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小児手術・集中治療部【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2022年4月1日現在)

部長 (兼・教授) 竹内  護
小児集中治療部長 (准教授) 多賀 直行
病棟医長 (助教) 永野 達也
医員 (学内准教授) 末盛 智彦
(助教) 永野 達也
病院助教 篠原 貴子
橘木 浩平

2.小児手術・集中治療部の特徴

小児手術・集中治療部は、2006年9月とちぎ子ども医療センターの開院とともに開設され、手術部門と小児集中治療部門の両面を持つ中央診療部門である。

手術部門は、清浄度クラス1000の手術室とクラス10000の手術室各1室の計2室で構成され、小児・先天性心臓血管外科、小児外科、小児泌尿器科の手術および小児科の全身麻酔下検査が行われている。

小児集中治療部門は、栃木県および周辺医療圏の重症小児患者を収容し、関連診療科と連携して集中治療およびその看護を行い、回復を図ることを目的としている。小児集中治療室(PICU)は、感染症対応可能な個室ベッド2床を含む8床のユニットとして運用されている。本PICUの特色として、先天性心疾患の外科的治療を周術期管理の面から全面的に支援していることである。麻酔・集中治療医と小児・先天性心臓血管外科医、小児循環器医が密接に連携して、新生児から年長児まで幅広い年齢層の先天性心疾患患者の診療、周術期管理にあたっている。

また、先天性心疾患以外の外科的疾患患者の周術期管理や、内科的疾患を持つ重症患者の集中治療も、関連各専門科と密接に連携を取り、限られた病床数の中で効率よく安全に診療を提供できるように鋭意努力している。

認定施設

  • 日本麻酔科学会認定病院
  • 心臓血管麻酔専門医認定施設
  • 日本集中治療医学会専門医研修施設

専門医等

(社)日本麻酔科学会指導医 竹内  護
多賀 直行
末盛 智彦
(社)日本麻酔科学会専門医 永野 達也
篠原 貴子
橘木 浩平
厚生労働省麻酔科標榜医 竹内  護 他6名
日本心臓血管麻酔学会専門医 多賀 直行
日本集中治療医学会専門医 竹内  護
多賀 直行
末盛 智彦
永野 達也
橘木 浩平
日本救急医学会専門医 永野 達也
日本小児科学会専門医 橘木 浩平
日本周術期経食道心エコー認定医 多賀 直行
末盛 智彦

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)手術・検査等全身麻酔数(2021/1/1-12/31)

小児・先天性心臓血管外科 112例
小児外科 236例
小児泌尿器科 127例
小児全身麻酔下検査・治療など 87例
  内訳
  内視鏡検査・治療 28例
  心臓カテーテル検査・治療 50例
  MRI・PET麻酔 9例
その他 7例
合計 569例

2)PICU入室患者数(2021/1/1-12/31)

小児科 101例
小児・先天性心臓血管外科 78例
小児外科 35例
小児脳神経外科 13例
移植外科 16例
小児整形外科 6例
形成外科 7例
小児耳鼻咽喉科 6例
小児泌尿器科 1例
歯科口腔外科・他 4例
合計 267例

3)死亡症例

死亡症例  3例(実死亡率1.12%)

PIM3スコアによる予測死亡率  2.64%

SMR(標準化死亡比)  0.42

4)主な処置

人工呼吸 142例
ECMO・PCPS 2例
血液浄化 4例
一酸化窒素吸入療法 13例
腹膜透析 6例

5)病床利用率など(2021/1/1-12/31)

病床利用率 65.3%
病床稼働率 74.5%
平均在院日数 7.1日

4.2022年の目標・事業計画等

手術部門では、2021年の全身麻酔件数は前年と比較して、ほぼ同数であった。小児の出張麻酔の数は昨年よりやや減少したが、例年と比較して大きな変化はない。しかし、小児の検査や処置などに鎮静や呼吸循環動態の監視を依頼される症例が増加しており、麻酔科医として手術室外で医療チームへの参加を求められる機会が増加している。昨年は重大なインシデント・アクシデントは生じておらず、2022年も安全な麻酔体制を提供・運用できるように努力し、手術室外での医療安全にも貢献したい。

PICU部門では、年間入室患者数が前年に続いてやや減少した。これはCOVID-19重症感染者の発生に対応するため、余裕のある病床運用を行ったためである。そのため、2021年の病床利用率と病床稼働率は前年と比較して低下した。平均在院日数は7.1日で前年とほぼ同様であった。PIM3スコアによる予測死亡率は2.64%で前年より高く、より重症な患者の入室が多かったと考えられるが、標準化死亡比(SMR:実死亡率/予測死亡率)は0.42と前年よりも低下している。これは、PICUでの集中治療管理が、前年よりもさらに重症患者の救命・回復に貢献していることを示している。今後も標準化死亡比<1を維持し、より安全で高度な医療を提供することによって重症患者の周術期管理と救命に貢献したい。

また、2021年は新生児の実死亡率が予測死亡率を下回り、重症新生児の救命に貢献することができた。重症新生児の救命はこれまでの懸案事項であり、2022年も重症新生児の救命に貢献したい。

5.過去実績