生殖医学センター(不妊治療・体外受精センター)【アニュアルレポート】
1.スタッフ(2024年4月1日現在)
| センター長 | 左 勝則 |
|---|---|
| 教授 | 藤原 寛行 |
| 外来医長 | 左 勝則 |
| 病院助教 | 大橋 麻衣 |
| 香川 景子 | |
| 豊田 祥子 | |
| シニアレジデント | 1名 |
2.生殖医学センターの特徴
生殖医学センターは2007年4月に開設され、不妊症(一般不妊治療・生殖補助医療)・不育症診療を行っている。
不妊症診療:不妊症の原因は男性側が約50%、女性側が約65%とされている(重複あり)。従って夫婦各々を診察し、泌尿器科とも連携しながら不妊症の原因を明確にしたうえで治療を行っている。また不妊治療後の妊娠に際し、産科との連携体制を整えている。
生殖補助医療:卵子や精子などの配偶子を体外で操作する治療法を生殖補助医療(ART)と称する。当院では一定水準の妊娠率を確保しながら、卵巣過剰刺激症候群や多胎妊娠等の合併症を最小限にすることを目標に、体外受精(IVF-ET)、顕微授精(ICSI)、胚凍結保存や胚移植を行っている。また、当院小児科・産科・遺伝カウンセリング室と連携し、重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)を行える体制を構築している。
不育症診療:妊娠はするが継続できない、習慣流産・反復流産の診断・治療を行っている。
がん・生殖医療:若年癌患者に対する癌治療は、その内容によっては妊孕性を失う。当院では妊孕性温存を目的とした精子や卵子、受精卵の凍結保存が可能である。
施設認定
日本産科婦人科学会
- 体外受精・胚移植の臨床実施に関する登録施設
- 顕微授精に関する登録施設
- ヒト胚および卵子の凍結保存と移植に関する登録施設
- 医学的適応による未受精卵子、胚(受精卵)の採取・凍結・保存に関する登録施設
日本生殖医学会
- 生殖医療専門医制度認定研修施設
- 生殖医療専門医制度研修連携施設
その他
- 栃木県指定妊孕性温存療法実施医療機関(検体保存機関および温存後生殖補助医療実施医療機関)
- 2023年度学術貢献施設(日本受精着床学会)
専門医等
日本生殖医学会認定
| 生殖医療専門医 | 左 勝則(産婦人科) |
|---|---|
| 藤原 寛行(産婦人科) | |
| 安東 聡(泌尿器科) | |
| 腹腔鏡技術認定医 | 左 勝則(産婦人科) |
| 臨床遺伝専門医 | 左 勝則(産婦人科) |
日本生殖心理学会認定
| 生殖医療相談士 | 四反田由紀 |
|---|---|
| 日本卵子学会認定胚培養士 | 上代 傑 |
| 日本不妊カウンセリング学会認定体外受精コーディネーター | 上代 傑 |
3.実績・クリニカルインディケーター
1)新来患者数・再来患者数・紹介割合
| 新来患者数 | 不妊233人 | |
|---|---|---|
| 不育19人 | ||
2)入院患者数(病名別)
| 病名 | 患者数 |
|---|---|
| 不妊治療後流産 | 26 |
| 帝王切開瘢痕症候群 | 0 |
| 異所性妊娠 | 2 |
| 卵巣過剰刺激症候群 | 2 |
| 合計 | 20 |
3-1)手術症例病名別件数
| 病名 | 人 数 |
|---|---|
| 子宮筋腫合併不妊症 | 5 |
| 良性付属器腫瘍合併不妊症 | 12 |
| 子宮内膜ポリープ合併不妊症または 粘膜下筋腫合併不妊症 |
57 |
| 流産 | 19 |
| 帝王切開瘢痕症候群 | 0 |
| 異所性妊娠 | 2 |
| 合計 | 95 |
3-2)手術術式別件数・術後合併症件数
| 症例数 | 合併症件数 | 再手術症例数 | |
|---|---|---|---|
| 子宮筋腫核出術 | 5 | 0 | 0 |
| 付属器手術(腹腔鏡) | 11 | 0 | 0 |
| 付属器手術(開腹) | 1 | 0 | 0 |
| TCR | 57 | 0 | 0 |
| 子宮内容除去術 | 19 | 0 | 0 |
| 帝王切開瘢痕症候群修復術 | 0 | 0 | 0 |
| 卵管切除術 | 2 | 0 | 0 |
| 合 計 | 95 | 1 | 0 |
4)ART処置件数
採卵325件、新鮮胚移植24件、凍結融解胚移植393件
5)妊娠数
一般不妊治療53名、ART141名
6)検査
子宮卵管造影 64件、子宮鏡 218件、精液検査 1,376件など
7)妊孕性温存療法
卵子凍結5件、精子凍結9件、胚凍結3件
4. 2024年の目標・事業計画等
医療安全・効率的な人員配置および業務配分を目標とする。
生殖医学センター 達成状況自己評価2023
- 医療安全
インシデント:1件 - 妊娠率の向上
胚移植時にヒアルロン酸高含有移植用培養液を使用したことで、凍結融解胚移植における妊娠率が向上した。
より質の高い生殖医療の提供に努めたい。
