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アレルギー・リウマチ科【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2023年4月1日現在)

科長 (教授) 佐藤浩二郎
副科長 (学内准教授) 長嶋 孝夫
外来医長 (学内准教授) 長嶋 孝夫
病棟医長 (助教) 石澤 彩子
医員 (教授) 岡崎 仁昭
佐藤 健夫
(学内教授) 松山  泰
(講師) 釜田 康行
(助教) 中村  潤
山本翔太郎
病院助教   日下 寛惟
シニアレジデント   4名

2.診療科の特徴

当科はアレルギー疾患(薬物アレルギー、食物アレルギー)・関節リウマチ・その他の膠原病を専門としている。膠原病は多臓器に病変がおよぶ疾患である。また中心となる治療法が免疫抑制療法であることから、合併症として日和見感染をはじめとする感染症を引き起こす頻度が高い。そのため全身状態の把握・管理能力が必要とされる。全身管理は内科医にとってもっとも重要な課題であり、レジデント教育において、当科がもっとも力を注いでいるポイントでもある。

当科で生物学的製剤を導入した患者の多くでは非常に満足できる治療効果が得られており、後述する病診連携により地域医療に大きく貢献している。さらに治験にも開発段階から積極的に関わってきた。最近は生物学的製剤に加えてJAK阻害薬が関節リウマチの治療に用いられるようになり、また、生物学的製剤が関節リウマチ以外の疾患にも用いられるようになるなどリウマチ・膠原病治療の戦略はますます多彩で複雑なものとなっている。その結果として患者の生活の質は確実に向上しており医療スタッフのやりがいにもつながっている。その一方で感染症の早期発見・治療は非常に重要な課題である。近年使用可能なJAK阻害薬は急激に増えている。この薬剤は悪性腫瘍の発生など長期的な有害事象についての懸念が完全には払拭されていないため、導入時のスクリーニング検査の必要性は生物学的製剤の場合と同様、あるいはそれ以上と考えられる。

生物学的製剤やJAK阻害薬による関節リウマチの治療の実践には多くのマンパワーと時間を必要とする。これらの薬剤による治療を当科で多くの患者に実施できているのは県内各所の診療所との病診連携(栃木リウマチネットワーク)の寄与が大きい。患者の紹介を受け、初期治療を当科が行い、安定した段階で連携施設での治療へ移行する。生物学的製剤およびJAK阻害薬導入時のスクリーニングも大学病院で行うことが望ましいと考えている。当科でも数ヶ月に一度程度で併診を継続し、重篤な感染症などの際には速やかにコンサルトを受け、必要に応じて入院加療を行う。そのことで患者は診療所と大学という利便性と安全性の両面を確保できている。患者にも十分納得が得られ、また少ないマンパワーの当科においても、治療困難な重症例に注力することができた。この栃木リウマチネットワークにはおよそ100の施設(診療所)が参画している。

アレルギー・リウマチ科は比較的平均在院日数が多い診療科である。2022年の当科の在院日数の平均値は20.4日、中央値は14日であった。極めて入院期間が長くなる一部の難治病態の患者は存在するものの、平均在院日数は前年より3日ほど短縮されている。中央値には変化がない。

認定施設

  • 日本リウマチ学会教育施設
  • 日本アレルギー学会教育施設

認定医

総合内科専門医 佐藤浩二郎
岡崎 仁昭
佐藤 健夫
長嶋 孝夫
松山  泰
中村  潤
石澤 彩子
山本翔太郎
齊藤 圭介
アレルギー学会指導医 岡崎 仁昭
佐藤 健夫
釜田 康行
アレルギー学会専門医 岡崎 仁昭 他5名
リウマチ学会指導医 佐藤浩二郎
岡崎 仁昭
佐藤 健夫
長嶋 孝夫
釜田 康行
中村  潤
石澤 彩子
山本翔太郎
リウマチ学会専門医 佐藤浩二郎 他9名

3.診療実績・クリニカルインディケーター

1)新患患者数・再来患者数・紹介割合

新患患者数 432人
再来患者数 17,242人
紹介割合 96.4%

2)入院患者数(病名別)

病名 患者数
関節リウマチ 91
血管炎症候群 73
全身性エリテマトーデス 64
炎症性筋疾患 31
強皮症・CREST症候群 21
シェーグレン症候群 20
アレルギー疾患 9
IgG4関連疾患 8
成人Still病 7
混合性結合組織病 5
再発性多発軟骨炎 2
その他 36
合計(重複あり) 367

3)手術症例病名別件数 0件

4)合併症例

ICU入室症例 8人
緊急入院率 123/339(36.3%)

5)死亡症例・死因・剖検数・剖検率

間質性肺炎 11人
感染症 4人
肺胞出血 1人
虚血性心疾患 1人
腎不全 1人
計18人 (剖検3人、剖検率16%)

6)主な検査・処置・治療件数

(他科依頼含む)
皮膚生検 9件
腎生検 7件
筋・筋膜生検 6件
側頭動脈生検 4件
リンパ節生検 3件
鼻腔生検 3件
後腹膜生検 2件

7)カンファレンス症例

(1)診療科内

木曜日に、死亡症例、外来および入院の問題症例、病理カンファを適宜開催

(2)栃木リウマチネットワーク講演会を通じて、WEBにて当科、獨協医大リウマチ・膠原病内科、上都賀総合病院内科ならびにネットワーク参加施設にて意見交換を実施

(3)小児科との移行症例カンファレンスを適宜開催

(4)病棟連絡会を定期的に開催

8階東病棟看護師、皮膚科医師、アレルギー・リウマチ科医師で、隔月に合同カンファレンスを開催

4.2023年の目標・事業計画等

レジデント教育の充実と若いリウマチ医の育成を継続する。

移行期医療を充実するため、小児科と移行期医療カンファレンスを継続する。

例年行われていた当科、獨協医大リウマチ・膠原病内科、上都賀総合病院内科との3施設合同カンファレンスはCOVID-19の流行のためもあり、2021年にはオンラインで実施することができたが2022年度はできていない(研究会などを通じた交流は続いている)。今後合同カンファレンスを、可能であれば対面で再開したい。

病診連携の要諦である栃木リウマチネットワークについても、オンラインのセミナーは適宜開催できている。今後も継続し、可能な限り対面での活動を再開したい。また、日本リウマチ友の会栃木支部と全国膠原病友の会栃木県支部との連携も2023年度には対面で再開予定である。

当科は平均在院日数が長く、このためもあって新入院患者数が設定された目標値と大きく乖離しているのが現状である。入院期間を急激に短縮することは難しいため、2023年は新入院患者数380人/年を目標にしたい。

5.過去実績