消化器センター内科部門(消化器内科)【アニュアルレポート】
1.スタッフ(2022年4月1日現在 院内勤務者のみ)
科長 | (教授) | 山本 博徳 |
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副科長 | (教授) | 玉田 喜一 |
外来医長 | (講師) | 三浦 義正 |
病棟医長 | (講師) | 井野 裕治 |
医員 | (教授) | 大澤 博之 (富士フイルムメディカル国際光学医療講座兼務) |
森本 直樹 | ||
武藤 弘行 (情報センター兼務) |
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矢野 智則 (内視鏡部兼務) |
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(准教授) | 三浦 光一 | |
(講師) | 菅野 敦 (内視鏡部兼務) |
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林 芳和 | ||
坂本 博次 (富士フイルムメディカル国際光学医療講座兼務) |
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竹澤 敬人 | ||
渡邊 俊司 | ||
三枝 充代 (健診センター兼務) |
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津久井舞未子 | ||
(助教) | 横山 健介 | |
平岡 友二 (茨城県西部地域医療学講座兼務) |
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病院助教 | 福田 久 | |
高橋 治夫 (内視鏡部兼務) |
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永山 学 (海外留学) |
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岩下ちひろ (健診センター兼務) |
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岡田 昌浩 | ||
野本 佳恵 (QSセンター兼務) |
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川﨑 佑輝 (国内留学) |
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小黒 邦彦 | ||
五家 里栄 | ||
加賀谷結華 | ||
前田 浩史 | ||
シニアレジデント | 17名 |
2.診療科の特徴
Image Enhanced Endoscopy(IEE)を用いた消化管腫瘍の早期診断および範囲診断、超音波内視鏡を用いた深達度診断、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、慢性肝炎・肝硬変に対する原因治療や、肝臓癌早期発見から腹腔鏡下治療、胆膵系腫瘍の進展度診断や内視鏡的ドレナージ、超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)など、広範な領域にわたって基本的診断・治療から最先端の内視鏡診断・治療まで行っている。
特に、ダブルバルーン内視鏡(DBE)による診断・治療においては県外からも数多くの患者紹介を受けている。また小腸を含めた消化管出血や総胆管結石など緊急内視鏡治療が必要な症例に対しては、24時間体制で対応し、地域の中核病院としての役割も担っている。
また、増加傾向にある十二指腸腫瘍に対して当科では積極的な治療を行っており、ダブルバルーン内視鏡を併用した十二指腸ESDでは北関東を中心に、周辺の県からも治療目的で紹介を受ける施設である。
当科の大腸ESDは、一般には高難度の症例に対しても安全に治療を行っており、県内はもとより北関東一円からの紹介を受け入れている。
外来初診診察は若手医師が担当し、患者の症状や病態に応じた検査を組み、再診は専門性に応じて各臓器グループの専門医が対応している。入院診療は、1チームに研修医1、2名、上級医4名以上が付く診療チームで対応し、クリニカルパスの利用などにより入院期間の短縮に努めている。
また、ESDやDBEなど、最先端の内視鏡検査および治療では世界をリードする立場であり、国内外からの多くの研修・見学の受け入れを行っている。
認定施設
- 日本内科学会認定教育関連病院
- 日本消化器病学会認定医制度認定施設
- 日本消化器内視鏡学会専門医認定指導施設
- 日本肝臓学会認定施設
- 日本超音波医学会認定超音波専門医研修施設
- 日本胆道学会認定指導施設
- 日本消化管学会胃腸科指導施設
- 日本カプセル内視鏡学会認定指導施設
- 日本大腸肛門学会認定施設
- 日本がん治療認定機構認定研修施設
認定医
日本内科学会 | 指導医 | 山本 博徳 他30名(内派遣6名) |
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総合内科専門医 | 砂田圭二郎 他24名(内派遣4名) | |
認定内科医 | 山本 博徳 他58名(内派遣10名) | |
日本外科学会 | 専門医 | 堂福 慶吾 |
日本消化器病学会 | 指導医 | 山本 博徳 他18名 |
専門医 | 山本 博徳 他47名(内派遣6名) | |
日本消化器内視鏡学会 | 指導医 | 山本 博徳 他18名 |
専門医 | 山本 博徳 他38名(内派遣5名) | |
日本肝臓学会 | 指導医 | 森本 直樹 他3名 |
専門医 | 森本 直樹 他22名(内派遣2名) | |
日本超音波医学会 | 指導医 | 玉田 喜一 他3名 |
専門医 | 玉田 喜一 他5名 | |
日本カプセル内視鏡学会 | 指導医 | 山本 博徳 他4名 |
日本胆道学会 | 指導医 | 玉田 喜一 他3名 |
日本膵臓学会 | 指導医 | 菅野 敦 |
日本がん治療認定医機構 | 暫定教育医 | 玉田 喜一 他5名 |
日本消化管学会 | 指導医 | 山本 博徳 他2名 |
専門医 | 山本 博徳 他3名(内派遣1名) | |
厚生労働省医師臨床研修 | 指導医 | 玉田 喜一 他11名 |
厚生労働省臨床修練 | 指導医 | 山本 博徳 他1名 |
3.診療実績
1)新来患者数・再来患者数・紹介率
新患 1,815人 再診 28,668人 紹介率 87.4%
2)入院患者数(病名別)
新入院患者数:1,879 *主病名のみの抽出
肝疾患 | 入院数 | 上部消化管疾患 | 入院数 |
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肝細胞癌 | 207 | 胃がん | 152 |
急性肝炎 | 5 | 胃食道静脈瘤 | 50 |
肝硬変 | 8 | 胃潰瘍 | 4 |
肝性脳症 | 13 | 食道癌 | 64 |
自己免疫性肝炎 | 10 | 食道アカラシア | 17 |
肝機能障害 | 4 | その他の食道疾患 | 5 |
その他の肝炎・肝障害 | 11 | 十二指腸潰瘍 | 5 |
肝膿瘍 | 7 | 上部消化管出血 | 19 |
肝不全 | 6 | 十二指腸癌 | 20 |
その他の肝疾患 | 12 | 十二指腸腺腫 | 29 |
その他の十二指腸疾患 | 6 |
胆道・膵臓疾患 | 入院数 | 小腸・下部消化管疾患 | 入院数 |
---|---|---|---|
胆管結石 | 43 | 大腸癌 | 69 |
胆管癌 | 60 | イレウス | 18 |
急性胆管炎 | 29 | ポイツーイエガース症候群 | 17 |
原発性硬化性胆管炎 | 7 | クローン病 | 122 |
胆管狭窄症 | 5 | 潰瘍性大腸炎 | 18 |
胆嚢癌 | 13 | 虚血性腸炎 | 14 |
急性胆嚢炎 | 3 | 下部消化管出血 | 34 |
急性膵炎 | 32 | 小腸腫瘍 | 7 |
(うち重症急性膵炎) | 6 | 小腸出血 | 17 |
膵癌 | 180 | その他小腸疾患 | 10 |
慢性膵炎 | 28 | ||
膵管内乳頭粘液性腫瘍 | 16 | ||
自己免疫性膵炎 | 20 | ||
その他の膵疾患 | 11 |
3)転科・死亡症例病名別件数
転科症例 | 症例数 | 死亡症例 | 症例数 |
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総胆管結石・胆嚢炎 | 9 | 肝癌 | 9 |
膵癌 | 8 | 肝硬変 | 3 |
胃癌 | 4 | 膵癌 | 20 |
結腸癌 | 2 | 胆管癌 | 6 |
クローン病 | 3 | 胆のう癌 | 4 |
イレウス | 13 | 胃癌 | 1 |
胆嚢・胆管癌 | 15 | 上行結腸癌 | 1 |
胆管炎 | 12 | その他 | 22 |
重症急性膵炎 | 3 | ||
食道癌 | 4 | ||
十二指腸癌 | 2 | ||
その他 | 41 |
4)主な検査、処置、治療件数(いずれも内科施行分のみ)
A)消化管関係 | ||
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上部消化管内視鏡検査 | 6,142件 | |
食道静脈瘤結紮術/硬化療法 | 63件 | |
内視鏡的粘膜切除術(EMR) (胃1件、十二指腸44件) |
45件 | |
内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) (胃183件、食道72件、十二指腸6件、咽頭10件) |
271件 | |
内視鏡的超音波検査(含む細径プローベ) | ||
食道、胃 | 497件 | |
経口内視鏡的筋層切開術 | 12件 | |
大腸内視鏡検査 | 3,566件 | |
ポリペクトミー・EMR | 1,395件 | |
ESD | 114件 | |
小腸内視鏡検査 | ||
ダブルバルーン小腸内視鏡(DBERCPとダブルバルーン大腸内視鏡除く) | 386件 | |
小腸内視鏡下の処置、治療 | 146件 | |
カプセル内視鏡 小腸 | 79件 | |
B)胆道・膵臓 | ||
ERCP | 700件 | |
ERCP下の処置および治療 | ||
経鼻胆道ドレナージ | 327件 | |
経乳頭的胆道ステント留置術 | 201件 | |
乳頭切開術 | 202件 | |
結石除去術 | 130例 | |
超音波内視鏡検査(EUS)(胆膵) | 952件 | |
EUS下の処置および治療 | ||
EUS下穿刺吸引術 | 191件 | |
EUS下瘻孔形成術 | 19件 | |
経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD) | 11件 | |
ダブルバルーン内視鏡下逆行性膵胆管造影(DBERCP) | 88件 | |
C)肝臓 | ||
肝癌 | ||
ラジオ波治療 | 83件 | |
(腹腔鏡的ラジオ波焼灼療法) | (79件) | |
(経皮的ラジオ波焼灼療法) | (3件) | |
(外科との合同治療) | (1件) | |
肝動脈化学塞栓術 | 96件 | |
分子標的薬による全身化学療法導入 | 65件 | |
ソラフェニブ | (5件) | |
レンバチニブ | (20件) | |
レゴラフェニブ | (2件) | |
ラムシルマブ | (0件) | |
アテゾリズマブ+アバスチン | (38件) | |
C型慢性肝炎 | ||
グレカプレビル+ピブレンタスビル | 9件 | |
ソフォスフビル+ベルパタスビル | 1件 | |
その他 | ||
バルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術 | 4件 | |
エコーガイド下肝生検 | 31件 | |
経頸静脈的肝生検 | 3件 | |
D)その他 | ||
腹部超音波検査(外来患者のみ) | 2,104件 |
5)クリニカルインディケーター
(1)治療成績
- 上部消化管ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)
胃 一括切除率 99.5%(182/183)
(断端陰性完全一括切除率 97.3%(178/183))
食道 一括切除率 98.8%(81/82)
(断端陰性完全一括切除率 85.4%(70/82))
十二指腸 一括切除率 100%(6/6)
(断端陰性完全一括切除率 50%(3/6)) - 下部消化管ESD
一括切除率 97.0%(97/100病変)
腫瘍サイズ平均 長径35.2㎜ - 肝細胞癌に対する腹腔鏡的治療(ラジオ波(バイポーラ/モノポーラ)、マイクロ波含む)
83症例中、90例で治療完遂、1例で治療目標の結節を焼灼できず
1例で退院後に、膿瘍を形成し入院治療 - 食道静脈瘤治療(EVL)
63症例、全例治療完遂、入院期間の変更を要す合併症なし - C型慢性肝炎治療
グレカプレビル+ピブレンタスビル SVR12:100%(5/5)
※4例は治療中または治療効果判定待ち
(2)偶発症
上部消化管ESD | |
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後出血率 | 2.6%(6/227症例) (内訳:食道1/53、胃5/158、十二指腸0/6、咽頭0/10) |
穿孔率 | 1.8%(4/227症例) (内訳:食道2/53、胃2/158、十二指腸0/6、咽頭0/10) |
下部消化管ESD | |
後出血率 | 2.0%(2/100病変) |
穿孔率 | 5.0%(5/100病変) |
小腸治療偶発症 | |
出血 | 1.4%(2/146) |
急性膵炎 | 0.7%(1/146) |
粘膜裂傷 | 0.7%(1/146) |
穿孔 | 0.7%(1/146) |
ERCP | |
ERCP後膵炎発生率 | 1.5%(12/788)(軽症8、中等症3、重症1) |
穿孔 | 0.3%(2/788) |
EUS(胆膵) | |
消化管穿孔 | 0%(0/952) |
穿刺後出血 | 0%(0/191) |
肝臓治療合併症 | |
腹腔鏡的ラジオ波焼灼術 | |
術後腹腔内出血 | 0%(0/83) |
(3)死亡症例・死因・剖検数・剖検率
6)カンファランス
(1)
消化管カンファ | (毎週月曜日) |
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胆膵カンファ | (毎週月・水曜日) |
肝カンファ | (毎週月曜日) |
ESDカンファ | (毎週月・火・水曜日) |
消化器合同カンファ | (不定期水曜日) |
(2)他科との合同
消化器センター | (内科・外科・病理) |
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肝臓グループ | (放射線・外科)(毎週月曜日) |
(病理)(隔月木曜日) | |
胆・膵グループ | (外科)(毎週月曜日) |
(腫瘍)(毎週木曜日) | |
(外科・病理)(月1回) | |
消化器(主に下部) | 外科・内科カンファ(週1回) |
7)キャンサーボード
グループ名:消化器外科・内科・病理合同カンファレンス
参加診療科 | 消化器・肝臓内科、消化器外科、病理診断部、光学医療センター内視鏡部 |
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実績 | 1年間5回 |
グループ名:上・下部内視鏡カンファランス
参加診療科 | 消化器・肝臓内科、光学医療センター内視鏡部 |
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実績 | 1年間60回 |
4.2022年の目標・事業計画等
臨床面での目標
消化管グループ:
引き続きピロリ菌除菌を積極的に行い、胃がん撲滅の一助として貢献していく。除菌 失敗例(紹介症例など)に対して2次3次除菌を行なっていく。
新しい画像強調内視鏡(BLI; Blue Laser Imaging, LCI; Linked color image)を活用し、早期診断から進展度診断に応用していく。
内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic SubmucosalDissection:ESD) の先進的施設として、難易度の高い症例に対しても積極的に行い、指導者の育成や世界中からの研修・見学の受け入れも行う。特にPocket-creation method(PCM)を用いたESDの有用性を世界に発信していく。また、トラクション法とPCMを組み合わせたより効率的な大腸ESDやバルーン内視鏡を用いた大腸ESDの有用性について前向き無作為化試験にて研究中である。新しい内視鏡的粘膜切除術であるunderwater endoscopic mucosal resectionについても大腸腫瘍領域においてその確実性と安全性、効率性を研究している。耳鼻咽喉科と連携した咽頭領域のESDや、GISTなどの胃粘膜下腫瘍に対する消化器外科と連携した新しい治療法であるLECS(Laparoscopy and Endoscopy Cooperative surgery)、2019年より導入した食道アカラシアに対する経口内視鏡的筋膜切開術(Per-oral Endoscopic Myotomy: POEM)、透明なゼリーを使った内視鏡視野確保の新たな方法であるGel immersion endoscopyについても今後さらなる症例の増加を見込んでいる。特に Gelimmersion endoscopyについては、メーカーと共同開発した専用のゼリー製剤「ビスコクリア」の有用性を世界に発信し、海外での普及を図る。
また、ダブルバルーン内視鏡(double-balloon endoscopy;DBE)を用いた小腸の内視鏡観察、内視鏡治療は、本邦のみならず全世界に普及してきたが、より安全で効率的に検査・治療するための方法として、Crohn病小腸狭窄に対する内視鏡的バルーン拡張術に最適化した専用フードや、Peutz-Jeghers症候群の小腸ポリープに対する阻血治療、細径DBEでも使用できる処置具の開発などをさらに発展させ、情報を発信していく。また、国内・海外からの研修も積極的に受け入れていく。
潰瘍性大腸炎、クローン病など増加する炎症性腸疾患に対して、専門外来や入院患者の診療において第三次医療機関としての役割を担っていく。地域の中核病院として、消化管出血患者に対して24時間体制で対応していく。
胆膵グループ:
画像診断の精度や治療成績の向上を目的として、関係各診療科(消化器外科および病理診断部、臨床腫瘍科)との連携を強化しつつ、超音波内視鏡での詳細な観察並びに、超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)の正診率向上に努めている。また、内視鏡的十二指腸乳頭切除術やEUS下瘻孔形成術などの高難度手技の治療成績・安全性を向上させるための様々な工夫を行い、情報を発信していく。
術後再建腸管の胆膵疾患に対するダブルバルーン内視鏡を用いた ERCP(DB-ERCP)のhigh volume centerとして技術向上のみならず、新技術開発や臨床研究等の情報を発信していく。
膵内分泌腫瘍(pNEN)などの希少腫瘍の診断、治療についても当院での成績や臨床研究等の情報を発信していく。
膵腺房細胞癌の実態調査に関して日本膵臓学会プロジェクト研究(2021-2023年度)に採用され、日本膵臓学会指導医が在籍している施設に調査を依頼し、当施設を中心に研究を開始する。さらに、膵癌診療ガイドライン2022や慢性膵炎診療ガイドライン2021の改訂作業に参加する。
また、内視鏡シミュレーターを利用した学生教育のみならず、専攻医を対象とした胆膵内視鏡ハンズオンセミナーを企画し、開催する予定である。
肝グループ:
肝細胞癌に対する免疫チェックポイント阻害薬が適応となり、治療の選択肢は多岐にわたる。その他の分子標的治療薬(MTA)との治療成績を比較検討し、学会発表、論文化する。今後も新規治療薬や新しいレジメンによる治療の登場が見込まれ、肝がんに対する治療薬は二次~七次治療まで続く可能性があるため、最適な治療薬の適応順・組み合わせを検討する。免疫チェックポイント阻害薬と肝動脈化学塞栓療法を組み合わせた治療について臨床治験を進める。臨床腫瘍科と連携し、免疫チェックポイント阻害薬に伴う免疫関連有害事象(irAE)を集約、特に肝機能障害、急性肝不全に関連する因子の検討を行う。出血傾向などの併存疾患をもつ肝細胞癌症例に対して、腹腔鏡下ラジオ波焼灼術を行い、安全確実な肝癌治療の普及を図る。肝動脈塞栓療法を含む肝関連IVRを放射線科IVRグループとの連携により行う。治療困難な肝細胞癌治療に対する腹腔鏡下ラジオ波焼灼術を消化器外科と連携して施行する。肝疾患における栄養状態の評価をInBody®とCTで行い、患者さんにそのデータを還元していく。非アルコール性脂肪性肝炎を中心とした慢性肝疾患に対してフィブロスキャン®を用いて肝硬度を測定し、臨床的および組織学的検討と対比するとともに、治療介入による経時的検討を行う。新規肝線維化マーカー(オートタキシン)について、他の線維化マーカー、肝硬度測定値との比較検討を行い、その有用性を検討する。
全体的な目標:
医師の育成のための教育としては先進的技術のみに目を奪われることなく、基本となる医学・医療の目的を常に忘れず、診断、治療における考え方を重視していく。
当科の領域のみの考えにとらわれず、他科との協力、他施設との連携も含め、広い視野で患者に最善の医療を提供していくことを目標とする。
問題点を一つ一つ解決し、高い専門性を維持しつつ、地域との連携を強め、地域医療に貢献し、患者・職員共に満足度の高い科・病院として発展していくように努めていく。