間に12回+α

4.2023年の目標・事業計画等

1)小児外科スタッフの拡充

スタッフの拡充をはかる。新旧専門医制度に応じたレジデントローテートを随時受け入れ、外科専門医育成により外科学教室全体の臨床充実に貢献する。

2)学生教育

2年生、5年生、6年生への系統講義を継続し、6年生の系統講義枠の拡大充実を継続する。
5年生の必修BSLを1週間で担当し、地域医療に貢献する医師を育成する。選択BSLの受け入れも充実させる。

3)臨床面での発展

栃木県内はもとより関東全域、東北地方の医療機関からも積極的に適応患者を受け入れる。高度技能を要求される小児外科疾患の治療に対応すべく、更なる医療水準の向上に努める。
手術件数の増加を目指すとともに、小児外科に特化した手術内容の質の向上、充実をはかる。

4)研究面での発展

臨床に即した問題点の解決をめざして、新たなリサーチプロジェクトを進める。新生児・乳児期の開腹手術が腸内細菌叢に与える影響および消化管アレルギーとの関連について調査を開始する。難治性新生児疾患である気管狭窄症、A型食道閉鎖症に対する基礎研究や小児病理学の新たなる研究開発を実践し発展させる。

5.過去実績