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医療情報部【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2023年4月1日現在)

部長 (循環器内科教授) 興梠 貴英
副部長 (小児科教授) 村松 一洋
事務  1名
システム運用管理室 室長(事務) 1名(医療情報技師)
事務 3名(医療情報技師3名)
診療情報管理室 室長(事務) 1名
診療情報管理士 12名
事務 2名
看護情報管理室 室長(看護師) 1名
師長 1名
看護師 2名
兼務者 医師 1名
薬剤師 1名
臨床検査技師 1名
放射線技師 1名
事務 3名

2.活動内容、実績

[システム運用管理室]

システム運用管理室は、システム化要望のとりまとめ・仕様確認・進捗確認などの開発業務、160を超えるシステムと機能、135台以上のサーバー、約2,700台のPC端末、約2,200台の患者呼出機、1,200台の看護支援用iPod Touchなど、ハードウェア・ソフトウェアの保守管理業務、システムの問題管理・仕様変更管理などのシステム運用、医学研究支援の各種データ抽出、病院職員への端末操作研修などの業務を行っている。また、システム開発委託契約・保守契約・システム関連機器の購入契約などの契約業務も行っている。2022年度は症例報告や各種臨床研究、経営指標等のために約2,019件のデータ抽出依頼に対応した。障害対応とヘルプデスク(システム利用者からの問い合わせ対応)は、休日を含む24時間体制で行っている。

現在の病院情報システム(JUMP2)は2017年1月に更新稼働。その後、2018年にPACS(放射線画像システム)と眼科システム、2019年に検体検査システム、内視鏡検査システム、病理検査システム、細菌検査システム、POS(医療費支払い)システムの更新、2020年に周産期カルテシステム、PACSのVNA(ベンダーニュートラルアーカイブ)保存システムの新規導入、2021年に心臓超音波動画配信システムの更新と放射線被ばく管理システムの新規導入を行い、病院情報システムとして機能の充実と拡張を実施している。

2023年度に更新を予定している次世代の病院情報システム(JUMP3)では、さいたま医療センターと共同でシステム調達をすることで費用縮減を図り、2021年にメーカー選定に向けた機能調査や仕様書作成のためコンサル導入と2病院間合同の検討会議体制を構築した。2022年には基本更新計画書の策定と調査結果を基としたシステム機能仕様書および入札仕様書を作成。電子カルテの日本国内大手メーカーによる競争入札を実施し、2病院合同によるメーカー選定を行った。

今後は、診療業務の効率化や円滑化、診療情報の共有化をより良くするため、開発ワーキンググループを開催し仕様の検討を行う計画としている。

[診療情報管理室]

主な業務は、DPC調査、院内がん登録、退院前DPC検証、退院サマリー等の診療記録点検、診療情報の提供(カルテ開示)、各種データ抽出であり、専任の診療情報管理士が中心となって業務にあたっている。

本年の実績は以下のとおり。

  1. 院内がん登録は、3,650症例を登録し、全国集計へ提出した(2021症例)
  2. 退院サマリーの退院後14日以内完成率は、96~98%以上を維持した。
  3. カルテ開示は、87件の開示を行った。
  4. 83項目からなる病院機能指標を編纂した。
    また、当室で収集・管理しているDPC退院調査情報等から、病院活動に必要なデータの抽出・集計等を行った。

[看護情報管理室]

主な業務は看護師の業務に関わるシステムの仕様・運用に関する問題対応、操作訓練、各種マスタ管理(指示簿、標準看護計画、看護ケア用語等)、看護師向けに電子カルテ情報のデータの抽出等を行っている。看護師が使用しているiPod touchなどの機器の管理、円滑な運用のための指導を行っている。また重症度、医療・看護必要度の検証の実施、看護関連の新たな加算取得のためのシステム改修を行った。

操作研修は新入職者に対して実施、他に中途採用者、育児休暇からの復帰者に対しても実施している。また、自治医科大学附属病院看護部門への臨地実習生に対して個人情報保護を踏まえた病院情報システムの取り扱いに関する説明と操作研修を実施している。電子カルテ不正使用の防止策として、職員に対しては不定期に、学生に対しては実習終了時にアクセスログ調査を行い、個人情報保護委員会に報告をしている。

看護師勤務管理システムで使用する勤務記号の整理や勤務時間設定の変更を実施している。看護師の業務進捗状況の可視化を図り、チーム間、部署間応援への活用を目的に導入した看護師業務進捗管理システム(JUNIORS)運用管理をしている。

本年の実績は以下のとおり。

  1. 病院情報システム機器関連の修理費用削減の取り組み

    ●iPod touch:2021年度に、iPod touchの管理指導等により、年間の修理台数(2020年452台から2021年151台へ)の削減、修理待ち日数(前年約1ヵ月待ちから本年は1日以内へ)に短縮した。2022年度も修理台数及び待ち日数は低値を維持することができた。

    ●ノートパソコン:有償修理状況を把握し予防対策の管理指導等により、高額修理費である液晶画面の破損件数が、前年度7件であったのが、今年度2件に減少した。

  2. 看護研究・看護業務改善、各部署の年度目標設定とそのためのデータ利用目的とした看護師の申請に応じたデータの抽出は526件/年(2月28日時点)であった。(前年552件/年)
  3. 看護記録の効率化、情報共有のための標準化等を目的としたテンプレートの作成やマスタ変更件数は50件/年(2月28日時点)、要した時間は87時間31分であった。(前年90件/年、152時間)
  4. 電子カルテ「データ検索ツール」の操作性改善を図り、看護管理者への説明を、2021年度6月末までに看護師長対象に実施し、2021年7月以降から3月末までの利用は29名742件であった。今年度も継続的に利用促進とサポートを行い、今年度4月から2月末までの利用は31名1080件であった。前年度月平均82.4件だったのが、今年度月平均98.23件と利用状況の増加が認められた。
  5. 看護部各委員会と協働し、看護業務進捗管理システム(JUNIORS)の活用や、コミュニケーションロボット「ナーコ」の運用を整備し、看護業務・ケアへのIoT導入の取り組みを実施した。

4.2023年の目標・事業計画等

[システム運用管理室]

2023年については、2024年1月1日にJUMP3への切り替え稼働を控えているため、新機能の導入等により運用変更が生じる部分の開発ワーキンググループ開催を予定している。また、更新となるシステムサーバー群の導入と主要ネットワーク(各種スイッチや無線LANなど)機器の更新作業も計画している。

年末にはJUMP3への切り替え作業があり、長時間によるシステム停止を伴うため、診療現場への影響が最小限になるよう十分に考慮し検討を行う予定としている。

MDC別退院患者数(グラフ1参照)

※包括対象のみ

MDCコード MDC名称 件数 平均在院日数
MDC01 神経系疾患 1,273 21.9
MDC02 眼科系疾患 1,984 5.3
MDC03 耳鼻咽喉科系疾患 575 14.3
MDC04 呼吸器系疾患 1,660 14.8
MDC05 循環器系疾患 2,226 14.4
MDC06 消化器系疾患、肝臓・胆道・膵臓疾患 3,868 13.4
MDC07 筋骨格系疾患 844 21.2
MDC08 皮膚・皮下組織の疾患 441 10.6
MDC09 乳房の疾患 347 7.1
MDC10 内分泌・栄養・代謝に関する疾患 716 11.7
MDC11 腎・尿路系疾患及び男性生殖器系疾患 1,524 11.7
MDC12 女性生殖器系疾患及び産褥期疾患・異常妊娠分娩 2,117 13.2
MDC13 血液・造血器・免疫臓器の疾患 525 27.1
MDC14 新生児疾患、先天性奇形 1,083 17.9
MDC15 小児疾患 53 9.8
MDC16 外傷・熱傷・中毒 446 13.1
MDC17 精神疾患 7 9.9
MDC18 その他 342 21.6
合  計 20,031 14.1
グラフ1 MDC別退院患者数

DPC入院期間別診療科別退院患者割合(グラフ2参照)

※包括対象のみ

診療科 Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 Ⅲ期超 総計
消化器・肝臓内科 14.5% 49.4% 34.1% 2.0% 1,782
呼吸器内科 11.4% 52.0% 32.5% 4.1% 979
循環器内科 9.2% 46.0% 42.8% 2.0% 1,741
脳神経内科 8.6% 38.0% 48.2% 5.3% 569
血液科 10.2% 48.2% 38.3% 3.3% 363
アレルギーリウマチ科 14.2% 32.0% 48.0% 5.8% 275
感染症科 8.1% 16.2% 64.9% 10.8% 37
内分泌代謝科 6.4% 53.0% 39.8% 0.8% 389
総合診療内科 10.4% 26.6% 55.2% 7.9% 241
腎臓内科 17.4% 38.4% 38.8% 5.5% 495
小児科 17.5% 32.4% 41.9% 8.2% 1,252
小児先天性心臓血管外科 12.3% 53.4% 28.8% 5.5% 73
乳腺科 23.9% 63.1% 12.3% 0.7% 293
腎臓外科 13.2% 47.2% 35.8% 3.8% 53
消化器外科 12.5% 47.1% 37.4% 3.1% 1,801
小児外科 19.7% 46.1% 33.2% 0.9% 319
形成外科 31.8% 45.7% 21.8% 0.7% 289
心臓血管外科 6.7% 41.9% 46.2% 5.2% 463
呼吸器外科 4.9% 31.8% 61.9% 1.4% 431
移植外科 45.6% 30.2% 22.8% 1.3% 149
脳神経外科 15.5% 52.5% 28.5% 3.4% 592
小児脳神経外科 35.4% 41.5% 19.5% 3.7% 82
整形外科 10.3% 38.7% 47.0% 3.9% 406
小児整形外科 41.9% 31.6% 24.3% 2.2% 136
皮膚科 34.9% 30.2% 31.3% 3.6% 441
泌尿器科 17.1% 56.9% 24.9% 1.1% 919
小児泌尿器科 6.2% 50.4% 42.6% 0.8% 129
眼科 3.8% 79.9% 15.9% 0.4% 1,982
耳鼻咽喉科 4.9% 41.2% 52.4% 1.5% 718
産科 9.2% 43.9% 41.6% 5.3% 874
婦人科 5.2% 48.2% 45.1% 1.5% 1,507
麻酔科 60.0% 20.0% 20.0% 0.0% 5
救急科 35.8% 43.5% 19.9% 0.8% 246
総  計 12.5% 48.2% 36.4% 2.9% 20,031
グラフ2 DPC入院期間別退院患者割合(全診療科)
院内がん登録全国集計 2020年症例 部位別件数
診療情報提供(カルテ開示)件数推移

5.過去実績