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輸血・細胞移植部【アニュアルレポート】

1.スタッフ(2024年4月1日現在)

部長 (教授) 藤原慎一郎
医員 (助教) 山本 千裕(兼)
副技師長 大槻 郁子
他 臨床検査技師 10名
造血幹細胞移植コーディネーター 1名
業務補助員 2名

2.輸血・細胞移植部の特徴

当部は、輸血業務と細胞移植業務の2つの業務を行っている。日本輸血・細胞治療学会の輸血認定医師1人と輸血認定検査技師4人を擁し、専門性の高い輸血検査と適正な輸血療法の推進を行っている。輸血業務は輸血・細胞移植部所属の臨床検査技師による24時間体制で行っており、時間外の輸血依頼に対しても迅速かつ的確な対応をとっている。また、臨床支援として、血液製剤の分割や置換血小板などにも対応している。血液製剤の適正使用については、血液製剤・アルブミン製剤の使用状況などを基に、輸血療法委員会(年6回開催)で討議し、適正使用の推進を図っている。副作用発生状況などを報告している。

自己血貯血と末梢血幹細胞採取は、輸血検査室に隣接した自己血ルームで実施している。自己血採血に係る業務はオーダリングシステムを取り入れ、外来所属の看護師が自己血採血に係る業務全般を担当している。末梢血幹細胞採取についてはチーム医療を実施し、採取装置の操作は臨床工学部の技士が担当し、採取中の患者ケアは看護師が担当、採取した細胞は、当部の技師が部内の細胞プロセシング室にて凍害防止処理を施し、-140℃の超低温フリーザーで保存管理している。また、臍帯血移植については液体窒素タンクを常備し、臍帯血バンクから取り寄せた臍帯血を一時的に保存し、移植日に備えて管理している。

造血幹細胞移植は凍結保存している末梢血幹細胞や臍帯血の解凍を行い、同種血の血液製剤同様にオーダリングシステムと部門システムにて依頼、払い出し、輸注まで管理している。

施設認定

日本輸血・細胞治療学会 輸血機能評価認定制度(I&A制度)認定施設
日本適合性認定協会 ISO15189 臨床検査室 認定施設

認定医

日本輸血・細胞治療学会 輸血認定医   藤原慎一郎、山本 千裕

輸血認定検査技師

日本輸血・細胞治療学会 認定輸血検査技師   大槻 郁子 他3名

細胞治療認定管理師

日本輸血・細胞治療学会 細胞治療認定管理師   藤原慎一郎 他2名

3.実績・クリニカルインディケーター

A)検査件数(2023年1~12月)

検査項目 件数
血液型検査 19,674
不規則抗体検査 19,398
HLA抗体スクリーニング検査 436
HLA抗体クラスⅠ同定検査 259
HLA抗体クラスⅡ同定検査 322
移植前HLA抗体検査 115
HLA抗原検査 クラスⅠ 128
HLA抗原検査 クラスⅡ 128
リンパ球クロスマッチ検査 54
細胞表面マーカー検査 1,489
交差適合試験(単位数) 78,304

B)血液製剤使用量

赤血球液 15,853単位
新鮮凍結血漿 10,615単位
濃厚血小板 42,075単位
5%アルブミン 250mL 2384本
5%アルブミン 100mL 365本
20% アルブミン20mL 86本
25% アルブミン25mL 5,941本

C)移植業務

末梢血幹細胞 採取 58件
末梢血幹細胞 移植 51件
骨髄血(バンク+同種)採取 9件
骨髄血 移植 17件
臍帯血移植 7件
リンパ球採取(CAR-T) 24件
CAR-T 輸注 22件

D)血液製剤分割

赤血球液 120件
新鮮凍結血漿 18件
濃厚血小板 26件

4.研究業績

A)原著論文及びその他の論文

  1. 黒瀬 幸汰,岸野 光司,古川 泳玉,今野 雄斗,武井 生成,秋山 小雪,秋山 友子,進藤 聖子,尾島 佐恵子,小林 美佳,大槻 郁子:ABO血液型不適合生体肝移植後にpassengerlymphocyte syndromeを発症した1例,臨床検査栃木,第17巻 第1号,P26-29,2023
  2. 尾島佐恵子,岸野 光司,大槻 郁子,武井 生成,黒瀬 幸汰,古川 泳玉,今野 雄斗,秋山小雪,秋山 友子,進藤 聖子,小林 美佳,伊藤祥子,山本 千裕,藤原慎一郎:発作性夜間ヘモグロビン尿症における非血縁者間骨髄移植の一例,自治医科大学 臨床検査技師年報,第46号,P14-15,2023年度

B)学会発表

  1. 黒瀬 幸汰,岸野 光司,古川 泳玉,今野 雄斗,秋山 小雪,武井 生成,秋山 友子,進藤聖子,尾島佐恵子,小林 美佳,大槻 郁子,山本千裕,藤原慎一郎:複数の不規則抗体保有により同定が困難であった1例.第71回日本輸血・細胞治療学会学術総会抄録集.P362,2023
  2. 小林 美佳,岸野 光司,黒瀬 幸汰,古川 泳玉,今野 雄斗,秋山 小雪,武井 生成,秋山友子,進藤 聖子,尾島佐恵子,大槻 郁子,山本千裕,藤原慎一郎:当院における大量輸血の現状.第71回日本輸血・細胞治療学会学術総会抄録集.P336,2023
  3. 秋山 友子,岸野 光司,黒瀬 幸汰,古川 泳玉,今野 雄斗,秋山 小雪,武井 生成,進藤聖子,尾島佐恵子,小林 美佳,大槻 郁子,山本千裕,藤原慎一郎:当院におけるT&SとMSBOSの再評価について.第71回日本輸血・細胞治療学会学術総会抄録集.P392,2023
  4. 小林 美佳,岸野 光司,末次 遼太,若井田実咲,黒瀬 幸汰,今野 雄斗,秋山 小雪,秋山友子,進藤 聖子,尾島佐恵子,大槻 郁子,永山隆史,山本 千裕,藤原慎一郎:抗Diaによる新生児溶血性疾患への輸血対応.第156回日本輸血・細胞治療学会関東甲信越支部例会抄録集.P14,2023

5.2024年の目標・事業計画等

国際規格ISO15189 第4版への規格変更に伴う審査を受審し、安全な輸血業務の向上に努める。

血液型検査・不規則抗体検査の精度管理を担保し、日本臨床検査技師会 品質保証施設認証の継続に努める。

輸血管理料Ⅰに伴う適正使用加算の取得に向けて、輸血療法委員会や入院診療運営部会議を通して、引き続き血液製剤の適正使用の推進を図る。

細胞プロセッシングルーム内作業を充実させ、造血幹細胞移植の細胞処理無菌操作の人材育成を強化する。

6.過去実績