脳卒中センター【アニュアルレポート】
1.スタッフ(2023年4月1日現在)
センター長 | 田中 亮太 |
---|
医員
脳神経内科
教授(兼) | 藤本 茂 |
---|---|
学内教授(兼) | 小出 玲爾 |
講師(兼) | 松薗 構佑 |
益子 貴史 | |
助教(兼) | 阿南 悠平 |
病院助教(兼) | 秋本 千鶴 |
鈴木 雅之 | |
シニアレジデント | 10名 |
脳神経外科
教授(兼) | 川合 謙介 |
---|---|
五味 玲 | |
益子 敏弘 | |
准教授(兼) | 中嶋 剛 |
学内講師(兼) | 石下 洋平 |
大谷 啓介 | |
内山 拓 | |
病院助教(兼) | 金子 直樹 |
黒田林太郎 | |
佐藤 信 | |
下井 章寛 | |
熊谷 真一 | |
シニアレジデント | 6名 |
血管内治療部
教授(兼) | 難波 克成 |
---|---|
病院助教(兼) | 檜垣 鮎帆 |
画像診断科
教授(兼) | 森 懇 |
---|---|
松木 充 | |
学内教授(兼) | 濵本 耕平 |
講師(兼) | 古川理恵子 |
篠崎 健史 | |
藤井 裕之 | |
病院講師(兼) | 中田 知佳 |
学内講師(兼) | 菊池 智博 |
大竹 悠子 | |
千葉英美子 | |
助教(兼) | 佐々木崇洋 |
國友 直樹 | |
病院助教(兼) | 中俣 彰裕 |
藤井 奈々 | |
益岡 壮太 | |
シニアレジデント | 10名 |
リハビリテーションセンター
学内教授(兼) | 森田 光哉 |
---|---|
講師(兼) | 飯島 裕生 |
中嶋 剛 | |
病院講師(兼) | 直井 為任 |
病院助教(兼) | 半田美樹子 |
シニアレジデント | 1名 |
脳卒中センターの特徴
自治医科大学附属病院脳卒中センターは、2008年4月に開設され、脳卒中の急性期治療を積極的に行うとともに、地域医療連携の中心として活動し、今年で14年目を迎えた。
当センターは、脳神経外科、脳神経内科、血管内治療部、救命救急センター、放射線科、リハビリテーションセンター、看護部、地域医療連携部で構成され、既存の各部門の効率的なネットワークを構築することにより運営されている。この体制により、総合的・効率的に脳卒中の診療を行っている。
対象疾患は、脳卒中急性期(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞)、一過性脳虚血発作、脳卒中の原因となる脳血管障害(脳動脈瘤、脳動静脈奇形、もやもや病、閉塞性脳血管障害など)、脊髄血管障害(くも膜下出血、梗塞、血管奇形など)、小児脳脊髄血管障害など、広範囲にわたる。当院は栃木県の脳卒中専門医療機関として認定を受けていたが、2019年からは脳卒中学会の1次脳卒中センター(PSC)に認定され、24時間体制で診療を行っている。
搬送された患者は、まず救命救急センターで初期評価ののち、出血性脳卒中は主に脳神経外科、虚血性脳卒中は主に脳神経内科が治療を行う。連携がスムーズになったことで、血栓溶解療法、急性期の外科手術および血管内治療を的確にかつ迅速に施行することが可能となった。病院到着からtPA静注まで30分以内に治療開始することが可能になってきており、LVO(Large VesselOcclusion)症例では血栓溶解療法後ただちに機械的血栓除去術を行うシームレスな連携が可能となっている。
急性期後は、近隣の急性期病院・回復期病院・療養病院・慢性期施設・維持期医療機関などと連携している。これには当初当センター主導で作成した「脳卒中地域連携パス」を用いた運用を行っていたが、2011年からは「栃木県脳卒中医療連携クリティカルパス」に移行している。
認定施設
- 日本脳卒中学会認定研修教育施設
- 日本脳神経外科学会認定施設
- 日本神経学会認定施設
- 日本脳神経血管内治療学会認定施設
- 日本脳卒中学会認定一次脳卒中センター
認定医
- 日本脳卒中学会専門医 田中 亮太 他
- 日本脳神経外科学会専門医 川合 謙介 他
- 日本神経学会専門医 田中 亮太 他
- 日本脳神経血管内治療学会専門医 難波 克成 他
- 日本リハビリテーション医学会専門医 森田 光哉
3.実績・クリニカルインディケーター
A)脳卒中入院患者数
2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|---|
脳梗塞 | 242 | 184 | 203 | 180 | 239 |
脳出血 | 76 | 81 | 77 | 63 | 55 |
くも膜下出血 | 51 | 35 | 45 | 52 | 45 |
合計 | 369 | 300 | 325 | 295 | 339 |
B)血栓溶解療法の施行数
2015年 | 6例 |
---|---|
2016年 | 17例 |
2017年 | 26例 |
2018年 | 20例 |
2019年 | 24例 |
2020年 | 22例 |
2021年 | 28例 |
2022年 | 28例 |
C)手術症例数
2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | |
---|---|---|---|---|
くも膜下出血 (開頭手術) |
8 | 20 | 16 | 13 |
くも膜下出血 (血管内治療) |
13 | 16 | 21 | 22 |
脳出血 (開頭血腫除去術) |
11 | 13 | 10 | 4 |
脳出血 (内視鏡治療) |
6 | 1 | ||
超急性期血栓回収 | 10 | 12 | 17 | 10 |
頸動脈ステント留置術 | 17 | 14 | 12 | 5 |
合計 | 59 | 75 | 82 | 55 |
D)主な検査
- 脳MRI/MRA
- 頭部CT
- 脳血管造影
- 頭頸部3DCTA
- 頸動脈超音波
- 経頭蓋超音波
- 経食道心エコー
- 下肢静脈エコー
- SPECT
E)脳卒中医療連携
栃木県脳卒中医療連携第3グループ急性期4病院の一つとして連携を取っている。このグループには7つの回復期病院と多数の維持期施設が含まれ、当センターは運営の事務局的役割も担っている。
4.2023年の目標・事業計画等
脳卒中は近年病態解明が進み、治療法も急速に進歩しているが、未だわが国の死因の4位、要介護原因の第2位を占めている。加えて、栃木県の脳卒中死亡率は非常に高く、当センターに求められている役割は非常に大きい。2018年末にいわゆる脳卒中・循環器病対策基本法が成立した。自治医科大学附属病院は、脳卒中学会認定する一次脳卒中センターの認定を受けているが、最終的には包括的脳卒中センター(Comprehensive StrokeCenter)としての役割を果たしていく。また院内のHigh Care Unit(HCU)の一部をStroke Care Unit(SCU)として運用中である。これまでと同様に、脳卒中の救急医療および一次予防・二次予防をさらに充実するために、センター内各部門の協力体制をこれまで以上に整えて、集学的治療・管理を行い、脳卒中医療水準の向上を図ってまいります。当院は国の事業である脳卒中・心臓病等総合支援センターモデル事業に採択され、生活期支援、両立支援など充実した支援を行える体制を整えました。新年度の目標は以下の通りです。
- 脳卒中患者の受け入れ年間500例を目指す。
- 地域医療機関、救急隊との連携を密にし、最短で最適な医療の実践を行う。
- 超急性期脳梗塞のrt-PA静注療法と血栓回収療法の症例を確実に増やし予後を改善する。
- 血管内治療や内視鏡手術等最先端な治療の実践。
- 神経超音波診断の実践と正確な確定診断と適切な再発予防治療の実践。
- 脳卒中・心臓病等総合支援センターを通じ近隣の医療機関、かかりつけ医との連携を深め、退院後患者の必要な支援と社会復帰に向けたスムーズな医療連携をさらに充実させていく。
脳循法の下、地域の脳卒中急性期医療の基幹病院として、また新たな脳卒中の研究開発を実践する大学病院として、両者の役割を確実に果たして参ります。