画像診断部【アニュアルレポート】
1.スタッフ(2023年4月1日現在)
部長 | 森 墾 |
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技師長 | 寺島 洋一 |
副技師長 | 芦崎 道太 |
松枝 勝浩 | |
大橋 俊之 | |
永見 健 | |
柴田 欣也 | |
診療放射線技師(総数) | 69名 |
画像診断部のスタッフは、放射線画像診断医、診療放射線技師、看護師、事務職員など、職種が異なる総勢100名を越す職員で構成されている。
2.画像診断部の特徴
画像診断部は増え続ける検査要望に応える形で各診療棟に広がりをみせている。特定機能病院として高度医療に対応するため、最新の医療機器を多数そろえ、検査結果はすべて電子カルテから閲覧可能としている。
近年加速度的に増大する画像情報を長期保管するため、PACSのVNAにテープ記録装置(dternity)を導入することにより、大量発生する画像データの長期保存に対応している。
血管内治療センターは心臓カテーテル装置3台を有し、CT付全身血管撮影装置、頭頸部血管撮影装置の5台運用となる。診療科からの検査および治療依頼、救急医療などに対応している。
一般撮影検査はすべての機器でデジタル化が完了し、FPDが主体となっている。FPDの導入により、低被ばく撮影および検査時間の短縮が可能となり、診療用放射線利用の最適化と検査効率の向上を果たしている。
X線CT装置は6台稼働しており、心臓検査等も含め1日200人以上の検査を実施している。また、3D画像作成により、患者説明や手術ナビゲーションなどにも利用されている。今後も3DWS利用範囲の拡大が見込まれ、対応するためにネットワーク型システム構築を行っている。
MRIは3T装置が2台、1.5T装置が3台の構成で検査対応しており、2週間程度の予約待ちで検査を受けることが可能となっている。
とちぎ子ども医療センターには、3.0T-MRI(1台:2022年度に1.5Tから3.0T装置に更新)、X線透視装置(1台)、外科用イメージ装置(1台)、および一般撮影装置が設置され、特に低被ばくに留意して検査を行っている。
核医学検査は、PET-CT1台とガンマカメラ3台(SPECT-CT2台、SPECT1台)が稼働している。PETCTは2017年9月の更新後も1日9件程度と順調に稼働しており2022年度は年間2154件(入院58件2.7%、健診センターからの検診PET48件、2.2%を含む)となっている。2005年のPET-CT導入からの検査数は約28,700件となっている。2018年11月にSPECTが1台更新され、新装置では脳血流シンチ、骨シンチを中心に検査を行っている。核医学検査の種類は多岐にわたり、脳が一番多 く23.2%、 続 い て 心 筋(22.7%)、 骨(18.9%)、 センチネル(8.6%)、消化器(6.7%)、腎臓(6.2%)、肺(4.5%)の順になっている。核医学の解析ソフトを積極的に取り入れ、脳血流の定量化や統計学的解析、ドパミントランスポーターの解析、骨のBone Scan Indexソフトの活用、心臓の機能解析ソフトやSPECT画像とCTとのFusion画像を作成している。また甲状腺等のRI治療も年間47件ほど行われている。全体として機能画像・機能検査であるPET-CT、核医学検査及びRI治療の重要性が示されている。
診療用放射線の安全利用に対応するために個人被ばく管理システムが導入され、医療放射線管理委員会への報告が迅速に行える体制を構築している。管理に関しては随時見直しを行い、最適化をはかっている。
他院との放射線画像の取り扱いはすべてデジタルデータ使用となる。持ち込まれた画像データはPACSへ取り込み閲覧可能とし、他施設への提供画像はDICOMデータでの光学ディスク出力としている。他院との地域連携も進み、不要な再検査の減少にも貢献しているものと思われる。
院外からの検査のみのオーダーも受け付けており(CT・MRI・核医学)、地域医療への協力も行われている。
先端医療技術開発センターでは大型動物イメージングコアにおいて、県内外の研究者への支援や技術協力を行っている。
地域社会振興財団と連携し、次世代の人材育成のために全国の診療放射線技師を対象とした研修を毎年企画運営し、好評を得ている。
3.画像診断部 依頼件数推移
4.2023年の目標・事業計画等
画像診断部では、安全で安心な医療の提供および高度医療への対応と貢献が必要と考える。スタッフの教育・研修については教育計画の見直しを進め、最適化をはかる。
感染対策を徹底しつつ検査対応を行い、予約待ちの期間が延長しないように努める。
医療法一部改正により、診療用放射線管理が導入された。管理組織の運営や職員への教育の実施が求められており、適正な実施に向け継続検討を行う。