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臨床検査部【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2023年4月1日現在)

部長 (教授) 山田 俊幸
副部長 (教授) 紺野  啓
医員 (学内准教授) 鯉渕 晴美
(学内講師) 水品 佳子
(助教) 山本さやか
病院助教 (助教) 久保田香菜
(助教) 青山  泰
レジデント (臨床助教) 野村 祐希
参与 臨床検査技師 日高 裕介
技師長 臨床検査技師 土谷こずえ
副技師長 臨床検査技師 茂筑 敬司
早津かおり
簗瀬直穂美
栁田 浩己
技師配置 検体・生理検査 83名
健診センター 4名
生殖医学センター 3名
とちぎ子ども医療センター 7名

2.臨床検査部の特徴

自治医大附属病院の特徴は、自治医科大学の建学の理念を実現するために、地域の診療に従事する医師を養成する臨床の場としての役割を担う点である。一方、地域の高度な医療施設としての役割も果たしている。従って、臨床検査部門は、医学部臨床検査医学講座と一体になり、自治医科大学附属病院が質の高い医療レベルを維持・遂行するために貢献することを使命としている。臨床検査部は、昭和49年4月以来40年以上にわたって活動してきた。病院のリニューアルに伴い、平成17年度には検体部門が、平成19年度中には生理機能部門が、機能的に連携を図る意味で、旧手術室跡地に隣接した場所に移転した。採血室も平成24年に同地に移転し1箇所で行っている。

また、さいたま医療センターとの連携を積極的に図るため、部長・技師長による連絡会議を2ヶ月に1度開催し、両病院の情報の共有に努めるとともに、技師の人事交流を継続している。

臨床検査部門で行っている専門医の研修は、日本専門医機構認定の臨床検査専門医、日本超音波医学会認定の超音波専門医であり、複数の臨床検査部医師は両専門医を取得し、若い医師を指導している。検査部スタッフである臨床検査技師は、日本超音波医学会が行う臨床検査技師の超音波検査士の施設認定も取得しており、現在12名の超音波検査士が認定されている。その他、日本臨床検査同学院、日本臨床微生物学会などの認定する資格を複数のスタッフが取得している。

認定施設

  • 日本専門医機構認定臨床検査専門研修基幹施設
  • 日本超音波医学会認定超音波専門医研修基幹施設

専門医・認定医

  • 日本専門医機構認定基本領域臨床検査専門医
    山田 俊幸、鯉渕 晴美
  • 日本臨床検査医学会認定専門医
    紺野  啓、山本さやか
  • 日本超音波医学会認定専門医
    紺野  啓、鯉渕 晴美
  • 日本呼吸器学会専門医   水品 佳子
  • 日本循環器学会循環器専門医   久保田香菜

3.実績・クリニカルインディケーター

1)診療実績

検体検査部門の業務内容は採血収集、一般、血液、化学、血清、遺伝子、細菌などに分けられ、生理機能検査部門は循環器、脳神経、呼吸器、超音波に分けられる。また、新棟や子ども医療センターおよび健診センターにはサテライトの検査室があり、各々に技師を配置し検査を行っている。各技師は主たる業務をそれぞれ担うが、マンパワーを効率的に活用するため、午前中は採血、午後は心電図検査などと複数の業務をこなしている。

2022年度は、継続するCOVID-19の流行により、SARS-CoV-2検出のための定量PCR検査、LAMP検査、迅速PCR検査を検体数の増加に対応して実施、また術前検査の試料採取に人員を割き、この感染症診療において多大な貢献をした。

1年間の検査数は入院、外来の検体検査、生理機能検査を合計して、およそ726万件であり、COVID-19の影響下であるが昨年より増加した。

学生実習では、医学部4年生のBSLにおいて、病院検査の説明、検体の準備などについては医師だけなく検査技師によるサポートも行われている。臨床検査部をローテートする研修医は常時2‐3名程度おり、その多くは超音波検査の研修を行っている。

検査の中で、免疫固定法、骨髄像、超音波診断、肺機能検査、負荷心電図、ホルター心電図、脳波や筋電図の実施判読などの高度な判断が必要な検査については、検査部に関連する専門の医師が直接、検査の実施や報告書の作成を行っている。

臨床検査部の医師は、それぞれの専門分野で活躍するとともに、各科の医師と連絡を取りながら、検査を円滑に行うためにアドバイスを行っている。新たな検査法の導入・開発はもちろんのこと、検査手法の改善、精度管理を行うことで、検査室の適正化を進めている。学生や研修医教育にも積極的に関わり、研修医・技師の育成を行った。また、院内感染対策委員会、臨床検査部運営委員会、ICT、医療機器委員会など、多くの院内委員会において活躍している。

検査部の技師は、数多くの院内委員会に出席している。また、検査技師養成校からの実習生教育を活発に行い、医学部学生・研修医・専攻医教育にも協力している。栃木県臨床検査技師会の諸活動に中心的役割を担い、種々の検査講習会を担当した。検査の精度管理の一環として、栃木県の精度管理委員会でも中心的役割をはたしている。

なお、本院職員に臨床検査の情報を伝え、連絡事項などを迅速に連絡するため毎月「ラボニュース」を発刊している。

2)臨床検査部(2022.1~2022.12)

  区分 入院 外来 合計
検体検査 一般 109,537 265,357 374,894
血液検査 452,484 510,324 962,808
血清検査 126,981 441,294 568,275
採血室
(尿素呼気試験)
4 252 256
生化学検査 1,864,056 3,321,442 5,185,498
遺伝子検査 713 4,191 4,904
細菌検査 79,262 34,466 113,728
合計 2,633,037 4,577,326 7,210,363
生理機能検査 循環器検査 10,379 25,062 35,441
脳神経系検査 2,324 1,105 3,429
超音波検査 2,412 9,577 11,989
肺機能検査 1,173 5,429 6,602
眼底カメラ 195 223 418
合計 16,483 41,396 57,879
  総合計 2,649,520 4,618,722 7,268,242

3)先進医療の実績

遺伝子検査では、PCRの導入後その需要は増加し、結核、各種ウイルス、MRSAなどの感染症に対応した検査施設として構築中である。また、質量分析装置の導入により迅速な報告にも寄与している。超音波検査では、日本でも代表的な施設となっており、超音波の臨床的有用性に関する研究、音響組織特性に関する研究、超音波造影剤、超音波ドプラ法、エラストグラフィの新たな利用法による診療を進めている。一方、診療の場面では、探触子と感染症媒介の可能性、末梢血管の硬さについてなどの検討をおこなっている。

4.研究業績

自治医大臨床検査部臨床検査技師の業績集として毎年度、「自治医科大学付属病院臨床検査技師年報」を作成している。(2022.4-2023.3は第46号の予定)具体的な内容はそちらをご覧いただきたい。

5.2023年の目標・事業計画等

COVID-19の検査についてはPCR検査からより汎用性の高い抗原定量検査に移行し、引き続き診療を支援する。この流行で整備されたPCR検査用機器の利用については、他の病原体検査への応用を諮る。

例年同様に、診療報酬に見合った検査法の見直し、検体検査管理料加算を含む新たな加算の導入を取り入れること、加えて検査機器の集約化、採血などの業務・サービスの拡大に取り組んでいく。また、ニーズの高い超音波検査の拡大に向け、技師教育に注力する。

昨年、更新認証されたISO15189は、2023年8月に1回目のサーベイランスを受審する予定である。

精度管理は臨床検査にとって最も根幹になるもので、今後も配慮して行きたい。さらに大学の附属病院であることを考慮し、今後も病院内部での検査実施に重点をおきながら、信頼される検査部をめざしたい。外部精度管理は、これまでと同様日本医師会、日本臨床衛生検査技師会、栃木県、CAPなどの事業に参加する。

内部の研修事業として引き続き、検査データの判読、エコーカンファレンス、文献紹介などを行い、常に新しい知識の共有に努めたい。

6.過去実績