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小児画像診断部【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2022年4月1日現在)

部長(教授) 松木  充
副部長(講師) 古川理恵子
医員(病院助教講師) 中田 和佳

2.特徴

医療が臓器別に専門分化が進む現在、全身を診る唯一の診療科が小児科であるが、我々小児画像診断部もそれにならい、全身の疾患を画像診断の対象としている。その特徴を一言で言えば「適応から判断し検査計画の立案から始まる画像診断」となる。そのために、超音波検査も装置を自前で所有し引き受けている。

小児画像診断部は自前のカンファレンス室を有している。JUMP(電子カルテ)、PACS(画像診断電子保存供覧システム)を大画面プロジェクター(DICOM対応)で映写し、出席者に供覧して議論することが可能である。このカンファレンス室ではとちぎ子ども医療センターの医師と定期画像診断カンファレンス[3-2)参照]を開催し、依頼医との関係が「オーダーと読影レポートの往復」で終わらない工夫をしている。

専門医

日本医学放射線学会画像診断専門医 松木  充
古川理恵子
中田 和佳
日本核医学会核医学専門医 中田 和佳
日本医学放射線学会研修指導者 松木  充
古川理恵子
中田 和佳

3.診療実績(検査を行い読影レポートを付したもの)

1)検査件数

単純X線写真 2,685
CT 384
超音波 588
MRI 1,146
このうち、胎児MRI 30件
麻酔科医による全身麻酔下でのMRI 3件
1泊検査入院によるMRI 45件
他院検査の取り込み画像に対するレポート作成 7件

鎮静を試みたが入眠剤せずMRIを行った検査実績を下に示す:

鎮静を試みた検査件数 412件
(全検査件数は1,258件註1]
入眠せず検査が中止(のべ) 24件註2]
中止割合 5.8%
1日平均中止件数 0.29件(有効数字2桁)
検査中止までの平均拘束時間 2時間1分
検査中止までの最大拘束時間 210分(3時間半)
検査中止2回以上かつ2時間以上の待機を要した事例 1件

註1] 中止となった検査を含む。
註2] 鎮静せずに検査を試みたが静止が得られなかった、あるいは鎮静剤服用前の絶飲食時間が守れなかった、患者都合などによる中止が計46件あった。

麻酔科医による全身麻酔下でのMRI 6件

2)画像診断カンファレンス

(会場:小児画像診断部カンファレンス室)

小児科 月曜、木曜 13:00から
小児外科 月曜 16:00から
尿路(小児科、小児泌尿器科) 火曜 17:30から
小児整形外科 月曜 17:30から
NICU 金曜 12:45から
Tumor board 第3月曜 15:30から

その他症例により関係各科が随時時間を調整し集まっている。

3)附属病院放射線科との関係

血管造影検査、血管内治療、IVRは附属病院放射線科が担当している。

4)機器更新

なし。

4.2022年の目標・事業計画等

1)MRIの更新: 未達のため、来年度も継続。

子ども医療センターは2022年2月で開設後15年の時間が経過した。この間1.5T(テスラ)のMRI装置を更新されることなく使い続けている。小児の脳神経領域の画像診断検査には3T-MRIが欠かせない装置となっている。現在、3T-MRIが適応となる症例は附属病院中央放射線部にて検査を受けているが、そこ(附属病院中央放射線部)は子ども医療センターから最も遠く離れた部署の一つである。入眠まで患者と家族が待機する部屋がない。MRI検査の半数近くを鎮静下で行う現状では、3T-MRIを使った検査は実際上困難な状況にある。

MRIの大口需要家である小児科は初代からの診療科長4人のうち3人が神経学を専門としている。現診療科長の山形教授もご専門は神経学である。また小児脳神経外科は自治医科大学とちぎ子ども医療センターの標榜科の1つとなっており、五味教授が孤軍奮闘しておられる。

県内医療機関からの紹介患者が3T-MRIで撮影された画像を持参して来院することが稀でなくなっている。北関東における小児医療の拠点との自負が自己満足で終わらせないために、3T-MRI装置への更新は急務であると考えている。

2)小児画像診断部MRIの収益改善

鎮静下でのMRI検査の効率改善、安全性向上、入院による収益改善を目的として2019年に小児MRI入院検討WGを立ち上げ(座長・小児画像診断部副部長・古川)、2021年にかけて検討を行ってきた。これにより、2021年は45件のMRI検査入院を行った。1泊2日の入院によって医療収入が向上するだけではなく、次のような利点が挙げられる。例えば、静注薬による鎮静によって入眠に至るまでの待機時間の短縮が可能となり、これによって放射線部における検査効率は向上した。また、眠剤使用前は絶食となるため乳幼児では脱水が危惧されていたが、あらかじめ点滴が確保されていることにより脱水の予防もできる。さらに、検査前後の児の観察を病棟スタッフに行ってもらうことで、眠剤投与による影響の有無を確実に評価することができるため、安全性が向上した。

今後、さらに診療科およびメディカルクラークなどと連携し、入院以外の検査についても、検査(準備段階から)の効率改善、患者とその家族への説明の充実を図っていきたいと考えている。

5.過去実績