薬剤部[アニュアルレポート] | 病院のご案内 | 自治医科大学附属病院
病院のご案内
  1. トップページ
  2. 病院のご案内
  3. アニュアルレポート
  4. 薬剤部

薬剤部【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2021年4月1日現在)

薬剤部長 今井  靖(薬理学講座 臨床薬理学部門・教授)
副薬剤部長 中澤 寛仁
釜井 聡子(感染制御部兼務)
吉岡 崇幸
片野 昌宏(医療の質向上・安全推進センター兼務)
主任薬剤師 荒川 昌史(緩和ケア部兼務)
小倉 明子
大塚由紀子
若林 宏海
荒川 祐輔
稲見  薫
奥田 泰考
小林  亮
薬剤師 67名
事務 1名
調剤補助(臨時雇用) 2名
研究補助(臨床薬理) 1名
関係部署 霜多 博孝(医療の質向上・安全推進センター専従)
大友 慎也(感染制御部専従)

2.薬剤部の特徴

薬剤部では、医薬品の調剤、製剤、供給管理、情報提供、TDM(薬物血中濃度モニタリング)、病棟薬剤業務および服薬指導等に従事し、かつこれらの業務を相互連携させることにより、医薬品の安定供給と適正使用を介した医療の質の向上、医療の効率化・医療安全に貢献している。

・施設認定

  • 日本臨床薬理学会認定薬剤師制度研修施設
  • 日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師制度研修施設
  • 日本医療薬学会がん専門薬剤師研修施設
  • 日本医療薬学会薬物療法専門薬剤師研修施設
  • 日本薬剤師研修センター実務研修生受入施設
  • 日本薬剤師研修センター小児薬物療法認定薬剤師制度受入施設
  • 日本緩和医療薬学会緩和医療専門薬剤師研修施設

認定・専門薬剤師

日本臨床薬理学会指導薬剤師 1名
日本臨床薬理学会認定薬剤師 1名
日本医療薬学会医療薬学指導薬剤師 1名
日本医療薬学会医療薬学専門薬剤師 3名
日本医療薬学会がん指導薬剤師 1名
日本医療薬学会がん専門薬剤師 3名
日本医療薬学会薬物療法専門薬剤師 1名
日本臨床栄養代謝学会栄養サポートチーム専門療法士 3名
日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師 2名
日本緩和医療薬学会緩和医療暫定指導薬剤師 1名
日本緩和医療薬学会緩和薬物療法認定薬剤師 1名
日本小児臨床薬理学会小児薬物療法認定薬剤師 3名
日本医療情報学会医療情報技師 1名
日本病院薬剤師会病院薬学認定薬剤師 12名
日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師 2名
日本病院薬剤師会認定指導薬剤師 2名
日本薬剤師研修センター認定実務実習指導薬剤師 6名
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師 9名
日本リウマチ財団登録薬剤師 1名
日本災害派遣医療チーム(DMAT)登録隊員 1名
日本アンチドーピング機構(JADA)スポーツファーマシスト 3名
心不全療養指導士 2名

3.実績・クリニカルインディケーター

1)業務内容

①外来・入院調剤業務

調剤部門では、入院患者および外来患者の調剤を行っている。外来調剤においては1998年の院外処方箋発行開始以来、種々の業務について合理化を行ってきた。2020年においては外来処方箋の院外処方箋発行率増加の呼びかけ、調剤部門に調剤補助員(臨時職員)を導入し業務負担軽減策を積極的に進めた。院外処方せんが発行できない一部外来患者への処方箋調剤と薬剤情報提供の他、在宅療養に必要な器材や検査・処置用薬、病棟配置薬の供給、治験薬の調剤や院外の保険調剤薬局からの疑義照会窓口として活動した。疑義照会については近隣の保険調剤薬局と自治医科大学との間に簡素化プロトコールを締結した。

②製剤・医薬品調製業務

製剤部門では予め使用頻度の高い薬剤の混合や分包(一般製剤・無菌製剤)、医師からの依頼による特定の患者を対象とした市販されていない剤形や規格の薬剤調製(院内特殊製剤)、リスクの高い注射薬であるTPN(中心静脈栄養)や抗がん剤の混合調製を行っており、現在は休日を含め院内で使用するTPNおよび抗がん剤の調製は全て薬剤部で実施している。

2011年、日本核医学会ほか3団体の共同作業により「放射性医薬品取り扱いガイドライン」が作成された。薬剤部では、2012年6月から薬剤師による放射性医薬品の院内調製(99Mo/99mTcジェネレーターからの99mTcの抽出、テクネMAAキットおよびテクネフチン酸キットにおける99mTcの標識など)と管理を開始し、2019年には骨転移疼痛緩和剤メタストロン注も含めた放射性医薬品の管理と調製を実施している。

過去5年間における注射薬混合調製数
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
TPN(病棟/在宅) 3,264 2,676 3,421 2,802 1,859
抗がん剤(病棟) 10,107 9,968 10,560 9,703 11,136
抗がん剤(外来) 15,945 17,277 18,283 20,891 20,972
一般薬 (病棟/外来) 11,622 10,351 10,057 14,368 10,837
放射性医薬品 764 850 791 529 531

③医薬品情報業務

医薬品情報部門では院内の医師や他の医療スタッフからの医薬品に関する問い合わせに対応している。また、医療情報システムにおける採用医薬品のマスタ管理、オンライン医薬品情報システムのメンテナンスを行っている。さらに、薬事委員会の庶務を担当し委員会の適切な運営等に当たるとともに、2019年4月からは医薬品の適応外使用審査事務局も併設した。なお、薬事委員会では厚生労働省の後発医薬品使用促進政策に基づき、2007年より後発医薬品の導入を開始し、2020年は32品目(51規格)を先発医薬品から後発医薬品へ切り替え、従来、後発医薬品数量シェア(置換え率)85%前後であったが2020年に入って90%前後に維持されるに至った。また院内における標準的薬物療法実践のためのフォーミュラリー作成を開始し3薬効群についてのフォーミュラリー作成を実施・院内に公開した。

④診療支援およびTDM(薬物血中濃度モニタリング)業務

診療支援部門では入院患者に対し、入院時の持参薬確認や処方された薬の薬効や副作用、使用上の注意等を説明するとともに、副作用等の発現状況の確認や医薬品を使用する上での相談に対応する等の業務(薬剤管理指導業務)を行っている。2017年以降、病棟薬剤業務の実施に伴い、薬剤管理指導業務に係る件数が著減したが、今年度から薬剤管理指導に注力し直す方針とし件数は大幅に増加した。また、ICU、CCU、PICU、ERなどの重症部門における医薬品の管理(調剤、処方監査・提案など)を行い診療に貢献している。病棟薬剤業務については加算取得に係る施設基準を満たすことが現状では困難なため申請を取り下げた状態にあるが、診療支援スタッフの増員および他部署からの診療参画により病棟診療支援業務を充実化し今後この加算について再取得の方向である。外来患者については薬剤師腫瘍外来を外来治療センター内に設置し、がん化学療法および緩和ケアを受ける患者への服薬指導等を実施している。また国立成育医療センターと連携し妊娠と薬外来を薬剤部・臨床薬理学部門の連携で2020年4月から開始された。さらにTDM業務においては抗菌薬や移植患者に対する免疫抑制薬の個別投与設計支援を中心にテーラーメイド医療に貢献している。

過去5年間における薬剤管理指導業務量およびTDM実施数
2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
病棟服薬指導患者数(人) 1,496 323 411 656 2,036
病棟服薬指導件数(件) 2,232 365 470 812 3,088
持参薬確認件数(件) 9,176 15,879 14,113 14,383 14,304
薬剤師腫瘍外来( 件) 2,671 3,047 3,216 4,538 4,235
TDM実施件数(件) 1,020 1,512 1,544 1,765 1,156

⑤薬品管理業務

医薬品管理部門では院内で使用する医薬品の安定供給および病棟に在庫する医薬品の管理に寄与している。また、2001年からは中央手術室に薬剤師1人を常駐させ、麻薬、毒薬、麻酔薬等の取り扱いに注意を要する医薬品の使用管理、血液製剤を中心とする特定生物由来製剤の記録管理を実施している。

⑥子ども医療センター薬剤部

子ども医療センター内に薬剤室を設置し、外来患者からのお薬相談、入院患者に対する服薬指導や医薬品管理等、医療スタッフへの医薬品情報提供も行い、小児領域での薬物治療に貢献した。

2)業務実績(2020年1月~12月)

①外来調剤に関すること

外来処方せん枚数(院内調剤) (枚) 55,222
注射処方せん枚数 (枚) 22,206
外来患者への薬剤情報提供件数 (件) 543
在宅療養用器材等交付件数 (件) 20,292
院外処方せん枚数(枚) 238,867
院外からの疑義照会受付件数(件) 25,292

②入院調剤に関すること

入院処方せん枚数(件) 308,211
注射処方せん枚数(枚) 189,665

③製剤に関すること

製剤総件数(件) 3,699
一般試験および水質検査件数 (件) 242

④医薬品管理・医薬品情報に関すること

医薬品情報室への問い合わせ件数(件) 307
医療スタッフ等への情報提供件数(件) 328

⑤治験に関すること

治験薬受け入れ件数(新規)(件) 15

3)その他

①医薬品の安全管理体制整備

近年医療事故が多数報告され、残念ながらその多くが医薬品に関連したものとなっている。薬剤部では2011年から病棟担当薬剤師が病棟スタッフを対象に危険薬(ハイリスク薬)の取扱いについての教育・指導を実施してきた。2016年4月から副薬剤部長1名が医療安全対策部を兼務、2020年からは薬剤部長が医薬品安全管理責任者、副薬剤部長が同副責任者となり医薬品にかかる安全・安心の医療実現のための管理・啓発活動を進めている。加えて、医療事故防止の徹底を図るため2017年4月からは主任薬剤師1名が医療の質向上・安全推進センター専従となり、院内における医療安全推進・医療の質の維持/向上に貢献している。

②チーム医療への参画

肝移植チーム、臨床腫瘍センター、ICT、緩和ケア、NST、褥瘡対策等への支援あるいはそのチームの一員として加わる形で積極的に参画し適正な薬物治療の実践に貢献している。また他部門との連携として医療の質向上・安全推進センターや感染制御部に専従薬剤師(主任薬剤師)を配置している。

③治験薬の管理

これまでの臨床試験センターが2013年4月からは"とちぎ臨床試験推進部"と組織改変されたが、薬剤部では引き続き治験薬の保管や調剤等を通じて適正な臨床試験(治験)の運営に協力した。

④実習生および研修生の受け入れ

2020年はCOVID-19感染拡大・蔓延のため前半、実習の受け入れを停止していたが、後半に受け入れを再開、国際医療福祉大学薬学部学生 合計20名(第III期 10名、第IV期 10名)の病院実務実習を行った。なおIV期の薬学生に関して2021年1月初旬からCOVID-19感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令となった関係で2週間実習を停止し、その後、オンライン実習にて対応を行った。

⑤地域・僻地医療に対する貢献

公衆衛生の向上に寄与する目的から薬剤部への見学者の積極的な受け入れを行った。また、地域の薬剤師会や近隣の保険薬局と連携し、がん薬物療法、フォーミュラリー、トレーシングレポートの活用等に関する研修会(Web)を実施した。

4.研究業績

(A)学術論文

  1. 奥田泰考品田 誠三瓶祐貴齋藤賢宏毛塚ちひろ星ちはる小林直人,山口博紀,藤井博文,須藤俊明:大腸がんにおけるTAS102の相対的治療強度と治療効果の検討 医療薬学 47巻1号 Page54-59(2021.01)
  2. 奥田泰考三瓶祐貴品田 誠高倉祐希菅 留理斎藤賢宏毛塚ちひろ星ちはる小林直人,藤井博文,須藤俊明:オピオイド誘発性便秘症へのナルデメジン開始時期と薬効の検討 日本緩和医療薬学雑誌13巻3号 Page81-84(2020.09)
  3. Okuda Y, Mikame Y, Shinada M, Yamaguchi H, Fujii H, Sudoh T. Assessment of Efficacy and Adverse Effects of Trastuzumab Biosimilar in Gastric Cancer. Gan To Kagaku Ryoho. 2020 Sep;47(9):1341-1344.

(B)学会発表

  1. 今井 靖:基調講演 プレシジョンメディスンにおける薬物療法の実践に向けて
    第50回日本病院薬剤師会関東ブロック大会 2020年10月(東京)
  2. 今井 靖:超高齢化社会における心房細動と静脈血栓塞栓症への抗凝固療法のあり方
    第62回日本老年医学会学術集会 2020年8月(東京)
  3. 清水 敦,荒川昌史,黒崎史朗,竹内瑞枝,齋藤暢是,稲田美和子,山本理栄,千葉さおり,佐藤清江,小松崎 香,丹波嘉一郎:腎癌下垂体転移術後の汎下垂体機能低下症に対する院内製剤レボチロキシン坐剤の使用経験と問題点 第25回日本緩和医療学会学術大会 2020年8月(web開催)

5.2021年の目標・事業計画等

  1. 診療支援体制・多職種連携の強化とセントラル業務の効率化・負担軽減
  2. 病院機能評価受審に向けた課題解決
  3. 採用医薬品の整理・在庫コスト削減・院内フォーミュラリーの確立
  4. 労働基準法改正に伴う時間外労働の削減
  5. 医療安全への取組強化
  6. 薬剤部の部署間連携・兼務の推進
  7. 薬剤管理指導件数増加と病棟薬剤業務実施加算再取得に向けた体制構築
  8. 保険調剤薬局との連携・情報共有と疑義照会簡素化
  9. 薬剤師の各世代に応じたキャリア形成・専門領域の深化

6.過去実績