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脳神経センター内科部門(脳神経内科)【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2022年4月1日現在)

科長 (教授) 藤本  茂
副科長 (教授) 松浦  徹
医員 (教授) 田中 亮太(兼務)
(学内教授) 小出 玲爾
(特命教授) 村松 慎一(兼務)
(学内教授) 森田 光哉(兼務)
(講師) 松薗 構佑
益子 貴史
(助教) 阿南 悠平
(病院講師) 秋本 千鶴
(病院助教) 三浦久美子
鈴木 雅之
小澤 美里
シニアレジデント   11名

2.診療科の特徴

脳神経内科の対象疾患は、脳血管障害、神経感染症、神経変性疾患、神経免疫疾患、神経機能疾患(頭痛、てんかん等)、末梢神経疾患、筋疾患と多岐にわたる。現在、脳神経内科外来は、毎日3〜4診で、年間14054人、うち新患が622人である。病棟は7階西病棟に31床あり、年間626人受け入れた。いずれも新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、昨年実績よりも下回った。脳血管障害や脳神経感染症、てんかん重積発作といった緊急入院の患者が過半数を占め、地域医療の拠点病院としての役割を担っている。

  

脳神経外科、救命救急センターとの連携を重視しており、スムーズな急患対応が可能となっている。脳血管障害では専門医を中心に超音波診断を重視し、急性期に頸動脈エコー、経食道心エコー、下肢静脈エコー、経頭蓋カラードプラなどを病棟で施行し、正確な病態診断に基づく迅速な治療選択が可能となった。また、学生教育、レジデント教育にも力を注いでおり、診療・教育・研究が一体となったチームを目指している。

施設認定

  • 日本内科学会認定医制度教育病院
  • 日本神経学会教育施設
  • 日本脳卒中学会認定研修教育病院
  • 日本脳卒中学会認定一次脳卒中センター

学会専門医

日本神経学会認定専門医 藤本 茂 他8名
日本脳卒中学会専門医 藤本 茂 他3名
日本内科学会認定総合内科専門医 松浦 徹 他2名
日本人類遺伝学会専門医 松浦 徹
日本東洋医学会漢方専門医 村松 慎一
日本リハビリテーション医学会専門医 森田 光哉

3.診療実績

3-1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 622人
再来患者数 14,054人
紹介率 100.0%

3-2)入院患者総数:626人

脳脊髄血管障害 277例
  (急性期 222例
神経感染症(脳炎・髄膜炎など)、脳症 23例
神経変性疾患 79例
  筋委縮性側索硬化症 34例
パーキンソン病関連疾患 27例
脊髄小脳変性症(MSA含む) 13例
認知症 5例
免疫関連性中枢神経疾患(MS、脊髄炎など) 19例
代謝・中毒性疾患 4例
腫瘍性疾患 8例
内科疾患に伴う神経疾患 6例
脊椎脊髄疾患 3例
末梢神経疾患(GBS、CIDP、CMTなど) 23例
筋疾患・神経筋接合部疾患 36例
てんかん 16例
機能性疾患 4例
その他 16例

3-3)手術症例病名別件数

胸腺摘除術 2例
内視鏡的胃瘻増設術 3例
気管切開術 9例

3-4)治療成績

脳梗塞rt-PA静注療法 30例
血栓回収療法 16例

3-5)合併症例

なし

3-6)死亡症例・死因・剖検数・剖検率

死亡退院症例診断名

脳脊髄血管障害 3例
運動ニューロン疾患 2例
脊髄小脳変性症 2例
神経感染症 1例
8例

剖検症例診断名

剖検症例診断名 0例

剖検率 0%

3-7)主な検査・処置・治療件数

電気生理検査

末梢神経伝達検査 406件
針筋電図 77件
脳波 350件
ポータブル脳波 68件

超音波検査

経食道心エコー 185例
頸部血管エコー 277例

生検

筋生検 18例
神経生検 6例
脳生検 2例

3-8)カンファランス症例

診療科内の症例検討会

新入院・退院カンファランス 年50回

他科のカンファランス

脳卒中カンファレンス(脳神経外科と合同) 年50回

3-9)キャンサーボード

なし

4.2022年の目標・事業計画等

1)脳血管障害

脳卒中は近年病態解明が進み、治療法も急速に進歩しているが、未だわが国の死因の3位、要介護原因の第1位を占めている。加えて、栃木県の脳卒中死亡率は全国上位であり、当センターに求められている役割は非常に大きい。日本脳卒中学会からは一次脳卒中センターの認定を受けており、引き続き、脳卒中の救急医療および一次予防・二次予防をさらに充実するために、センター内各部門の協力体制をこれまで以上に整えて、集学的治療・管理を行い、脳卒中医療水準の向上を図りたい。具体的には、

  1. 急性期脳梗塞患者の受け入れを昨年の222例から250例に増加させる。また、稼働率100%を維持する。
  2. 超急性期血行再建治療適応症例を増やし、rt-PA静注療法を少なくとも30例に施行する。
  3. 超音波診断に力を入れ、検査施行数を増やす。
  4. 近隣の後方病院との連携を深め、入院期間の短縮をめざす。
  5. 脳血管障害の精査・治療導入の短期入院を増やす。

を目標とする。近未来的にStroke Unit(SU)の開設を目指し、脳卒中チーム医療の充実を図る。

2)神経変性疾患

引き続き、パーキンソン病、認知症、脊髄小脳変性症、脱髄性疾患、筋萎縮性側索硬化症、筋疾患、末梢神経疾患などについて、最先端の検査治療法の導入に努めていきたい。積極的な患者の受け入れをすすめるとともに、後方病院との連携、在宅医療との連携を深め、地域全体での診療体制の充実を図る。新型コロナウイルスの影響がなお残るが、神経生理検査、生検など専門的な検査件数を増やし、神経救急疾患への対応にもさらに積極的に取り組み、脳血管障害と合わせ年間650例の入院症例を確保したい。

5.過去実績