小児移植外科[アニュアルレポート] | 病院のご案内 | 自治医科大学附属病院
病院のご案内
  1. トップページ
  2. 病院のご案内
  3. アニュアルレポート
  4. 小児移植外科

小児移植外科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2020年4月1日現在)

科長 (学内教授) 佐久間康成
外来医長 (准教授) 大西 康晴
医局長 (講師) 眞田 幸弘
医員 (助教) 岡田 憲樹
(病院助教) 平田 雄大
宮原  豪
(非常勤講師) 水田 耕一
松本 光司
シニアレジデント 1名

2.診療科の特徴

当診療科の特徴は、

  1. 病院をあげた支援体制のもと、新生児から成人に対応できる肝移植施設
  2. 年間症例数は本邦の小児生体肝移植の約15%
  3. 胆道閉鎖症、OTC欠損症、メープルシロップ尿症、新生児肝移植などに対する肝移植数が本邦有数
  4. 消化器内科(小腸鏡治療)や放射線科(IVR)と連携した低侵襲の合併症治療
  5. 移植後10年生存率(約95%)が全国平均と比べ約10%高く本邦最高
  6. 永続的な外来管理(現在、肝移植後患者は約380名)

などである。

当院で肝移植をされた患者さんは、令和元年12月までに、20都道府県から332例であり、東日本の肝移植の拠点施設としての役割を果たしている。

認定施設

  • 脳死肝移植認定施設(全国25施設)
  • 脳死小腸移植認定施設(全国12施設)

専門医、指導医

日本外科学会指導医 佐久間康成、眞田 幸弘
日本外科学会専門医 大西 康晴、岡田 憲樹、平田 雄大、宮原  豪
日本移植学会認定医 佐久間康成、眞田 幸弘、大西 康晴、平田 雄大
日本肝臓学会暫定指導医 眞田 幸弘
日本肝臓学会専門医 眞田 幸弘、岡田 憲樹、平田 雄大
日本消化器外科学会指導医 佐久間康成、眞田 幸弘
日本消化器外科会専門医 岡田 憲樹、平田 雄大
日本肝胆膵外科学会高度技能指導医 佐久間康成
日本内視鏡外科学会技術認定医 佐久間康成
消化器がん外科治療認定医 佐久間康成、眞田 幸弘、岡田 憲樹、平田 雄大
日本消化器病学会専門医 眞田 幸弘
日本超音波医学会指導医 眞田 幸弘
日本小児栄養消化器肝臓学会認定医 眞田 幸弘
日本消化器内視鏡学会指導医 佐久間康成
日本臨床腎移植学会認定医 佐久間康成
日本膵臓学会指導医 佐久間康成

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新来患者数・再来患者数・紹介率

新来患者数 47人
再来患者数 2,253人
紹介率 30.9%(移植外科全体のデータ)

2)入院患者数(病名別)

病名 患者数
肝移植後 76
肝移植後後門脈狭窄 1
肝移植後後胆管狭窄 8
肝移植後後胆管炎 8
肝移植後後肝障害 24
肝移植後腸閉塞 3
消化管出血 1
急性胃腸炎 6
腎盂腎炎 1
胆管炎 2
食道静脈瘤 1
発熱 2
腎盂腎炎 1
肝移植ドナー 17
胆道閉鎖症 17
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症 1
オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 2
メープルシロップ尿症 1
肝紫斑病 1
C型肝硬変 2
原発性硬化性胆管炎 3
自己免疫性肝炎 2
自己免疫性肝炎+原発性胆汁性胆管炎 2
原因不明肝硬変 1
グラフト肝不全 6
wilson病 2
Budd-Chiari症候群 1
先天性胆道拡張症 1
合計 193
子どもセンター 91 (47%)
附属病院 102 (53%)

3-1)手術症例病名別件数

病名 患者数
肝移植ドナー 14
胆道閉鎖症 7
肝移植後胆管狭窄 7
グラフト肝不全 5
腹腔内出血 3
腹腔内膿瘍 3
肝移植後 2
肝移植後後門脈狭窄 2
自己免疫性肝炎+原発性胆汁性胆管炎 1
Budd-Chiari症候群 1
肝移植後肝静脈狭窄 1
肝移植後後胆管炎 1
肝移植後門脈閉塞 1
オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 1
原発性硬化性胆管炎 1
wilson病 1
肝紫斑病 1
呼吸不全 1
進行性家族性肝内胆汁うっ滞 1
胆管空腸吻合不全 1
腹壁瘢痕ヘルニア 1
食道静脈瘤 1
合  計 53

3-2)手術術式別件数・術後合併症件数

術式 患者数
生体肝移植 14
脳死肝移植 2
  胆道閉鎖症 6
  グラフト肝不全 4
  進行性家族性肝内胆汁うっ滞症 1
  オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 1
  肝紫斑病 1
  Wilson病 1
  原発性硬化性胆管炎 1
  自己免疫性肝炎+原発性胆汁性肝硬変 1
肝移植ドナー 14
  肝外側区域切除術 5
  拡大肝左葉切除術 2
  肝右葉切除術術 6
  肝後区域切除術 1
血管合併症 4
  門脈IVR 2
  門脈再吻合術 1
  肝静脈IVR 1
胆管合併症 11
  小腸鏡+胆管IVR 9
  PTCD 1
  PTCD入れ替え 1
その他 13
  洗浄ドレナージ 2
  開腹止血術 2
  洗浄ドレナージ+腸瘻造設術 1
  試験開腹術 1
  皮膚閉鎖 1
  気管切開術 1
  腹腔鏡下肝生検 1
  下部消化管内視鏡 1
  上部下部消化管内視鏡 2
  食道静脈瘤結紮術 1
合  計 58

4)化学療法症例・数

該当なし

5)放射線療法症例・数

該当なし

6)悪性腫瘍の疾患別および臨床進行期別ならびに治療法別治療成績

該当なし

7)死亡症例

1名(原発性胆汁性胆管炎)

8)その他の治療症例・数

該当なし

9)主な処置・検査

1)腹部超音波検査(含むカラードップラー)

肝移植術前術後の入院症例に対し定期的に行った。特に移植術後の症例は1日2~3回施行し、術後合併症の早期発見に努めた。入院患者(1日平均6人)に対しては、早期合併症の検索のため平均3人/日のペースで施行した。外来患者(1日平均10人)に対しては、遅発性合併症の検索のため平均3人/日のペースで施行した。

2)肝生検(2019年:計139件/年)

移植手術時の全身麻酔下、開腹下での肝生検(楔状切除)16件、血管・胆管合併症の処置など全身麻酔時の肝生検(針生検)に加え、肝移植前の肝機能評価や酵素活性評価、肝移植後の肝機能障害(急性拒絶反応)、肝移植後プロトコール肝生検(術後2、5、10、15、20年)、及び他科からの依頼症例に対し、全身麻酔下、静脈麻酔下、局部麻酔下において、肝生検(針生検)123件を施行した。

3)胆道造影(2019年:計5件/年)

こども医療センターまたは自治医大附属病院放射線部において、術後外ステントチューブ挿入症例および肝移植後胆管狭窄によるPTCD挿入症例に対し、PTCDカテ交換、PTCDカテ抜去を含め、胆道造影を施行した。

4)カテーテル挿入(2019年:計11件/年)

中心静脈カテーテル挿入2件、ブラッドアクセスカテーテル挿入3件、抹消挿入式中心静脈カテーテル挿入6件を施行した。

5)ドレーン処置(2019年:計23件/年)

肝移植後の胸水貯留および腹水または腹腔内膿瘍症例に対し、超音波ガイド下または透視下による腹腔穿刺は18件であった。その他、肝移植前の胸腹水貯留症例に対し、超音波ガイド下または透視下による胸腔・腹腔穿刺を5件施行した。

10)カンファランス症例

1)病棟・外来症例カンファランス

平日の朝夕2回、全入院患者においてクリニカルカンファランスを実施した。外来で問題があった症例や、他院や患者からの問い合わせも、担当者が報告しスタッフ全員への情報共有を行った。個々の問題については、関係する他科医師と合同での症例検討を行った。

2)肝移植適応評価カンファランス

肝移植予定の2~3ヶ月前に、成人肝移植症例と小児の問題症例に対して、消化器内科、移植外科、消化器外科、麻酔科、止血血栓部、および個々の問題に関連する部署を招聘し、肝移植の適応評価のためのカンファランスを行った。

3)肝移植手術カンファランス

肝移植7日前に、全ての肝移植症例に対し、移植外科、消化器外科、麻酔科、中央手術部看護師による術中・術後のあらゆるバリエーションを想定した手術カンファランスを施行した。

4)肝移植術前カンファランス

肝移植2日前に、全ての肝移植症例に対し、麻酔科、ICU、消化器外科、止血血栓研究部、中央手術部・ICU看護師、薬剤部、輸血部らと、肝移植術前カンファランスを施行した。

5)合併症カンファランス

術後の合併症にて入退院を繰り返している症例や、複雑な合併症例例に対して、治療方針の決定のため、他科を交えたカンファランスを行った。

6)CPC

該当なし

7)大学院特別講義

該当なし

11)キャンサーボード

該当なし

4.2020年の目標・事業計画等

1)臨床面での発展

・小児、成人肝移植症例のさらなる増加。
・成人並びに再移植症例への免疫抑制療法の検討。
・新生児ヘモクロマトーシスに対する胎内ガンマグロブリン大量静注療法の臨床試験。

2)研究面での発展

・肝虚血再灌流障害とフェロプトーシス
・境界グラフト臓器保存の研究
・肝線維化進展機序の解明
・小児肝・神経疾患におけるオキシステロールの病態解析とバイオマーカーとしての可能性
・同種免疫性疾患と母体免疫細胞機能・代謝産物との関連解析
・小児生体肝移植後のテロメア長によるグラフト肝年齢の解明
・消化器領域における新規組織接着剤の開発と創傷治癒
・ アルコール性肝不全に対する肝移植治療における心理社会的適応評価法の開発

5.過去実績